第21話 襲撃
僕はジャックを押さえつける。冷気はすでに彼の頬を這い上がっていた。
「ちゃんと答えないと、凍傷になるぞ。」
白い風からは少し距離があるのに、その冷気のおかげで温度が下がっているのをはっきりと感じられた。
「話す、話すよ。全部話す。」
ジャックは叫びながら体をよじらせ、必死にあの白い風から離れようとしていた。
「ジャック、言うな——」
ロイは大声で叫んでジャックを止めようとしたが、叫んだ途端に紗夜に口を塞がれ、一言も言えなくなった。
ジャックは体を震わせて言った:
「さっきの、さっきのあの写真がカノポス匣だ。お、俺の部屋へ連れて行ってやる。」
骨壺がカノポス匣だったのか。これで任務は早く終わりそうだ。
僕は少し手を緩めてジャックを立たせ、アナスタシアも手を振って白い風を散らした。
紗夜は鞘でロイの首の後ろを打って気絶させ、縄で四肢を縛り、一枚の布で口を塞いでから、部屋の隅に置いた。
僕は刀を再び鞘に収めた。アナスタシアにジャックを押さえてもらうつもりだったが、あまりにあからさまな脅しを警備員に気づかれてしまえば、そのときは少し厄介になる。
アナスタシアはジャックの手首をつかみ、白い風が手首のあたりに淡く漂っていた。
スイートのフロアまで来ると、僕たち四人は一番奥の部屋へ歩いていった。
ジャックは指紋で扉を開けた。
部屋の中央には金庫が一つあった。金庫は大した大きさではなく、高さは五十センチほどのようだ。
アナスタシアはジャックを連れて金庫の前まで行き、金庫を開けさせた。白い風による脅しのせいで、ジャックはまったく逆らえず、おとなしく金庫を開けるしかなかった。
僕は脇に立って窓の外を眺めていた。空が少し白み始めている。いつの間にか、ここで一晩を過ごしてしまったらしい。もっとも、カノポス匣を手に入れさえすれば任務は完了だ。時間は無駄にしたが、それほど苦労したわけでもない。
僕が少しぼんやりしているうちに、ジャックはもう金庫を開けていた。金庫の中には任務の目標が収められている。
僕は金庫の前まで歩み寄り、中からカノポス匣を取り出した。これで任務も完了と言っていいだろう。
カノポス匣は重くなく、むしろ軽いくらいだった。中に何かが入っているらしく、縁に当たって音を立てた。
「なんだ、こんな小さなものか。」
アナスタシアは僕の腕の中のカノポス匣を見て、軽く笑った。
「まあ、任務はとにかく完了だ。大して面倒でもなかったし、いいことだよ。」
僕は適当にバックパックを一つ見つけ、カノポス匣をその中に入れて、それからストラップを引っ張って切れないことを確かめた。
僕が声をかけ、みんなと一緒にここを出ようとした、まさにそのとき。
クルーズ船の窓が砕け、炎が僕の目の前で爆ぜた。目の前だけではない、四方八方から爆発音が響いてくる。反応する暇などなく、周囲のすべてがスローモーションになったかのように、自分が吹き飛ばされていく速さまで緩やかになったようで、紗夜が刀を抜く姿や、アナスタシアの全身が白い風に包まれる様子まではっきりと見て取れた。
続いて襲ってきたのは激痛だった。背中が壁に叩きつけられる。痛い、すごく痛い。
僕は地面にうつ伏せになったまま、さっき何が起きたのかまったく理解できていなかった。だが襲撃だとだけは確信できる。しかし痛い、体中のすべてが痛いと叫んでいる。
耳障りな警報音がクルーズ船全体に響き渡り、叫び声と悲鳴が廊下から聞こえてくる。廊下を必死に走る人影も、かすかに見えた。
紗夜は片手に刀を持ったまま、すぐに僕のそばへ駆け寄り、しゃがんで僕の腕と太ももを触った。
「大したことはなさそうだ。立てるか?」
「やってみる。」
僕は両手で体を支え、どうにか地面から立ち上がった。相変わらず痛くて、もう一度倒れ込みたいほどだったが、立てたということは、それほど深刻ではないという証拠だろう。
紗夜は手を差し伸べて、僕をそっと支えた。
僕はさっきまで自分が立っていた場所を見た。ジャックはもう気を失っていて、体にはいくつか傷があるが、深刻には見えず、命に別状はなさそうだ。
入口から濃煙が立ち上り、その中から足音が聞こえてくる。
中年の男が二人の青年を連れて入ってきた。三人はローブを身にまとい、そのローブは全身が赤一色だった。三人のローブにはいずれも一つの紋章が刺繍されていて、その紋章は一つの石、赤い宝石だった。
「全員生きているとはな。実に意外だ。」
先頭の中年の男はフードを脱ぎ、手を気ままにポケットへ突っ込んで、後ろの二人の青年を見た。
「お前たちの魔法の才能はひどすぎる。これほどの近距離で、一人も殺せなかったとはな。」
「申し訳ありません、ルシウス先生。私たちの学びが足りませんでした。」
