表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/100

クライン少女2

稀有は疲れたとかいうふざけた理由で寝てます。

 魔法剣を引き抜く。シンプルな作りで、そこらの二流程度が作ったような見た目をしている。形が悪いとかではなく、見た目の話だ。装飾があっさりと言うか、適当すぎる。

まあ高速で作ってもらった手前、何も言えない。


 言えないが! 私が書き写しておいた魔導書にも見本があっただろ! こんな感じのが出た、って言うのがあったから、面白半分で描いておいた結果がこれか! 何も反映されてないっ!


 ぶっちゃけHuuskナイフ出された方がまだマシだ。

ま、まあいいや。とりあえず使えるし……。今度自分で作り替えとこう……。


「っ……なんで……」


 ボソッとそう聞こえた。


 カレンも稀有も知る由がないが、魔導書というのは魔女が書き上げた、その魔女特有の魔術の書かれたものであり、そう易々と人に見せるものではない。

それを一つ、中でも唯一無二とまで言われた『滅術』の知識を全て持っているなど、誰が予想できただろうか。


 まさに常識の破壊者(ルールブレイカー)

ただでは終わらせない。


 『滅術』と言うチート魔術の乗った斬撃が、クラインを襲う。


 一撃一撃に乗せる思いは全て殺意。

私は油断とか隙とか、別にそう言うのはあってもいいし、別段あってもなくても変わらない。


 どうせ可能性を考えていればいいんだから。隙があろうがなかろうが、あらかじめ可能性を考えていればそんなもの必要ないし、あってもいい。


 地面を蹴り飛ばし、加速する。

そして、風魔術を自分自身に打ち込み、速度が出つつクラインのもとに飛べるようにする。


 風魔術は移動にも使える。


 空中できりもみ回転することになったが、ちょうどいい方向で、風魔術でブーストすることできっちり狙いを定めることができる。

この空中くるくるからのアタックは欠点がある。しくじると、蜂の巣になるのだ。


 細かく言うと、方向調整をミスれば、大ダメージ必須なのだ。

要するに代償は命。しくじれば大ダメージ。


 まあ、全部しくじれば、って話だけど。

と言うか|稀有(ツッコミ?)がいないと静かすぎて落ち着かない……。


 なんであの程度の作業でへばるかな……?


 まあ確かに魔術とか使うようなステータスじゃないしなくもないけど……えー……まさか……。

魔力器官が発達してないと言うか、機能してない??


いや、まさかね……。


 それはそうと横なぎに払う。

軽い。が、重い。そして威力がでかい分、手が痺れる。


 横なぎに払った魔法剣を受け止めるクライン少女。

そこそこ苦しそうだ。


 なんとか魔法剣が折れないよううまく受け止めているが、それを力という暴力が許そうとしないのか、剣の腹でうけそうになっている。

剣は刀と違うから、別に腹で受けても大きな問題はない。が、それでもやはり壊れやすい。


 それは魔法剣という特徴からなるものでもある。

魔法剣は物理攻撃に弱いのだ。魔法剣と言うもの自体は、元来魔法に対抗するために生み出された、対魔術の魔法の一種なのだ。


 魔法も魔術も、共通する弱点がある故に生まれた、とも言える。

ある一定の距離から剣と魔法で戦うと、剣に負けることが多い、と言うことだ。


 負けないわけではないが、勝てるわけでもない、と言う絶妙な距離が存在する。剣道で言えば一足一刀。


 つまり、魔術師は圧倒的に急な事象への対応が弱い、不意打ちに弱いのだ。

予想外にはそこそこ強くても、不意に弱い。

だからこそ、今でこそ『星墜の魔術師』なんて呼ばれるものたちが、魔法剣なんてものを生み出したのだ。


 神代の頃、安心できる場所なんて大してなかった。故に魔術師たちは、常に魔力を管理し、敵との戦いをするかしないかを迷っていた。

が、迷ってばかりでは、後ろが見えなかった。


 故に、当時の魔術師たちは、背中を切られ、不意を突かれた。


 と。まあそんなことが魔導書に書いてあった。

魔導書って実はその魔女の家系の人たち全員の魔導知識を集めたもので、私は知っているとはいえ、正確には『魔導書-滅びの章-』とでも呼ぶべきものと魔導書の基礎だけを知っているのだ。


