第四話 組織結成/参
最近読み返して、稀有って厨二病だったなと思い出しました。
時雨目掛けて、目論見も何も、一つを除いて何もなく、ただ突っ込む。
「はは、ついにヤケクソかァ‼︎」
笑って、奴も僕に向かって突っ込んでくる。
が、どうせそれは見せかけ。甘い。
殺意が集中しているのは……。
俺の心臓部。
そこにあれを流し込む。
ピキィィン、と。
奴の右腕が後方に大きく吹き飛ばされる。
なぜ? などと思うことはない。今は追撃に集中する。
そして直後、今度は左腕が弾かれる。
あれに感づかれないよう、それと同時か、少し前に剣を振っておく。
「なんっ……」
女の子のような、可愛らしく、幼さがかなり残った驚愕の声が聞こえ、
僕は吹き飛んだ。
気づかなかった。
どこだ? いや、違う。真っ向からの死合いで質量負けしたんだ。
まさか、スキルを超える質量? それじゃあ、魔術か魔法? それもありえない。
ということは、こいつ。自分自身の力で、魔力にも魔素にも、スキルにも何にも頼らず、自分だけで転移を行ったのか?
つまり、そういうことだ。
時雨の神子としての力は、【転移】。かなりキツい。
ノルンに僕の力を話したところ、神子や神のような、自分自身が……つまりはシステムの類に関与せず力を振るえるものには通用しないかもしれない、が確定したのだ。
せいぜい、防御だけはできるようだが、破壊はできない。
防御力による弾きが限界であり、隙間を突かれれば一発だ。
心臓をとられて切り裂かれ、エンド。
そんなのは嫌だというか、遠慮する。
「…………ちょっ、話し合いをしよっ」
僕が力を振り絞ってそう叫んでいる間も、攻撃の手が止む事はない。
一切の逡巡どころか、死への恐怖は愚か、その代償さえ理解しているのか、していないのか、気にしていない。
こんなのを本当に仲間にして大丈夫だろうか? というか、仲間になってくれるだろうか?
スパッ、と今度は当たり前のように建物が斬れた。
時雨がやばっ、と行ったのは気のせいだろう。
いや……
気のせいじゃなかった。
「………………う」
「ん?」
急に攻撃をやめ、それどころか隙だらけの無防備状態であり、動かなくなった。
なんだ? 話をする気にでもなったか?
「話し合いをしましょう」
なんでそんな急にそうなるかな……。
§
曰く、住居を誤って斬ってしまったらしく、住むところがなくなったので僕が飲む条件次第では配下になってやるとのこと。
曰く、これ以上戦闘を続けても勝機が薄れるだけだから止めたいとのこと。
曰く、本名は時雨ではなく、閑とのこと。
曰く、実は9歳とのこと。
見た目麗しい少女だった。
アイリスよりも年下なのは驚いたが、それ以外はまあレベルを上げてどうにかしたのだろう、と勝手に納得させてもらった。そうでもしないと、一年間の僕の努力が彼女の数年間で埋め尽くされ、絶望してしまう。というか、心ポッキリしてしまう。
「えっとね、出来れば住居は広いのがいいわ」
「組織作った後に立てた組合の家は君だけ全て使っていいように手配してやるよ。後、今のところ宿は君だけ特別に一部屋を一人で使え。他は?」
「私を幹部n
「それは確定事項だ」
ムスッとされた。
え? なんかやらかしたかな?
「あとは、そうね。優遇してくれるなら、なんでもいいわ」
「軽くないか? 商人相手だと食われるぞ?」
「普通の人間は食人なんてしないわ」
「うるせー」
時間が過ぎ去る中、誰もいない裏路地を無邪気に走り回る少女・シズ。
こんな少女が、死へのためらいも、生への執着もないなど、この世界は本当に……
クソッタレだよ。
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