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闇夜に紛れし閃光②

そういえばオリバーの一人称は俺になってる気がするんですが、ボクの方がすんなりくるんですよね。


 オリバーことノルンが紹介してくれた少女・雪梅。

剣士らしい。七星としての実力は折り紙付き。仕事にとりつかれているそうだ。


 そんな人いらな……ゲフンゲフン。

確かに主力を集める、としか伝えてないけど……。


 というか、なんで時雨だと一眼で分かったんだ?

今の時雨はシズという普通の少女である。もし、時雨としてのシズしか知らなければ、僕であっても時雨だとはいえなかっただろう。例え、時雨の気配を知っていても……。


 さすがはノルン。


 と言っているわけだが、現在二人は抗争中だ。

外で。


 どうやらどっちが上かを決めるために試合をしに行くらしい。

どっちが上でもいいんだけどな……。ああ、七星統括者決定戦を開催するのもいいかも……。意外とね。


「あ、そうだ。雪梅の本名リーチェだからさ、裏活動にはリーチェで記録しておいてよ」


 唐突にそうもうされましても……。

というか、この世界って偽名でも流行ってるのか? シズといいノルンといい雪梅といい……。ボクが間違ってるのか? そんわけないよな……ないよねっ⁉︎


 なんでこう、ボクの周りには唐突な人間しかいないんだ? 不自然な人間多くない? 時雨とか急に先頭やめたと思ったら条件付きで配下になってやるとか……ん? いや、まさかね……。


「ノルン……油断ならないな」


 外にしずと出て行った彼を見据え、そう呟く。

警戒しておこう。足元をすくわれる可能性がある。一応、だ。裏切るとは思えないんだけどなー。


 それでも、元暗殺者だ、と自白していた。

その上、アイリスは魔神級のステータス持ちだという。まともに下克上されたら手も足も出ないだろう。


 それにしても、と呟いてから手元の紙を見下ろす。


そこに書いてあったのは………隣国であるフィリエル共和国での手配書リストであり、その中で最もかけられている賞金が高いリスト。

そのトップは………。





 雪梅であった。





 はぁ、とため息を吐く。

ちょうどここにはボク一人。雪梅は審判をするためについて行ってしまった。


ちなみに、ここは活動拠点となる組織らしい。

アイリスが裏で作ってくれていたとかどうとか濁されたが、この家のすごいところは、何よりも広さ、といいたいのだが、そこではなく、持ち運びのできる、移動式住居、ということだ。


