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テザーニアの勇者譚/true  作者: 佐倉マス
第一章:残酷な世界
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第十五話:二人の旅路

神々の戦いは、一撃のもとに終末を告げた。


…そして、戦いの後は。

平穏と新たな船出が、彼らを待っている。



ボガーーンンンッッ!!!!!!!!!!


一撃の後には、煙が天高く舞い上がる。


水は散り、ひらけた空は再び流星の輝きを増していく。


そしてそんな地上で、青年は、少女を優しく抱きかかえたのだった。



「俺はいつまでも、貴方を支えると。

 そう、誓いますから…。

 …絶対、殺してなんて、言わないでください。」


真摯に。懸命に。

雉崎は彼女と目線を合わせる。

彼はゆっくりと、いたく慎重に、倒れこむ彼女と向き合った。


「私は…。」


我を取り戻しても、アイリスの顔が晴れる事は無い。

そして彼女は自らが犯してしまった殺人を許容できずに、虚ろな目で雉崎を見上げる。


「一緒に、生きていきましょう。

 貴方がどんなに嫌われても、蔑まれても。

 ずっとずっと、必ず側にいますから。」


不器用に、彼女を不安にさせまいと。

雉崎は穏やかな表情を浮かべた。


「…すみません。少し動きますね。」


そう言って。

彼は、アイリスを柔らかに持ち上げる。

そして、夜風がなびく草原の上で、再び二人は空を見上げ。

満天の星空と共に、ゆっくりと、姿を消していく。


「キジサキさん…。

 星が…綺麗ですね…。」


「はい…。そうですね…。」


「キジサキさん…。

 ずっと…最期まで…。

 一緒に、居てくださいね…。」


「はい。いつまでも側にいますよ。」


ぎゅっと握った手。

冴えない頬も、ほつれた衣服も、自分の全てをさらけ出して。

二人の目線は、常にお互いを向いている。


(大丈夫。大丈夫。

 私は、生きていけるよ。)


(俺が、守ってみせるから。)


…そうして、今。


草原から彼方に見える、我が家。

ジェネラリーゼ家の、その窓に。


─────穏やかな明かりが、灯ったのだった。







そして、翌日。


穏やかな朝日が眩しい、ジェネラリーゼ家の玄関先。

ジェネラリーゼは、外出する二人を見送る。


「じゃあ、しっかり行ってくるのよ。」


「「はい。」」


二人は振り返り、歩いていく。

庭を抜け、門を開け、街へと続く細道を踏みしめて。

まだ朝露の残る地面を、穏やかに映す午前七時。

徐々に昇り始めた太陽が、二人を照らしていた。


「学院の退学手続、あんなに簡単にいくものなんですね。」


「やっぱり身分もあって、そういうものなんでしょう。

 ジェネラリーゼ様も、少し分かっていたような口ぶりではありましたし。」


「はい…。あの人はいずれ私たちがこうなる事を予見していたのかもしれません。

 キジサキさんを雇った時から、…それか、私を雇った時からか。」


「…頑張りましょう。

 俺たちには、償わなければならない罪が、約束があるんですから。」


「はい。どこまでも、一緒に。」



カイルの死も、遺言も。

酒屋の人々の死も、叫び声も。

全部を受けて、二人は其処に立っている。


屋台の喧噪と、活気あふれる冒険者たち。

…その中で。


二人は、お互いだけの宿業を背負いながら、ありがちな運命へと向かっていく。


一度した選択は、二度と。

変える事は出来ないのだから。



” 『The true ending Ⅰ』has (が)been(達成) completed(されました). ”



これにて第一章、完結となります。

ここまで読んでくださった皆様、誠に感謝申し上げます。

よければ評価やレビュー等、くださると嬉しいです。


※活動報告の方にも個人的な中間報告と注意点を掲載しておきますので、よければ見てみてください。

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