「えーマジかませ!?」「カモーイ」「カマセが許されるのは小学生までだよねー」「キャハハハハ」
俺達はグリーンドラゴン討伐に向けて、街の市場に買い物に来ていた。
ノゾミは馬車の手配をということで、一旦別行動だった…のだが。
「おいい?君、ちょっと待ちたまえ。」
所謂イケメンという奴がその後ろに数人ごろつきを従えて声をかけてきた。
「ん?何か用か?」
「なぜ君達みたいなのに氷結の魔女が一緒にいるんだい?」
ふむ、ノゾミのネームバリューは大分とすごいようだな…まあ聞いてみたところ氷というのがそもそも希少なうえ、おまけにあの美貌だ、誰もが声をかけ、玉砕していたらしい。
「ケイジ…やばいかも、あれ…最近Aランクにあがった風のカモーイだ…後ろの連中も有名なやつらかも…しかも裏で薬とかにも手を出してかなりひどいことしてるって噂」
「ほう、Aか…そして外道というわけだな」
エリーが不安そうな顔でこちらを見上げる。
…ふむ、どうやらまだエリーは俺のことがわかってないようだ。
ここは一つ俺がどういう存在なのか、わからせないといかないな…俺の女だというのならば。
「ああ、そちらのお嬢さんは結構だよ?
最近氷結のと一緒にPTにいたんだよね?
やはり美しい魔女には美しい女性が似合う…貴方も一緒に私がもらってあげよう!
さあ、さっさと尻尾をまいて逃げろ!そうすればおまえに手は出さないでおいてやるよ!」
こ、こいつは…いくしかない…こんなチャンス、絶対ない…いつやるか?今でしょ!!!
「こ…、こいつをひき渡せば…、こいつを差し出せば…、ほ……、ほんとに…ぼくの「命」…は…、助けてくれるのか?」
ニタァーっとカモーイの顔が歪む。
「ああ~、約束するよ~~~~~~~~~ッッ!!!
そのお嬢さんと引き換えのギブ・アンド・テイクだ、差し出せよ…早く!」
「ケ、ケイジ…?」
………ああ…ああ!…ああ!どうしてこいつはこうも俺が思ってくれるとおりの返事をしてくれるのだろう…!
どうしようもないクズだが、どうしようもないほど最高だ!
「さあ、早く!」
「………だが断る」
「ナニィッ!?」
「ケイジ…ッ!」
驚いた顔のカモーイとエリー。
「この俺が最も好きな言葉の一つはな、『自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事』…だ!」
言ってやった!言ってやったぜええ!
「ふっふっふっふっふ、はっはっはっはっはっ!ハーッハッハッハッハッハ!」
カモーイと呼ばれる男が、顔に手を当て天を見上げる。
「おいおいどうした?ついにイカレたか?」
「…………だまれカスがッ!いいだろう!ならば力づくで奪うまで!
皆!立会人になれ!決闘だ!」
「エリー、立会人と決闘って?」
「ギルド規約知らないの…?ハンター同士の喧嘩は、一定以上の立会人がいる場合に限って決闘を行うことができる、ただしその場合命の保障はなしとし、死亡した場合は所持しているものに限って、全ての権利が相手側にうつる…ハンター規約第9条よ。今回の場合は…最悪ね…」
「解説サンキュー…そいつはいいな。」
Aランクか…つまりはノゾミ以上の強さであり、シールさんに並ぶってわけだ…!
おもしろい!ふっかけられた理由は気に喰わないが、せいぜい楽しませてもらうとしよう…なにぶん俺は気分がいい…お気に入りの言葉も言えたしな…!
だから殺さずに9割殺し位にしてやろう。
「では行くぞ…せいぜい逃げまどえ!」
そういってカモーイが風の魔法を身にまとい、一気に距離をつめてくる。
俺の肩口は、カモーイの持ったサーベルに斬りつけられた。
「~~~ッッ!?」
「ケイジッ!?」
「ははは!どうした!さっきまでの威勢はどうしたんだよぉ!!!」
「Aランクと聞いてな…そして今のを見て、想像を絶した…」
「今更命乞いか!?お前はここで惨めに消えるんだよぉ!」
「想像を絶する…弱さだ…」
Aランク?こいつが?何の冗談だと思った。
シールさんはこいつの何倍も早く鋭かった、ノゾミならばこいつなど近づく前に氷漬けだろう…。
期待していたものが、想像以下であった場合、大体の人間はその落差に落胆するか、怒るだろう…俺は後者だ。
「…もういい、顔を見るのも不愉快だ。
去ねィ!」
ドォン!
