はじまりの一歩。
女将さんに3人でジャンピング土下座を行い、メーリに旅立つまではおいてもらえることになった。
今までお世話になったお礼と、こちらも奮発をした。
具体的に言えば、俺らのせいで宿に人をいれるに入れられないため、他の部屋の分全額だ。
最近の狩りで懐は暖かかったので、慰謝料として払おうとしたところ、「普通こういうときは、倍返しだ!…だろう?」と、このごろ西都で人気の舞台で流行っている言葉のせいで倍払うことになった…。
そんなこんなで、俺達はメーリに向けての準備をしている。
予想外の方向でハーレムルートに入ってしまったのは昨日…だが、下衆な考えは浮かばない、思うのはたぶんただ一つ…この子達を幸せにする。
あ、すまん1個じゃなかった…俺も幸せになる!あと他にかわいい子いたらごめん!い、いや俺はこの子ら一筋だ…あれこの前はエリー一筋とか言ってたのに…もういいよね!
まあともかくだ、…ついにあのフリーダムなランクの胸を我が物にできたのだ!
吸い付くそれはもうマシュマロだとかそんなちゃちなもんじゃねえ、至宝というなの果実を心行くまで味わったぜ…氷結果実、その名に恥じぬ禁断の果実であった!
チュンチュン
朝起きると、金髪美少女と黒髪美少女に挟まれている。
ああ、異世界にきてよかった…なんかもう俺より強い奴とかどうでもよくなってきた、ほら3大欲求の1つってあれじゃん?
等とダメ人間まっしぐらな考えをしていると、エリーとノゾミが起きたようだ。
「おはよう、ケイジ」
エリーが俺の唇をついばむ…甘い蜜の味がする…実際は別に甘くもなんともないが、それでも好きな女との接吻は、そんな味がするのだ。
「ん、うちもぉ♪」
頬をつかまれ逆に向かされたと思ったら今度はノゾミが俺の唇を求める、あらぶる舌の動きで、寝起きということもあって我が息子は既に臨戦態勢だ。
「ふふふ…昨日あんだけしたのに………。
悪い子にはおしおきや♪」
ノゾミが愛おしそうに我が息子を食べ、上ではエリーが俺の口を食べる。
あっという間にはてる俺…。
「ふふふ、昨日あんだけ出したのに…ほんまケイジは絶倫やなぁ…♪」
ノゾミの俺に対する呼び方も、ケイジになった。
口の端からたれた白い液体をなめ取る姿はとても妖艶で…。
「苦く…ないのか?」
「んんー?ちょっと苦いけど…ケイジのやと思ったらなんか、愛おしくてなぁ…。
そう考えたらすっごくおいしいっていうか…なんなんやろう、ああケイジのがうちの中に入ってきてるって…そう思うんよ。
あああと、昨日から思ってんけど、ケイジのこれ…魔力回復効果あるかも。」
ブフッ!!!
俺は思わず吹き出した、ソレナンテ=エ=ロゲ。
「昨日は夢中で気づかんかってんけど…うちの中にケイジのがじわーって広がった時な、あったかいなぁ…って思ってん。
まあ実際あったかいんやろうけど、それとは別に魔力的なものも感じてな。
で、今も飲んでみてわかったわ、やっぱり魔力回復してる。
昨日あんだけ激しくされたのに、今はすごく体調いいもん。
まあ腰はちょっと…抜けてるけど…。」
そうやって腰をくねらす彼女は妖艶で…いかんいかん、静まるのだマイサン!
