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星光の魔法戦士  作者: あさぼん
第1章 決意の時
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魔獣の正体

川越駅の改札付近。人混みの中、私は優地を探していた。


「…いた!」


私が声を掛けると少し離れたところにいた優地が気づき、手を振り返す。


「おはよう、陽菜」


そう声を掛けた優地。私が傍に近づくと優地は手を私の前へ差し出してきた。私はその手に重なるように手を繋いだ。


「にしても平日のこんな時間に出かけるとはな…」

「まあ、学校暫くの間休校になっちゃったからね…」


昨日の魔獣災害で学校は1,2階付近がかなり倒壊してしまった。幸い、他には特に被害がなかったものの、復旧までは最短で1週間かかるとのことでその間休校となったのだ。


「…で、どうしていきなり北支部に行きたいなんて…」

「ちょっと…大事なことを忘れててな…」


優地は何かを考えているような顔をして言う。


「…仮にさ。もし俺が魔獣を生み出せるって言ったらどうする?」


優地は突然変な質問をする。


「魔獣を生み出せたらって…優地はそんなことしないし、第一魔獣は()()()()みたいなものなんだからそんなことありえないよ」


そう答えると、優地は表情を変えずに言う。


「そうだよな…悪いな、変なこと聞いちゃって。電車乗るか」


そう言うと私たちは改札の中へ入るのだった。




魔除庁の建物に入ってそうそう、優地は赤井さんに質問した。


「魔獣って…どうやって生まれるんだ?」


赤井さんの前に立って、優地が問う。

確かに、魔獣の発生は自然に発生すると言ってはいたが、実際どうやって生まれてきているのだろうか。私も気になる。

質問された赤井さんは少し悩んでから口を開いた。


「この事実は、君らにとってかなり衝撃的な事実となる。それでもいいかい?」


赤井さんの質問に対し、優地は頷く。


「…知りたいんだ。俺も気になることがあるので」

「…私も。もし未然に防げるのなら防ぎたいですし」


私たちの言葉を聞いて、赤井さんはパソコンを開いた。


「本来、この事実は陽菜くんのようなまだ入りたての魔法戦士、ましてや優地くんのような一般人には公開されていない事実だ。それでもいいか?」

「…はい」


私がそう言うと赤井さんはパソコンを開き、とある動画ファイルを開く。ファイル名には『魔法戦士について』と書いてあった。


「これは魔除庁職員の教育に使われる動画だ。ここには魔法戦士とは何か、そして魔獣とは何かについて書いてある。二人に魔法戦士のことをわかってもらうために見てもらおう。」


そう言って赤井さんはフォルダを開き、動画を再生する。




『魔除庁新入職員の皆様。こちらの動画は皆様が今後関わっていく「魔法戦士」、そして魔獣に関しての解説を行う動画です。』


ナレーションの女性の声が響く。


『早速ですが、魔法戦士について紹介していきましょう。』


『魔法戦士。それは8年前の大災害、アポカリプスの際に突如として現れた救世主とも言える存在です。様々な星の力を操るその力は現在も尚、未解明のところはあります。この動画では、その魔法戦士の仕組みについて解説していきます。』


『まず、魔法戦士の力について。既に皆様も御存知の通り、魔法戦士の力の源は魔力です。この魔力は、この地球上、そしてそこに住む生物、ひいては宇宙中に存在しています。専門家の多くは、これらの力をうまく扱える者が魔法戦士になれると考えています。ですが、どうして星から力を得られるのか。そのメカニズムにはまだ多くのナゾが残されています』


そんな話を聞いてると、初めて変身した日のことを思い出す。

あの時力を貸してくれた金星の意思―――きんちゃんと名乗る謎の存在。

あれ以降姿を表したりなどをするわけでもないが、彼女は一体どうしているのだろうか。

そんな事を考えていると、解説は魔法戦士の紹介を終え、魔獣に移る。


『続いて魔獣について。魔獣はアポカリプスの時に生まれた存在とされています。本動画では一般的によく見られる魔獣を見ていきましょう。』


そう言うと、かつて私たちがワカバウォークで見た、一般的な魔獣の図が映される。


『長年の研究の結果、魔獣は我々人類の中にある魔力がマイナスの性質になった時に発生する存在だということが発覚しました。魔力のプラスマイナスはどうして変化するのか、研究の結果から最も考えられる可能性は人々の“負の感情”。人々に蓄積された負の感情から魔獣は生まれます。』


負の感情―――要するに悲しみや怒り、ということなのだろうか。

だが、次にナレーションが発した言葉に、私の疑問は上書きされてしまった。


()()()()()()()()()()()()()()()。』


その事実に、私はもちろん、優地も困惑する。


『実際の映像では、このように人からモヤのようなものが現れ、そこから魔獣が現れる様子が確認できます。』


そう言いながら、映像には魔獣の誕生に苦しみ、意識を失う様子が映し出されており、思わず吐き気を覚える。

心配した赤井さんが私に声を掛ける。


「大丈夫か?別に無理に見ずとも…」

「いえ…大丈夫です」


私は再度画面に目を向ける。


『以上が魔獣誕生のプロセスです。魔獣には現状確認できてる存在が合計3種類います。1つ目は先程紹介した一般的な魔獣、【アゲリ】です。こちらの特徴は何と言っても数。一人から複数体生まれる他、後述のネームド級から生まれることも多いです。』


『続いてはネームド級。姿は個体によって様々ですが、それぞれが突出した能力を持っており、個体によっては甚大な被害をもたらすことも予測されます。』


『そして3つ目。こちらはアポカリプスの際に観測し、それ以降未観測の種、魔人種。』


ナレーションがそう言うと、アポカリプスの際の写真とともに1つ目の巨大な魔獣が映し出される。


『魔人種のデータはほとんど存在せず、現状その能力に関しては完全に未知となっています。攻撃方法としては頭部の眼球からのレーザーと腕からの物理攻撃のみですが、破壊規模は甚大であり、頭部レーザーはかつて東京23区の8割を火の海にしたというデータが残っています。』


確かに、この感じの魔獣はあの災害以降確かに見た覚えがない。

それだけレアなのか、あるいは…


『以上でこちらの動画は終了となります。』


ナレーションがそう言うと、動画は終了した。


「…どうだったか」

「衝撃的でした…」


息を切らしながら言う。

まだ整理はついてないが、それでも飲み込まないといけない事実なのだろう。そう考えつつ、横の優地を見る。優地は私と違って、どこか納得しているような顔をしていた。


「…魔獣って、人から生まれるんですね」


優地は赤井さんの方を向いて言う。


「ああ…私もこの話を聞いたときは衝撃だったさ。未だに信じたくない」


赤井さんの手元を見ると、手元がわずかに震えている。


「ところで、一つ質問なんですが、いいですか?」

「ああ…どうしたんだい?」


「―――魔獣って、人為的に生み出されるものなんですか?」

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