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ドラゴン退治

久しぶりです。

これからもよろしくお願いします……!

 ドラゴンってのはこの世界において別に生態系の頂点にいるわけじゃないそう。巷にドラゴンの素材が出回っているように、別に絶対に勝てない相手ではない。

Bランク程度で倒せるドラゴンともなれば、大した強さではない。


 過去に遭遇したのと比べれば、天と地ほどの差がある。

が、無論、階級……ピラミッドの上位にいるのは変わらない。


 赤熱化した鱗、マグマ並みの温度をもつ体液、舐めるだけで肉を削ぎ落とされる舌、鱗の下は柔らかい、という概念を覆す強靭な肉。

もはやなんでもありでは? と思うほどの性能にまで成長できる、そして素早い成長速度。これらを兼ね揃えたのがドラゴンという生物だという。


 依頼遂行のために向かったパーティーが、依頼受注時よりも成長したドラゴンと戦い、敗走した記録はいくつも残っている。

それと、ドラゴンとの意思疎通はほぼ不可能だとか……。人が同じ人とでさえ、意思疎通ができないことがあるように、ドラゴンとの意思疎通は不可能である。念話? 何それ、おいしいの?


 山奥……とかならいいんだが、生憎とほぼ頂上で飯を食っていた。

この山がまたくそったれで、とかく高いのだ。一体どんな地殻変動が起こったんだ? というほど真っ直ぐに突き出た円柱状の山。普通の山の中に、さらに円柱状の変なものが突き出ている、という光景である。