そんな音が広場にこだました。
俺はカモーイの肩に手刀を叩きつけた、決して斬らぬように。
結果カモーイはそのまま押しつぶされ、身長が180センチくらいあったのもが、70センチほどになっていた。
股が裂け、胴体が不自然に短くなっているが、生きている。
死なないように心臓にも気を送ってやった。
響き渡る悲鳴、怒声…カモーイの取り巻き数名が殴りかかってきたので、全員腹パン1発で悶絶させた後、蹴りで10メートルほどぶっ飛ばして付近を掃除した。
静かになった広場に満足した俺はエリーの手をとって買い物を再開した。
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風のカモーイにからまれた…最悪だと思ってたけど、ケイジがぶっ飛ばしてくれた。
確かにいけすかないやつだったし、裏では薬か何かで随分ひどいことをしているという話を聞いていた…だが、あれは、あの仕打ちはどうなのだろう…。
股をさかれ、身体をめちゃくちゃにされたカモーイを思い出す。
いくらなんでもあれはやりすぎではないのだろうか…。
「ケイジ…ねえ、さっきのはちょっとやりすぎなんじゃ…?」
「ああ?」
「彼死んではないけど…あれだともう一生…動けないんじゃないの…」
「そりゃあそうだ、わざと殺さずにああしたんだからな。
ああやって殺さず生き証人としてれば、俺達に手をだしたらどうなるか皆もわかってくれるだろう。
今後あいつが仲間に見捨てられて殺されようが、しったこっちゃない。
殺されるまでの間見せしめになってくれりゃあ十分だ。」
「でも…」
「でもじゃない。あいつは悪党なんだろう?薬にも手を出してると言ったじゃないか。
俺がいたところにも薬はあった、悪魔の薬だ。
そんなものを取り扱う奴は、生きているだけで他人の迷惑になるんだよ。
悪党に人権も糞もねえ、これは俺の持論だが、"死ぬべきものは、死ぬべきだ"」
ケイジの言うことはわかる…わかるけど、なぜか心が納得しない…なぜ…?
それからしばらく、無言のまま買い物が続いた、買い物の間のケイジはいつもどおり優しかった。
ずっと考えて、わかった。
そう、私は怖かったのだ…いつも優しいケイジとのギャップが。
そして私もそんな風に見られるのじゃないか、嫌われるんじゃないか…と。
だから私は思ったままのことを口にした、これ以上胸のうちにとどめるのは無理だったし、この思いを口にしないと、嫌われてしまうんじゃと思って…。
「なんだ、そんなことか。」
「そんなことってなによ!こっちは真剣に…!「 」…ッッ!?!?」
ケイジに口をふさがれた…ケイジの口で。
「俺はお前にほれたんだ…もっと自分に自信をもて。
お前がお前である限り、俺はお前を嫌いにはならねえ。
それにたとえお前が道を踏み外そうとしても、俺が元に戻してやる!」
………あークソ…!顔が赤くなるのがわかる…!
惚れてまうやろお…
「ねえケイジ…これからも私を見ててね…。
貴方の知らない私が、たぶんたくさんある。
だから私がダメな方向に行ったりしたら怒って欲しいし、こうして欲しいって願望があるのなら、そうするようにするから言って欲しいな…。
だから私にも色々なケイジを見せてね…。」
「ああ…色んなエリーを見せてくれ、そんでもってその度に惚れさせてくれ。」
………訂正…惚れてまうどころか、既に私はぞっこんでした…。
ケイジの胸におしつけた顔は、リンゴのように真っ赤でしたとさ。
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???視点 ~人気のない路地裏~
「ほんまたのむでえ…二度とうちらに近づかんといてや。」
「ひい…ッ!わかった、わかったからッ!殺さないでくれ!頼む!ぎゅべ…ッッ!?!?」
「当たり前やん、あんたら殺したら誰がこのこと言いふらしてくれるんや?」
「たのむ!たのむうう!しにたくない!しにt…ぎゃぼひゅ…」
「けど言いふらすんは、最低限生きてて、あとは口さえあればいいやんなぁ」
そもそもこいつに手をだしたのが間違いだった…
氷結の魔女…こいつはやばい…氷がどうこうじゃない、くるってやがる!
なんだその深淵を覗くような瞳は…ああ、ああこっちにくるな!くるな!くるな!ぐるなあああああああ!
…
………
…………
……………
「さて、まあたぶん死んでないやろー。はよいかんとエリー達待たせてるわぁ。」
のんきな声がかすかに聞こえたような気がしたが…俺の意識はそこで闇へと落ちていった。
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エンジェルロストを出て約1日、周囲が暗くなってきたため、俺達は少し開けた場所を見つけ野営となった。
そこでこの旅におけるドラゴン以外の目標にむけての作戦を開始した。
「なあエリー。エリーって前に話してくれた水晶の魔力測定では、魔力の質はいいけど魔力量がない。また赤色に権限せずに黄色か白かそういう色だった、で間違いないか?」
「…急にどしたの…?うん、まあそうだけど…。」
「今改めてとエリーの中を見てみたんだが、魔力量は俺達が出会った頃に比べて大分増えていないか?」
「ッ!?」
「試しに出してみたらどうだ。」
「うん、…うん!うん!!!