「エリーかて、腰砕けはともかくここんとこ体調はすごい良かったんちゃう?」
「た、たしかに…なんか身体からあたたかい力がジワーっと広がるっていうか…。
そっか…これもケイジのあたたかさなんだね…。」
そうやって下腹部を優しく撫でるエリー……だ…駄目だ、反応するな…こらえるんだ…し…しかし…
「で、一番効果的なんは、上の口やなくて、下の口でもらうのが…ええみたいやで?」
おいおい言い方が女捨てたオバタリアンみたいになってるぞ。
「んんー?なんか失礼なこと考えてへん?」
そうやってノゾミは俺の首に手を回し、抱きついてくる…。
俺の胸にむにゅううう…とつぶれた果実の感触が広がる…。
た、耐えろ俺…限界まで…限界まで耐えるんだ…ッ!
「ケイジィ…」
今度はエリーが横から抱きついてくる。
これを耐えろと…?いいや!『限界』だッ!押(し倒)すねッ!!
………その後俺はお昼まで彼女達の魔力回復作業を行った。
「…………。」
女将さんの目が痛い。
朝御飯というかもうお昼ご飯なのだが、俺達は食堂でご飯を食べている。
ノピちゃんに至っては養豚場の豚を見るような目で俺を見てくる、ふむ…これはこれでなかなか…。
「――で、とりあえずメーリのどこに行こっかぁ。」
「その前にエリーはいいのか?俺は別に、ヒーヅルのままでもかまわんぞ。」
「ーッ!…うん…もう、大丈夫、大丈夫だよ。確かに怖いけど、もう一人じゃないしね…。行こう、メーリへ。」
その顔は、完全には吹っ切れていないのだろう…しかしその瞳はまっすぐと、しっかりと俺を見つめていた――大丈夫、何かあったらケイジが守ってね――俺はその瞳を信じ、そして信じられたことを胸に刻む。
「何があってもエリーは俺が守る。…もちろん、ノゾミもな!」
――こうして、俺達はメーリへと旅立つことを決めた。
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「あらあら、寂しくなるわねぇ♪」
「ええ、シールさんには本当にお世話になりました。
別世界に来た俺にとって、最初に出会えたのが貴方で本当によかったですよ。」
俺はヒーヅルを出ることになったあと、挨拶だけはしておこうと思いダーゼ家を尋ねていた。
プリメラは、両手を頬の近くまであげて、あいかわらずいやんいやんとくねっている。時折「彼がぁ…彼が家に来てくれたぁ…これって婚前よね!挨拶よね!」などと気味の悪い笑みを浮かべてぶつぶつ言っている。
彼女はどこへ行こうとしているのだろうか…いやそんなことよりも、あの上体の∞を描くような動きは…いやよそう…彼は前の世界での話しだ、まさかこの世界にボクシングなどあるわけがないし、あの使い手がいるわけがないだろう。
―――後にプリメラは稀代の拳闘士となるのだが、それはまた別のお話。
「メーリかぁ…ケイジさん、会うかはわからないけど、あっちには私の夫がいてね。
実力は…そこそこかしら?あなたの全リミッターありなら善戦できるかもね。
あとこれ、もし彼にあったら渡しておいて、私からだって言えば…力になってくれるはずよ。」
そういって彼女は俺にペンダントのようなものを渡してくれた。
獣のような柄が描かれており、読めないが文字も見える。
「それはダーゼ家の…まあ家っていっても私達が初代なんだけどね。
2人で決めた紋章なのよ…。」
「ありがとうございます…!見ず知らずの俺にここまで…ッ!」
「まあ、無関係ってわけでもないしね。これも何かの…縁なのよ。」
それから俺はシールさんと"色々と"お話をして家を出た。
「ケイジさん。エリーちゃん達のこと、泣かしちゃだめよ?」
「ハハッ!わかってますよ!」
「いってらっしゃい、またね。ケイジさん」
「いってきます、また会いましょう、シールさん!」
その後エリー達と合流し、その日の昼…俺達は西都ハンナリを出た。
目指すはメーリ連合国!
女将さん「ところで、そんなにすごいのかい…」
エリー「ええ、そりゃもう…」
ノゾミ「あれを知ったらもう、あれなしで生きていくの考えられへんよ…」
「「「ゴクリ…」」」