 で、魔導書の基礎っていうのは、要するに、その家系の魔女の、始祖にあたる人物が書いた場所である。


 そこにまあ色々と書いてあったわけだ。


 それで、なぜ折れやすいかという話だけど、当初の魔法剣は、むしろ魔法に弱かったのだ。同じ魔法剣でぶっ叩けば一瞬で相殺しあってしまうほどに。

が、代わりに物理に強く、魔力を通されていないものに対して、圧倒的な優位性を持っていた。


 なぜかと言えば、今私が持っているように、対物理で組んでいるからだ。

今時の魔術と剣術に、限りない戦いなんてない。


 つまり、昔みたいにいつでも剣士に襲われることを想定して作られておらず、特にこんな国だ。

無意識のうちに対魔術で組んでしまっているのだ。


 プロというか、本当の怪物たちは、すでに顕現した魔法剣を、顕現させたまま、その場で組み換えることができるとか……。

私は一度しまって、再度術式からやり直さなくちゃならないっつーのに……。


 あ、でも今回が始めただし……。

まあいつかできるか。


 まあなんでか知らんけど、術式を組むのは稀有の方がうまいんだよなぁ……。


 ピシッ、と。


ついにクライン少女の魔法剣に、ヒビが入り出した。


「まっ……」


 まずっ、だったのか、待って、だったのか、よくわからないが、滅術の乗った、バカ威力の斬撃が、クライン少女に襲いかかる。


 が、


 たどり着くはずだった魔法剣が、拒まれる。


「だ……!」


 まだ、だったっぽい。


 その手には、二本の短めな剣……双剣とでも言えばいいのだろうか、そんなものが握られ、次の瞬間、そこからなんの前触れもなく、水の刃が飛び出した。


 魔法だ。魔法剣から、魔法を使った?

不思議だ。


 いや、スキル?

鑑定はないからな〜……。


『ツーー……鑑定? っつーか、こう、発動したスキルならわかったぞ〜……あの子、「剣弓盾魔(フェアエンデルング)」とかいうの持ってる。変転能力と同じだけど勘違いすんなよ〜……』


 『剣弓盾魔』??

要するに、私のコートとドレスのモード分けみたいな?


『せやな〜』


 というか起きれるなら手伝って欲しいんだけど……。

『カレンー。頭を使うのにもカロリーがいるんだよ??』


 くそったれ!


 鋭さが増した。

本当に、本当の奥の手なんだろう。こんな魔術スキルがあるとは……。


 あ、なるほど。

魔術形態を変化させるスキルなのか!


 弓魔術とでも言えばいいのかな? 弓と魔術を組み合わせたり、そんなスキル。


 盾魔術とか強そう……。主に地属性と合わせたりでもしたら……。


ん? この子もチートキャラでは??

稀有、大丈夫。君も十分チートだよ。


 しね! しね!! という心の声が聞こえた…………気がした。


 というか本当に危ないんだけど。


「………っー……は…っ……ぁ……」


 ただし、消耗も激しいみたい。

もう、息切れが始まっている。


 このままじゃ魔力欠乏症まっしぐらじゃ……?


 ふと、思い出した。

この世界はRPGじゃないんだ。だけれど、向こうと違って、人と人とが平等とは限らない世界。


 爆発的成長だって当たり前の世界。

だったら、身命を賭してかかってきてもいいんじゃないだろうか……。


 いい例が稀有だ。

座右の銘が『代償は命』『しくじれば全て失う』ってだけはある。


 全ての行動の代償は命ですとか面と向かって言ってくるような人なんだ。

だったらこの子だってありえる。


 警戒しなければ。










……………………

一分後、見事に欠乏症でぶっ倒れた。


稀有が今話ずっと休むとは言っていない。


 ・欠乏症について

大体自身の魔力残量が10%以下になると発症します。基本的に、三段階で別れ、一段階目では息切れや目眩、人によっては頭痛がします。

二段階目では、足がふらつき始め、個人差があるとは言え、体から力がゆったりと抜け始めます。

三段階目で、ぶっ倒れ、今すぐ魔力を与えなければ、最悪の場合、生命維持の危機に至ることもあります。


 評価してくださった25名の皆様。

ブックマークして呼んでくださる90名の皆様

(評価してる人を二回カウントしていることに気付く)

ありがとうございますっっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