第2話 第二の故郷 統家
俺葉「たのもうーーーっ!! 人質の解放(夕飯の残り)を要求する!!」
徒歩3分の場所にある統の実家。その玄関引き戸を叩き割りそうな勢いで開け放ち、俺は叫んだ。
統「治安の悪い襲撃者みたいなノリで俺の実家入ってくるな!!」
すかさず統のツッコミが飛ぶが、奥から出てきた統のおかんは慣れた手つきで俺の頭を撫でた。
統の母「あら京一くん、いらっしゃい。また鍵忘れたの?」
俺葉「流石ですねお義母さん。察しが良くて助かります」
統「誰がお義母さんや!! 勝手に身内になろうとするな!」
襲撃は無事に成功した。
俺は玄関で靴を脱ぎ捨てると、一直線に脱衣所へと向かう。
俺葉「よし、まずは風呂だな。」
統「実家徒歩3分の俺よりくつろぐな!! なんで自分の家みたいにバスタオル持って脱衣所向かってんねん!」
俺葉「シャワーを借りる。ついでにボディーソープもな」
統「全部借りる気満々やないか!」
〜20分後〜
湯気とともに統の部屋に入ってきた俺は、机の上に置かれていたボトルを手にとり、パシャパシャと自分の顔に叩き込んだ。
俺葉「あー、風呂上がりの保湿は欠かせないよね」
統「おい待て、それ俺のオカンが高価なやつ奮発して買ってきた高級スキンケア化粧水やぞ!!」
俺葉「んー……ぶっちゃけ、この化粧水、質やばいっすね」
統「どの口が言うとんねん!!! 人の家の高いやつ勝手に使って第一開口一番に生意気な批評すな!!!」
俺葉「もっとこう、細胞に直接働きかけるような重厚感が欲しいかな」
統「ただで借りてる立場を思い出せ!!」
その後、図々しく夕飯の唐揚げをご馳走になった俺たちは、満腹の腹を抱えて再び俺のアパート(201号室)の前へと戻ってきていた。
俺葉「はー、食った食った。ごちそうさまでした」
統「お前ほんまに図々しいな……で、どうすんの? 鍵業者呼ぶお金もないんだろ?」
俺葉「甘いな統。物理的アクセス権を行使する」
統「物理的アクセス権……?」
俺はポケットから、さっき統の実家の洗面所から黙って拝借してきた『針金ハンガー』を取り出した。
統「おい待て、それ俺の家から持ってきたハンガーちゃうか!?」
俺葉「阿修羅高校で習ったピッキング術(※習ってない)を見せてやる」
統「どんな物騒な授業受けてんだ!!」
カチャカチャとピッキングを開始して3秒。
ドアノブの横の隙間にハンガーを突っ込んで強引にねじ込むと、カチャリと間抜けた音がして、201号室の鍵が開いた。
俺葉「開いたわ」
統「開くなや!!! 防犯意識どうなってんねんこのアパート!!!」
針金ハンガー1本で解錠できる我が家のセキュリティの甘さに一抹の不安を覚えつつも、俺たちは無事に部屋へと戻ることができたのだった。
よろしければ次回も読んでいただけると幸いです。
あったよねー ピッキング術授業。
次回もお楽しみに!




