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ティオとアルマ

久しぶりです。今年はちといろいろあって忙しいので、投稿は難しくなります……

まあここ数ヶ月程度は頑張ります……。

 作戦を練………っている最中です。

自分が出る試合に現れない、というのは警戒を強められるだろうが、それでもより安全ではある。


 なぜなら、あそこにいるはず、という思いがあるからだ。

でも、決勝ともなると人が多すぎる。


 貴賓席にアルマお兄ちゃんがいるかもしれない。それに、フレイお姉ちゃんとクロムおじさんだっている。

バレる方が大きい。ならどうするか。


 だったら、いっその事、貴賓席の反対側から時間差で発動するよう、高威力小範囲魔術を設置しておいて、アルマお兄ちゃんやフレイお姉ちゃんたちが、そっちの防御に囚われているときに、貴賓席からやる。


 私も、貴賓席に席が用意されている。

だったらそれを最大限利用してしまえばいい。

それか、雇ってやってもらうか。


 そうしようか……。

裏ギルドに伝手はある。


いや……でもそっちの方は足が残る。

でも……自分で設置するにはちょっと難しい。


だから……


「それで? 用件は?」

「………アルマお兄ちゃんは、お口堅い人?」

「? まあ、そうだな。口外できんことも幾度となく見たし、やってきた身だ。そこそこ堅いだろう」


 貴賓席にアルマお兄ちゃんがいて、難しいなら、アルマお兄ちゃんにやって貰えばいい。

目の前で、甘ったるそうなジャムと一緒に紅茶を嗜むアルマを見ながら、ティオはそう考えていた。


 アルマは決して善人などではない。むしろ極悪人だ。

平然と人を殺すようなことだってある。もちろん、法に守られているような人を襲うほどバカではない。無法の地にて起こした惨殺事件は、ティオの耳にもしっかり入っている。


 ティオは実年齢14ほど、という若さとは裏腹に、情報通だ。

そこらの『暗がり』にいる情報屋よりも、情報を持っている。


 もっとも、正確にいうのであれば、ティオが情報屋なのだ。同時に殺し屋も営むような……。


「聞く価値のある話だといいな」


 彼は基本的に、無駄を嫌う。無駄な記憶を、特に。

彼の記憶力は高い。だが、約束などをするのが嫌いだ。彼は人ではなく、魔女なのだ。寿命もそれ相応の長さになる。下手な約束は、彼の人生を長く縛り付ける可能性がある、故に嫌いなのだ。


「うん……」

「元気がないな……殺しか……?」


 声を潜め、彼は、アルマはそういった。察しの良さはピカイチだ。

正し、そこからがダメなのだが……。彼は深読みするのが苦手だった。


「守衛」

「なるほど? それで?」


 聞く価値がある、と。認めてもらえた。あとは話すだけである。


 守衛の大罪。

ハイエルフ やエルフ、犯罪奴隷ですらない一般市民、龍人族などの、本来してはいけないような奴隷売買や貴族等の誘拐殺人は当たり前、時には一国を落とすほどの事件すら発生させる、凶悪な集団。


 それらの殺しともなれば必然、難易度は跳ね上がる。危険度など言うまでもない。

アルマにも幾度となく間接的接触による勧誘が来ているが、尽く断っている。聖神討邪教とかいう宗教勧誘よりも鬱陶しいが故に、アルマもどちらかといえば乗り気なのだ。


「ふむ、この国が総本山である限り、十中八九協力者、もしくは頭目が、この国も偉い人間であることは決定だろう」


 頭がいいなんて次元ではない。たったこれだけの情報でパッと思いつく、まるで自分がそうするかのように言ってのける彼は、やはり魔女。

少年の皮をかぶった爺なのだ。


「それで……? だれだ?」


 答え合わせを催促するだけのように、軽いノリで彼は、この国にいてはならないのに、いなくてはならない人間を聞く。


「う〜ん……あえていうなら女性Q? かな〜……」


 が、彼女とて確信があるとはいえ、証拠はない。アルマに詳しく伝えれば、国家転覆の罪で裏切りを受ける可能性もある。

モロに伝えるよりも、抽象的に伝える方がいい、と判断した。


「なるほど? 貴賓席でやればいいか?」

「……っ。うん!」


 怖い。見透かされている。そんな気持ちが右往左往する。

けれど、彼女はこれでも、アルマを理解している数少ない人間だ。そんな恐怖ごとき、乗り越える。


「よろしくね♪ おにーちゃん!」


 そう、嬉しそうに飛び跳ねるように席を立ち、そう言い残す。

対してアルマは、ただ簡単に、ああ、と頷くと、また紅茶を飲み始めた。


 彼は、何を考えているかよくわからない。


全く、ここまで待たせてこの程度のボリュームで、本当にボクは大丈夫なんだろうか……

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