表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/100

闇夜に紛れし閃光ⅩⅣ

「あ?」

「君の敗因を教えてあげるよ」


 木刀である〈世渡りの剣〉を構えたまま、ボクは喋り続ける。

大男は急に余裕を取り戻したボクを見て、不機嫌となった。


「ボクを早々に仕留めなかったことさ。家庭内害虫は耐性をすぐに手に入れるっていうだろう!」


 一閃。


 打撃であるはずの一撃は、大男の身体を横に引き裂いていた。まるで固定された紙を横から手でチョップしたかのように。

原理は簡単。バチカルによる大男の神子の力【下克上】の無効化。そして〈原型の世界〉による〈世渡りの剣〉の一撃限定の超威力増強。


 痛い。

手の方、少しヒビが入ったかもしれない。他も探せばどんどん怪我が出てくるだろう。


 やはりまだ〈原型の世界〉は無理そうだ。悪行に身を染めてきているようなボク。復讐心で動いているボク。善行を司るセフィロトを扱うだけでも精一杯なのに、そこにクリフォトを無理やり融合させた。


 生まれたのは〈原型の世渡り〉らしい。

効果は一度限りの威力超増強が発動可能になり、神子・神の力さえも破壊可能になるという特殊な効果。元より【破壊】の効果がなければ絶対に成し遂げることのできなかったものだ。


 やはり【破壊】か〈世渡りの剣〉。どちらかはボクに由来する能力なのかもしれない。それか、どっちも由来しているのか……。


 それより二人は大丈夫だろうか?


 ボクの方は素早く終わっていようが、彼女二人はわからない。

ボクと違って怪我を治すこともできない。時雨は下手に意識を飛ばされると転移ができない上、ある特定の条件下では神子としての能力も発動しない。


「あら、随分と早く終わったみたいね」


 ボクの目は、多分最大限に見開かれていたと思う。


 時雨は右側の壁にぶつかり、多分生きているだろうが、いや、生きていて欲しいが、ピクリとも動かない。

ただmこっちはほぼ諦めたほうがいいかもしれない。そう思うほどに、酷かった。


 ジブリール は、槍に串刺しにされ、動くことは愚か、少しずつ、冷たくなっていた。





§




一方で中央区に住う貴族やら王族やらを落としに行ったノルンは、お目付役にされたマキナの反応がおかしくなりつつあることに疑問を抱いていた。

機械神であるが、その代わりスキルに宿る意思である彼女は、大元のスキル保持者であるジブリール が死ねば、跡形もなくこの世から消え去る。


 そのスキルは、確か言葉通り暗躍系のスキルであった【裏取り】なのだが、今では【機械仕掛けの神】になっていたはずだ。

あのスキルが継承されたり、新規獲得した人間が出ない限り、彼女は復活できないだろう。


 すでに王侯貴族どもはほとんど潰し、残るは城内なのだが、マキナがこの様では乗り込んだときに捕まりそうで困る。

だとして、ノルンがどうこうできる話でもない。これはスキル保持者のジブリール がどうするかで変わる。


 困ったものだ、とノルンは首を横に振る。


 が、残念ながらノルンはただの人間ではないし、部下がいないわけでもない。


「エージェント」

「ここに」

「? 一人少ないな。何があった?」

「No.4は……」

「そうか。わかった。城内に行くからその周りの奴らを頼む。殺して構わない。まあ、王族と貴族連中だけな」

「わかりました」


 ノルンは、程なくして、外に逃げた王族と勇者を追いかける羽目になる。




【評価・ブックマークの登録をお願いします】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