………ファイアボール!」
エリーが手を掲げ、魔法を唱えた瞬間…
ボウッ!
とエリーの掌から火の玉が飛び出し、樹木にあたり焦がす。
「「~~~~~~~~~~ッっッッッ!?!?!!!!」」
エリーとノゾミが驚いた顔で俺の顔と火の玉を見比べる。
「すごい…エリー…前より全然」
「どういうことなの…。
前はもっと小さな火の玉だった、それこそ吹けば消えてしまうような…。」
それに比べて今回は直径30センチほど…段違いといえよう。
「―――――――ッ!!! もしかして…」
「ノゾミ、何か心当たりが!?」
「おそらくや…ケイジさんのおかげや…。」
「ケイジの…?」
「ああ、うちら、最近毎日毎日ケイジさんのを摂取してるやろ?上からも下からも。
以前あれが魔力回復効果あるっていってたけど、どうやらそれだけやないみたいや…。
おそらく、魔力そのものが増えとる…これはすごいことやで?
ケイジさんがその気になれば、理論上は無限に魔力量を増やせる…しかも誰でも!」
今度はこっちが絶句する番だった、いやまさか俺のミルクにそんな効果があるとは…。
当初の予定とは違ったが新発見だ…てかこれやばいだろ、ハーレムをつくればつくるほど味方も強くなるじゃないか!
「そういうことだったのか…!
エリー!コレでお前も魔法使いになれるぞ!
よし、そうと決まれば早速今かr ――バチン!―― ……はいすみません。」
エリーの右手が久しぶりに一閃した。
「と、とにかく…ケイジのがすごいのはわかったわ…その…増やすのはまあ、これから…ね?いつでも、ずっとできるし…………エヘヘ」
エリーの頬が緩む、それは行為を想像してか、それとも魔力量の増加を想像してか…あるいはその両方か…。
「とと、話がそれたが戻そう。
エリー、魔力量はまあ今後にしてだな…俺が気になっていたのは輝きと色についてだ。
色は黄色がかっていた…と言っていたが、どんなものだ?そしてそれがくらむほどの輝きというのは…。」
「ええと…輝きに関しては本当にすごいくらい輝いていたらしいの…ただいかんせん魔力量がなく、その輝きも宝の持ち腐れよ…。
色はたぶん黄色だったと思う…たぶん…。」
なるほど…やはり聞いた推理は正しいようだ。
「エリー、俺が思うにお前は、火なんかよりよっぽどすごいものを持っているんじゃないか?」
「えっ?火より…すごい…?」
「眼もくらむ類を見ない輝き…火の熱エネルギーなど足元にも及ばない…マグマ?否、雷…だ。」
「か、雷!?雷ってあの嵐のときになってるあの雷?」
「ああ、試してみる価値はある…
エリーの魔力の質は、誰よりも高い。
現に俺が気を通してみても、エリー…お前は輝いている…美しいくらいに…。」
それから俺達は、エリーの雷魔法を顕現すべく修行を開始した。
移動の途中や、野営をしながら。
まずはイメージ、ということで俺が雷刃天翔波を撃ったり、掌にためてエリーに触れさせたりした。
街を出て、そして修行を開始して2日目…ついにエリーも雷…つまりは電流を感知し、掌に流すことができた。
それは微々たる量…しかしそれは、確実にあった。
「やった…!やった…やったよおおおおおおおおおおおおおお!!」
はしゃぐエリー、俺に、ノゾミに抱きつきキスをし叫ぶ。
「おめでとう、エリー…すごいなぁ雷て!うちらレア魔法同士やん!」
「よくがんばったなエリー…今は微々たるものかもしれが、修行を続ければお前も俺のように…いや俺以上に使いこなせると思うぜ。」
「うん…うん…ありがとう、ありがとうケイジ…ノゾミ…!」
「ええよええよ、これで毎日特訓やな!魔力きれたらケイジさんので回復&量増加!なにこれ素適やん!?うちも一緒に特訓やで!!!」
これはドラゴン討伐から帰ったら早急に家を買わねば…もちろん防音効果つきのな!!
「とりあえず、明日からドラゴンの縄張りに入る、エリーも雷魔法を使いたいだろうが、明日に関してはいつもどおりを心がけてくれ。
あと今後ノゾミのようにめんどくさくならないように、雷っていうのは口外しないほうがいいだろうな…。」
「そうやねぇ…うちも大変なんはようわかるから…エリーもこっそりしたほうがええ?
まあこのPtおる間は絶対大丈夫やろうけどな。」
「わかった…帰ったらしっかり教えてね?」
こうして俺は目標の一つ、エリーに魔法を、そして自信をつけさせるを完了した。
あとはドラゴン…てめえは明日だ!首を洗ってまってやがれ!
あとがき訂正。
なんかいやな流れですが、次回で収まり予定。