高い、と言っても荒々しく、といえど、整備されている。過去にもここに住み着いたドラゴンがいて、追い払われたか、こいつを潰すために、作られた道か……。

元々人工的に作られて、後からドラゴンが住み着いたか……。


 同種かどうかは原型がないからわからんけど、多分ドラゴンを食っている。

ドラゴンの目はすごくいいわけではないと聞く。ダチョウのように、体でかい、でも脳味噌ちっこい、に似てるとも言われている。


 本能だけでも生きていける可能性のあるドラゴンならではだ。


 円柱に近いとはいえ、多少傾斜があり、草もわずかながらに生えている。

その草むらに隠れる。


 道具を取りやすい位置に入れ替えたりと軽く整理して……。


 初手、草むらから矢を放つ。狙うのは目だが、反射神経的に多分先に閉じられるだろう。が、無論閉じて弾くまでは目を瞑っている。

その時間は一秒か、その半分か。短い時間ではある。が、十分だ。


 踏み込み。


 斬る。斬撃を飛ばす、というが、実際に斬撃を飛ばしても、左右に言ってしまう。まっすぐ跳んではいかない。

ならば、それを利用すればいい。見当違いな方向にどれだけ振ろうとも、距離が距離がある今、斬撃が当たる方が格段にマシだ。


 ダメージは蓄積する。自己再生ったって、それは外傷を治すだけであって、命の限界を伸ばすわけではない。

それはボク自身にも言えることなんだけどね……。


 まずは尻尾を切るか。爪切りしてあげてもいいけど、爪は硬いし、危ないからな〜……。


 ゲームみたいに回避してすり抜けるような世界ではない。


 尻尾はかなり危険な凶器だ。切る、と言っても流石に根元から切ったりするわけではない。

先っちょをちょちょいと切るだけだ。


 先っちょで串刺しにされて死んだ冒険者や英雄が何人いることか……。


 さぁ、狩りの時間だ。


 動きを目で追う必要はない。この大きさともなれば捉えること自体が面倒になる。

危険は勘と空気の微細な動きで避ける。


 奪命剣はまともに機能しないし、『破壊』も強くは効果しない。本当に厄介だ。どこかで力がとられたっぽい。

それはそうとして、さっさと潰そう。雪梅やシズ達と違って、ボクには努力がない。


 ステータスだってほとんどが奪命剣で溜めていたものだ。

それも努力だっていう。集めることが努力だという。


 まあいいや。悩んでも仕方のないこと。

悩む暇があれば動くべきだ。


 四本足、銀に鈍く光る鱗、獲物を捕らえるために丸い鋭利な爪、翼にも腕のようなものが見える、実質六本腕だろうか。口はなんというか、まあ肉食なんだなって口に見える。

ぱっと見硬いタイプのドラゴンに思える。


 見えるのだが、めっちゃ速い。


 AGI型。STRかVITに特化してそうなのに、圧倒的な速度と威力を持っている。いや、速度があるからこそ、威力も比例して上がっているのか……。


 抑えるのは無理だ。それでも、受け流すことはできる。武器への負担が大きいとはいえ、今の武器は多少の無茶は受け止めてくれる……はず。


 もう一度、踏み込み、今度は前に出る。

ほとんど使うことがなかったとはいえ、即席で作れて、壊せる武器が欲しい今は、『創世器』と『魔剣使役』は本当に便利だ。


 確かに、そう考えれば、あの頃の時間も無駄ではなかったのかもしれない。

ただ、無能であった時間も、無能にしか見えない何かがあったのかもしれない。『無知』だけが知る『知』があるように……。


 適当に剣を作る。いちいち工夫して作って入れるほど時間はない。

刀とは違い、叩き切る。


 鱗を砕くように。切るのではない。砕く。切るのは、砕いてから。

まずは、牙で肉をむき出しにする。そして、君も食ってやる。


 脳天に切りつける。反動で手は痺れるし、失敗したらと思うとすごい怖かったけれど、成功してみれば意外とすんなりしている。反動による痺れはどうにもならないとしても、武器はすぐ壊れるとしても、すごく、ああ、これだけか、って感じがする。


 もう一度武器を作り、今度は顎に、したから切り上げる。

一つ後ろに下がり、そこから踏み込み、切り上げる。軽い脳震盪を起こし、頭を振っていたドラゴンからすれば、執拗に顔を狙われて、迷惑だろう。脳天に直接、そして、顎から……。脳を揺する攻撃ばかり受けてはたまったもんじゃない。


 自分がされて嫌なことを他人にするな、というが、こういう時は、自分がされて嫌なことを他人にしろ、とでもいうべきか。


 切り上げから、胴打ちと似た容量で、顔を横から斬る。剣術なら横一文字だったか。


 顔を右から横にすっ飛ばされ、左を向く。その時、首への道が一瞬だけ顕となる。

壊れた武器は消える。魔力で作っただけの武器だからなのだが、故に、すぐに手を動かせる。


 切るのではなく、ここは飛びつく。鱗があるから、余計につかみやすい。鱗を一枚、てこの原理だったかなんだったかを利用して、落とす。そこに、おおよその気道の位置目掛けて、刀を真っ直ぐに突き刺す。


 気道に到達すれば、呼吸に障害を来させることができる。


 刺してすぐに飛び退く。

苦しんでいる様子だ。言った通り、ドラゴンは鱗だけでなく、肉もそれ相応の硬さを持っている。ドラゴンの肉が基本廃棄されるのは、筋がすごい硬い上に、筋じゃなかろうと結局硬いからだ。火を通しても全然柔らかくならない。

一部の物好きが食べるくらいだ。


 デカすぎるドラゴンといえど、よくよく考えれば、大事な場所は差して大きくない。

人と同じくらい。そう考えれば、ドラゴンは外からちょっかい出されながら倒すもの、ということになる。


 まあそのちょっかいが厄介なんだけど……。


 要するに、頭でハメれば大した相手ではない、ということだ。

ハメるのが難しいんだけど……。


 気道にうまく刺さったのか、多少苦しんでいる。まあ痛いのは当たり前だろ。喉のあたり……頸動脈の少し上辺りを刺されたら苦しいでしょうな。


 ドラゴンの気道は大体首の方に集まり、脊髄とほぼ密着している。その周りを頸動脈が走っている……とか……。実際に解剖した例が全くないから、詳しくはわかっておらず、解体新書が出る前の人体構造みたいになっている。

