世界に抗った少年 閑
「こうなったからには試練は終わりだな。さて、次のところにいかせてやりたいんだが……」
オティヌスはどこか残念そうに、そう呟きながら、槍を地面に思いっきり突き刺し、それに寄りかかる。
尊大というよりも鬼灯との戦闘で疲れ切っただけである。
別に鬼灯が強すぎたわけではない。どっちかというと五分五分程度だった。
選定の試練で合格不合格を決めるのは全てその試練ごとに配置される神の自由だ。オティヌス が鬼灯以外を勝手に落としたとしても、それは何の問題もない。
ただ、落とした人間からいろいろな感情を向けられるだけ。
それだけである。
なのに、なぜか迷いが立ち込める。何の迷いなのか……。私的なものか、神々全体としての『総体』か……。
「ヤッホー☆ ずいぶんと悩んでるみたいじゃん★」
神々としての全体の意思。それが総体今日過。
「貴女は成長する時みたいだね☆」
あくまで見守る姿勢を貫く『総体』。彼女はあくまで個々の神々がどう成長するかでこの先の見方を変えていく。自分の思い通りにすると言っても、周りに合わせつつ、自分の思い通りにしてしまうのだ。
それを実際に為してしまうほどの実力を兼ね揃えている。
オティヌスでは逆立ちしても敵う事はない。
「それじゃ、私は鬼灯ちゃんのところに行ってくるねっ★」
鬼灯と『総体』は知り合いだったのか、そう訊こうとして、自分の問題にふけり、何もいえなくなったオティヌス は、自分のこれから、考えるのであった。