 収納できる、という方が正しいかもしれない。

ホイ○イカプセル みたいな物らしい。すごいなー。


 無論、宣言通りにシズは施設利用を完全自由に、部屋も自由。

これは最初にノルンに言っておいた。そうしないと殺されそうだし………。


 〈転移の神子〉って思ってたよりやばいらしい。

まず、シズ曰く、攻撃時に相手の体内にその武器を入れて心臓や肺とか、とりあえず臓物を掴み、転移を解除する。それだけで相手に大ダメージを与えられるらしい。


 効かない奴もいるらしいが……。


 しかも魔術や魔法の類でもスキルの類でもないせいで、感知はかなり難しいそうだ。

こっちはノルンが教えてくれた。


 それにしても、フィリエル共和国は二人も神子を所有しているのか……戦力として……。


 ノルンを除いて、今ボクが最も利用しているのはアイリスだ。

その情報収集力は一国どころではないだろう。


「アイリス、ありがとう。次は、フィリエル共和国との戦争に必要な戦力の計算と、現時点での勝算、次の七星候補のリストアップをお願いするよ」

「御心の侭に(イエス・マイロード)」


 タンッ、と軽やかに地面を蹴って飛び、自室の方へと戻っていく。

別にここで作業しても全然構わないんだけどなー。暗算でもいいし……。

アイリスは見た目にそぐわない知力と演算力を持っている。INT極振りか? とか思ったりした頃もあるが、 INTはあくまで魔法攻撃の補正だ。


 ………、国取りの前準備がこれか……。

先が思いやられるが、やりがいがある。これくらい大変な方が、達成感もいい。


そうだな、あとは組織の構成員をどうするか……。

量より質でいくか、一定の質を集めるか……。どうするか……。


 と言っても、人間である限り、質の良いものは限られるし、数も限られる。それこそ、協力的な人間の、という意味でだ。

異種族に頼るのがいいのだろうが、異種族がなんなのかをあまり理解できていないボクでは少し選択に困る。


 アイリスにあとで聞いておくか……。


 アイリスは計算やリストアップで最低でも一時間は動かないだろうし、ノルンやシズたちは戦闘中か……。

今フリーなのはボク一人。


そうだな、魔導騎士団でフレアを探しに行くか……。

魔導騎士団の戦力が手に入れば嬉しいんだけどな……。



 魔導騎士団の総本山と呼ばれるアルカンレティア。

王政ではなく、民主主義であり、そして治安維持は魔導騎士。それ実質、魔導騎士団が支配していると言っても過言ではない。


 が、それではここが魔導騎士団・総団長とやらの国になってしまう。


 それにしても、綺麗な街だ。

こういう街は大好きだ。人々の中に困り果てるような人物は少ない。伊達に治安維持を魔導騎士が行っているだけはあるのだろう。


 魔導騎士の総本山、という肩書きがあるくせに、魔導騎士団の詰所はただデカイだけの建物で、そこらの家と軒並み変わらなかった。

なるほど、確かに支配はしていないし、魔導騎士団の国というわけでもなさそうだ。


 考えているのか、それともそういう趣味だっただけか……。


「君、何のようかな?」


 門番のような魔導騎士に止められた。


「フレアを探しに来た」

「何でか理由を聞いていいかい? 一応ルールなんでね」


 ああ、そういうルールもいいな。

こういう組織を見に行くのはかなりいい刺激になる。


「こっちで落ち合う約束をしていまして……確認を取ってもらってもいいですよ?」


 こちらから確認の要求・許可をしておけば、疑われる可能性は減るだろう。

あさはかすぎるかもしれないけど……。


「いえ。名前の確認だけさせてください」

「鬼灯稀有、これでいいですか?」

「…………ええ、いいですよ」


 ? どういうことだ?

疑いもしないとか……。フレアはそこまで強くない、と言っていたから、したの方なのかもしれないが、それでも確認くらいはしないのか?


 ガチャリ、と大きなドアを片方開けて、中に入る。


 視線はない。

ここはあくまで大広間であり、滅多に使われることのない場所なのかもしれない。アイリスの作ったあの家も入り口のところは迎撃用に、と広く作ってある。


 フレアがどこにいるわからないのだが……。

さて、一部屋ずつ探すのも面倒だが………壊すわけにもいかないわけだ……。こんなクソ案件、受けたくないわー。自分でやろう、って言ったんだけど……。


 とりあえず、最上階からあたってみるか?

階段を駆け上がるのは久しぶりだ。飛び降りてみたいな、また……。何段までできるかな。


 飛び上がる。

というか、一回の飛び上がりで全て上がれてしまった。


 …………え?

あれ? 確か国外追放の時点で補正値はゼロに戻ってた気がする。確か、【幻想破壊】の効果で体に溜められていた魔物の力を魔力と勘違いし、排除したことによって補正値が消えてしまった。


 ? そう考えるとも一つ疑問が出てくる。

なぜボクはあの化け物……シズを圧倒できたんだろうか?


 踊り場で立ち止まって考えに耽る。

もし、もし、だ。


 【破壊】の覚醒で、ボクのステータスが上がったとしたら?

ステータスを見返してみるが、全てレベル通りの平均値だ。


〈奪命剣〉は元々、ある程度の量の魔物を倒すと強化され、その際に所有できる魔物の数が変わり、リセットされ、吸収効率と吸収量が上昇する天賦能力だ。

つまり、王国を出た時点で、俺の補正値はゼロに戻ってしまっていた。正確には、ダンジョンコアを破壊した時に、だが……。


 あの時に裏ボスやラスボスなどの強力な改装守護を全て倒した、という判定になったらしく……あとは言うまでもない。


 ダメだ。わからない。

アイリスにでも聞いておくとしよう。


 と。

その時、後ろから方に手をおかれた。





「総団長がお呼びよ」



 お姉さん口調で、どこあどけないような声音で、それでいて165くらいの背丈に、翠色の髪。何よりもその炎のように美しい瞳。







 フレア=ライス=ウインターその人であった。


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