別に全ての臓器が繋がってるとかじゃないけど……。


 腕で取ろうにも、鱗が邪魔をしているし、翼の腕は細やかには動かせないのか、届かないのか、使わない。

敵がいるのに、それどころではないという様子だ。


 勝った……と行きたいけれど、残念ながら暴れるコレにとどめを刺すのは難しい。

魂は取り込みたい。ここまで成長したドラゴンの魂とはどんなものなのか、知りたい。


 そして、できるだけ綺麗にして持ち帰りたい。

シズがいれば身体構造の把握も楽なんだけど……。


 生憎と暴れ回る中、『破壊』がない今突っ込むことはできない。

以前、シズと実験した時、『破壊』があれば、理を超えて、心臓を突き刺しても死なないんじゃないか、的なことを試した。結果は、成功。


 心臓を突き刺されても、死ぬことはなかった。


 あ、そうだ。弓…で……あ、無理だ。


 ところで、心臓を突き刺されても死ななかったんだが、どうも頭を潰されると死ぬらしい。血液を送る役割を持つ心臓を潰しても問題はないけど、司令塔たる脳を潰されたらダメらしい。


 実にもっともだ。ゴッキーも心臓は酸素と二酸化炭素をくるくるさせるためにあるわけじゃないらしいし、それと同じ原理?だろう。


 そう、脳はダメ。じゃあ、目から脳を攻撃できるだろうか。

人の場合は多分できる。それはまあ骨を砕けるからだ……と思う。


 でも頭蓋骨ってかなり硬くて、額に棒が落下して、刺さっても、頭蓋骨は無傷、なんてある。

シズには防具はあまり関係ないからいいんだけど、ボクには大問題だ。


 『破壊』も『奪命剣』も、骨とかを柔らかくするような能力じゃない。

てかそんな能力あったら怖いわ……。


 あ、でもあまり使い道ないか……。

ダイヤモンドより砕けないんだもんね。


 どうしたもんか……。

痛みってだんだん和らぐから早くしないと怒り狂った痛覚無効ドラゴンがやってきちまう……。


 ダメだ。何もできない。

ステータスで今は勝ってるとは言え、怒り状態で二倍。確かBランク指定のドラゴンてステータス3万くらいあったような……。


 元々がレイド……同一ランクの複数のパーティー……こいつの場合、Bランク以上の複数パーティーで倒すようなやつだ。

本来単騎で挑む相手じゃない。


 ま、善戦したし、とりあえず今は撤退か、逃亡に専念するか。3万だから、六万。他の倍率効果とかバフ考えたら、8万位は行くかもしれない。


 ルスはステータス固定だった聞いたけど、それでも五万ある。


 って、ん?

そういやボクってステータス100万くらいなかったっけ?


 てことは、コレも……100万近く? 本当に、Bランク?

もしや、ギルドからの回しじゃなく、国からの、勇者としての依頼が回されてきた? Bランクはたまたまで……。


 は?


 え、いやいや、こんな化け物の体力削るのがどれだけ大変なことかわかってないっしょ!


STRとVITが拮抗してるようなもんなのに、どうやって削れと???


 説明すれば、STR 100の人がVIT 100の人に与えるダメージは、大体、10~5となる。

大抵の魔物はVITが低いため、レベルとSTRがいくら高かろうが、倒そうと思えば倒せる。


 しかし、コレに限ってはなんとも言えない。

レイド系で100万オーバーって前例を聞いたことがない。怒り補正で二倍、他の倍率あったら三倍近く。バフあったとしてもに250万とか……。


 づっ……。

確か大体はレベルに対して、その十倍が大まかなステータスになるとか……。


 レベル自体は簡単に上が……ん? そういやここって経験値制じゃなくて、努力制なのかな?


 ノルンは雪梅の『力の本質』がどーのコーのとか言ってたし、ドラゴンにもあるのかもしれない……。


 奪命剣にも期限があった記憶がある。

今、いくつまで残ってるのか……。試練の間に、もしかしたら何年も経ってたのかもしれない……。

もしそうだとしたら?


 今…、の、ステータスは…………?





………………………あ、詰んだかも。


誤字脱字報告ありがとうございます……。

修正してないところとかあるんですけど、一応指摘されたところは直してます。

自分でも探してます。

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