第3話 訓練場
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午前の授業はあっという間に終わった。授業は難しくなかった。おそらく武高の主な目的は座学でいい成績を取ることではないから、座学の授業もかなり簡単なのだろう。
午後になると、いよいよ最も重要な実戦授業の時間だ。
実戦訓練区は、多種多様な状況に対応するために六つの大区域に分けられ、各大区域の下にはさらに六つの小訓練場が設けられていて、日常訓練と実戦訓練に使われている。訓練場に一歩入ると火薬の匂いが漂ってきて、毎日訓練場で消費される弾丸の数はほとんど計算できないほどだ。
アーサーは先頭を歩き、クラスの生徒たちを訓練場へ連れて行った。全員が砂利を踏みしめながら、アーサーが訓練内容を告げるのを待っていた。
僕は砂利を踏んでいた。砂利は黄土色で、すでに固く踏み固められていた。顔を上げると、二十五メートル先にいくつかの黒い的が立っていて、耳元には他の区域からのかすかな狙撃銃の射撃音も聞こえてくる。
「蘭、拳銃は持ってる?専用か制式か?」
アーサーの言葉が、上の空でいた僕の思考を遮った。
「あ、まだ持っていません。銃をあまり使わないので、専用の拳銃は持っていないんです。制式ので構いません。」
「うん、それもいい。一つ取ってくるから、少し待っていてくれ。」
「は、はい。」
アーサーは訓練場のすぐ近くにある木の小屋の前まで行くと、扉を押して中に入った。やがて、中からアーサーの少し気だるげな声が聞こえてきた:
「蘭、自分でこっちに来てくれ。合うパーツを選ばないといけないから。」
「はい!」
僕は大声で返事をして、それから小走りで木小屋の前まで来た。木小屋の中には拳銃がたくさん置かれていて、拳銃よりもさらに多かったのは、箱ごと積み上げられた弾丸と、あちこちに散らばった交換パーツだった。
こんだけの武器を、こんな警備も何もない場所に置いておくのかよ。学校も、いくら何でも危機感なさすぎるだろ。
「ああ、俺としたことが。銃ってのは人それぞれ、使いやすい形が違うんだった。ここにある交換パーツは自分で付け替えられる。やっぱり手に馴染むのが一番だよな。」
アーサーは笑って額をぽんと叩き、HK VP9を一本僕に手渡してくれた。マットブラックの拳銃は、どこか殺気と神秘を漂わせていて、外で普通に売られているHK VP9とは少し違う。ここのHK VP9は、グリップのところに彫刻とも塗装ともつかない感じで校章が描かれている。
拳銃には専用のアイコンが刻まれていて、まるで偽造防止マークみたいだった。
僕は拳銃を受け取った。以前使っていた拳銃より少し軽いが、グリップは少し大きい。自分の手がもう少し大きければ、しっくりくるかもしれない。僕は散らばったパーツを見ながら、交換を始めた。
交換の合間を縫って、アーサーは僕の後ろに立って眺め、うなずきながら言った:
「君は以前、よく銃を使っていたのか?」
「別に、普段はあまり使いません。入学テストのときも、射撃の成績はぎりぎり合格だっただけです。」
「合格か……まあ、それでも十分だ。学校のテストは他所より厳しいからな。」
アーサーは無精ひげを撫でながら、何かを思い出すように続けた:
「射撃の成績がぎりぎり合格なら、射撃場にもっと練習に来ればいい。どうせ武装ポイントは取らないんだからな。」
「ありがとう。あ、付け替え終わった。お手数かけました、アーサー先生。」
話しているうちに、僕は拳銃を簡単にカスタムしていて、さっきより少し小ぶりで手のひらに馴染むようになっていた。グリップの校章はそのまま残してある。どのグリップにも校章が刻まれているからだ。
アーサーは近づいて、カスタム後のHK VP9を眺めるとうなずき、手を伸ばして立ち上がり、僕の右肩をぽんと叩いた:
「うん、いいな。自分に合ってりゃそれでいい。行くぞ、まずは射撃訓練だ。外の小さいイカレどもを待ちくたびれさせないようにな。」
自分の生徒を小さいイカレどもなんて言うのは、本当に適切なんだろうか。でも、あんなに気さくなアーサーがこういうことを言うのは、むしろ予想通りというか、納得なんだよな。
僕はアーサーの後ろに続いて木小屋を出た。外では、生徒たちがすでに三々五々の小さなグループに分かれて雑談していた。
射撃訓練はまあ簡単だった。自主練ではなく授業の訓練だから、基本的には一人ずつ前に出て、的を十発撃って得点を確認するだけだ。撃つにつれて場内の火薬の匂いもどんどん濃くなっていき、クラスの大半の射撃成績はBマイナスかBで、良好なレベルだった。
僕の射撃の番になった。二十五メートル先の的だ。僕は息を吸った。でもそれは、射撃そのものに緊張したからじゃない。見られていることに緊張したからだ。何しろ一人ずつ交代で撃つから、自分の番になるとほぼ全員の視線が自分に集まる。それが少しプレッシャーになった。
引き金を引く。火薬の匂いが鼻の奥に染み込んでくるようだった。1発目は7点、プレッシャーで少し狙いが逸れた。2発目は9点、3発目は8点。でも撃てば撃つほどプレッシャーが大きくなっていく。自分の射撃成績はぎりぎり合格なのに、前にあんなにすごい人たちがいるから、後半はどんどん逸れていって、最後の一発に至っては6点しかなかった。
10発目の銃声が響き終わると、僕もほっと息をつき、VP9をホルスターに収め、脇へ歩いていってアーサーを見た。手のひらにかなり汗をかいている気がして、また服の裾で手のひらをこすった。
アーサーは僕を見て、それからタブレット端末に目を落とすと、落ち着いた口調で:
「全弾命中、外れなし。82点。C+で、もうすぐ良好に手が届きそうだ。君は少し緊張しすぎているよ。訓練なんだから、そんなにプレッシャーを感じなくていい。次はもっと良い成績になる。もう終わりだ、自由行動にしていいよ。」
「はい。」
僕は隊列に戻り、ホルスターを右腰に下げた。左側は普段、僕が刀を差す位置だが、今日は刀を持ってきていない。それでもこの習慣は残っていて、それに右側のほうが素早く銃を抜くのにも役立つ。
あ、そうだ、刀だ。この時になって、まだ刀の届け出をしていないことを思い出した。アーサーは自由行動と言ったけど、訓練場を離れていいかまでは言っていなかったようだし、やっぱり少し聞いておいたほうがいい。
僕はアーサーの前に歩いていった。その時彼はほかの人たちの射撃訓練を見ていて、僕が来たことに気づくとこちらを見て尋ねた:
「どうした?」
「僕が来た時に生徒会の人から、専用武器は届け出が必要だと聞きました。先ほどアーサー先生が自由行動と言っていましたが、この時間に届け出をしに行ってもいいでしょうか?」
「うん、いいよ。もう少ししたら格闘訓練もあるから、それまでに戻ってくれば大丈夫だ。届け出は武器部でいい。武器部は後方支援科の近くにあって、着けばすぐ分かるよ。『武器部』って大きな文字が出ているから。」
「ありがとうございます。必ずできるだけ早く戻ります。」
アーサー先生にお礼を言ってから、僕は訓練場を出て、休む間もなく寮へ急いだ。
寮に戻って刀を取り、寮を出ると、大きく息を吸って後方支援科へ向かって走った。