二人の青年は同時に頭を下げて謝った。
僕は三人を見た。どうやら、敵はこの三人のようだ。
魔法? さっきのあれは魔法だったのか? まあ、そうか。もし爆弾だったら、僕はもう死んでいただろう。
「お前たちは誰だ?」
紗夜は柄を握りしめ、体を緊張させて三人を見つめた。
「武高の人間を襲撃した。規定により、我々はあらゆる必要な手段で反撃できる。」
「は?神代、お前はあいつらと何を無駄話してるんだ?敵だと分かりゃそれで十分だろ。」
アナスタシアは紗夜を見た。全身に白い風をまとい、それにつられて部屋の中の温度もかなり下がった。
彼女は笑うと、もう三人の前まで駆け出していた。巻き起こった白い霧が、円環のように彼女の全身にまとわりついている。
「野蛮だ!」
先頭のルシウスはポケットから手を出した。その手には、色とりどりの宝石がいくつも握られている。そして宝石をアナスタシアに向かって投げつけた。
宝石はアナスタシアの全身で炸裂した。爆発は、彼女を完全に包んでいた白い風にいくつもの大きな穴を開けたが、彼女に実質的なダメージは与えなかった。
アナスタシアは笑みを浮かべ、白い風をまとった拳がルシウスに届こうとしていた。
「野蛮人め、その汚い手で先生に触るな。」
ルシウスの後ろにいた二人の青年は、すぐに前に出てアナスタシアをつかもうとした。その二人の手には、まだ宝石が握られている。
この二人は近距離で起爆させ、爆発で彼女を傷つけるつもりだ。
僕は止めに入ろうとしたが、体の激痛で動けそうになかった。桜切を使うにしても間に合わない。だが、間に合わないかもしれなくても、僕はそれでも桜切を飛ばした。
二人の青年の両腕がアナスタシアに触れようとした、まさにそのとき、紗夜はもう彼らの目の前にいた。
速い。紗夜がいつそこを離れたのか、まったく気づかなかった。
ためらいは一切なく、紗夜はすぐに刀の峰で青年の腕を思い切り打ちつけた。骨の折れる音とともに、青年の腕は羽を折られた鳥のように力なく垂れ下がる。そしてアナスタシアに一人一脚ずつ蹴り飛ばされ、二人は壁に叩きつけられてうめき声を上げ、そのまま意識を失った。どうやら気絶したらしい。
宝石は地面に散らばり、爆発しなかった。
その間にルシウスは距離を取ると、再びポケットから多くの宝石を取り出し、僕たちに向かって投げてきた。
僕は右腕でどうにか桜切を操り、宝石を打ち払おうとした。だが怪我のせいで操作の精度がかなり落ちており、多くの宝石は打ち払うのが間に合わなかった。
残った宝石は空中で爆発し、紗夜とアナスタシアを包み込んだ。
部屋の中は煙と粉塵でいっぱいになった。煙が次第に薄れていくにつれて、紗夜とアナスタシアの服には黒い灰がついているのが見える。だが二人は怪我をしておらず、少しみっともないだけのようだった。
「げほ、げほ……卑怯者め。」
アナスタシアは咳き込みながら、手で煙と粉塵を払いのけた。
紗夜は片手に刀を持ったままその場に立ち、冷たくルシウスを見つめていた。標的を捉えた瞬間、龍切の寒光は銀の糸となってルシウスの目前に届いていた。
「野蛮だ。まったく、野蛮すぎる。」
ルシウスは体を絶えず後退させていた。紗夜の攻撃を前に、彼が生き残れる範囲はどんどん狭まっていく。それでも口だけは負けじと回り続ける。
「刀剣を振り回すことしか知らない野蛮人は、いつになったら優雅になれるのかね。」
「そんな言葉が、人を不意打ちするお前のような奴の口から出るとは、本当に吐き気がする。」
紗夜の体は突然、スローモーションになったかのように見えた。しかしこの一刀が振り下ろされる速さは予想よりも速い。簡単に避けられそうに見えるが、本当にそう思った者は大きな痛手を負うことになる。
刃がローブを切り裂き、衣服を切り裂き、肉を切り裂く。鮮血が流れ出し、ルシウスはうめき声を上げて手にしていた宝石を地面に叩きつけた。黒い濃煙が立ち上り、紗夜は追撃の目標を失った。
僕たち三人は濃煙に包まれてしまい、他の者の位置さえ見えない。だが幸い、アナスタシアの白い風には温度を下げる効果があるおかげで、僕は彼女の位置をすぐに確かめ、近づこうとした。
しかし僕が動いたその瞬間、背負っていたバックパックが誰かに思いきり引っ張られ、そのまま僕も地面に引き倒された。
こいつの狙いはカノポス匣だ。僕はすぐに桜切を呼び戻した。桜切は周囲を一周して手元へ戻ってくる。ルシウスがいないことを確かめて、僕はようやく息をついた。
しかし次の瞬間、石がカーペットに落ちる鈍い音が耳に届く。見れば、僕の足元にはいつの間にかいくつもの宝石が撒かれていて、今にも爆発しようとしていた。




