ドラゴン退治 5++
四度目。ドラゴン要素あまりない。
俺ぁ、ロライン。まあしがない冒険者の一人だ。
今じゃ冒険者団『木の葉』を立ち上げ、なんやかんやで、ランクA冒険者団隣となった。
ま、そんな俺はいつも変わらず大きな討伐か、雑用ばかりこなす日々だ。冒険者団として、数だけは多いうちは、できるだけどうでも良いクエストと、大きすぎて負担になりかねないクエストを受けているわけだ。
場合によっては分担だってできるしな。あー、数って最高。
で、だ。今日は雑用依頼もなく、負担になりそうな依頼もなかった。別にそこまではよかった。が、一人がある会話を耳に挟んだおかげで、大変なことになっちまった。
「あぁん? Bの昇格でドラゴンだぁっ!?」
ちょっとびっくりしすぎたせいか、声を荒げちまった。まあ大して大声でもねーからほとんどのやつにゃあ聞こえなかっただろうけど。
まあそりゃそれで良いんだが、問題はべつだ。
まずBランクの定義として、推奨Lv.は5000以上。平均6000~7000くらい、要するに6500くらいだ。
まあ大体、そこそこ強い国の騎士団くらいの強さだな。
で、だ。ドラゴンの方だ。討伐推奨レベルは、弱い部類でも一万。ステータスに恵まれてるやつでも8000くらい。これが最低ラインだ。
こっからドラゴンの急成長とか言う特徴を加味していくと、どんどん上がっていく。
まず、出現確認時点で、大体討伐推奨レベルは15000だと見積もられる。
そして先遣隊派遣。ここで鑑定を行い、帰ってきたとき、大体+1000する。すると大体2万になる事が多い。
で、だ。依頼が出され、討伐隊が組まれるまでに、25000くらいになる。
そして、向かってる最中に30000。これが普通だ。
それをソロ討伐。それでBランクだぁ?
Sランクでもあるまいにどうしてそうなるっ!
まず討伐失敗したときどうすんだよっ!
そんなこともあってか、俺は受付の人、ウフィーレアのやつに聞くことにした。
俺の前に帽子をかぶった女の子がいたが、この子も似たような感じだったのだろうか?
それともたまたまか。
「ウフィーレアさんよ〜。あなたの腕を疑ってるわけでもなんでもないんだが……さすがにBランク昇格試験でドラゴンソロ討伐は、ちとないんじゃないか?」
まず本音。
この人はかなり頭が固ぇ。生半可な理由を述べただけじゃ一蹴りされちまう。
前もそうだ。
あの時は大した話じゃねーからどうでも良いと思ってたが、いざとなってみりゃ面倒な人だ。
「いえ、あの人ならば問題ないかと」
ま、そう言うよな。この人はこーいう人だし。
まあなんていえば良いかな〜……。
脅すか、ギルド全体の話をするか、信頼の話か……。
「そう言う話じゃなくてよ〜……。ほら、あれだよ。ギルド自体の信用とかさ。Bランクの昇格試験がドラゴンソロ討伐でしたなんて大々的に広まってみろ。信用だけじゃなくてよ〜……。本部長まで来るかもしれねーだろ〜……」
全部混ぜることにした。脅しつつ、信頼とかの話をしつつ、本部長の名を出す。
俺ぁこーいうことにゃ向いちゃいねーが、かと言って団員に向いてる奴もいない。
正確には、できるやつはいる。交渉が得意な奴の一人や二人いないと大変だからな。
が、残念ながらウフィーレアに対抗できんのは俺だけだ。
「…………」
この人は、とかく脅しに弱い。いや、もっといえば、この仕事に何か別の目的でもあるんじゃないかってくらい『問題が起こること』を嫌う。
何が目的なのかはさておき、だ。
「や……」
女の子がいきなり何かを言おうとした。
まあ気になるわな。そんなわけで視線を向けたんだが、どうやら圧っつーかなんつーかで俯いてしまった。
ん〜……怖がらせちまったかな。
女の子が怖がったっつーこともあってかなくてか、みんな少し黙っていた。
そして、ウフィーレアが折れた。
「…………はぁ〜……わかりました。昇格試験の監督として、あなたたち『木の葉』をつけることとします……」
よしきたっ!
これで少しは俺たちの評価も上がるし、問題が起こる心配もないだろう。強いていえばウフィーレアのあたりが強くなる可能性があるくらいだが、それくらいどうってことない。
すると……。
「わ、私もついて行きます……」
女の子がいきなりそう言ってきた。どう返せば良いか困ってしまうが、まあ二十四人いるんだ。護衛くらい六人でできるだろう。
時間を食うのも面倒だし、連れていくことにし、さっさと向かうことにした。
馬車を借りるほうが早いかどうかは、考えるまでもないことだったかもしれない。




