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第二話 組織結成/壱

 募集の張り紙を貼って、酒場の一席で暇そうに注文リストを読みふける僕。


「パフェもいいが……ここは一押し商品で行くべきか? いや、ここはあえてコーヒーだけにするとか……。うーん、悩ましい……」


 何を注文するかだけが、唯一の悩みだった。

ウェイターさん、あまりジロジロみないでください。恥ずかしいというか、プレッシャーが……。


 とりあえず、ここはコーヒーにしておこうか?


 ぐっ……。パフェは見送りだな……。


「すm

「ここ、失礼するよ」


 あ゛?

君喧嘩売ってるのかな。受けて立とうじゃないか。人がせっかく注文しようと決心したところに水をさすなんて……。


「この募集用紙はあなたのですよね?」

「ん? ああ、そうだけど」


 何だ、こいつ。

もしかして、僕何か規約違反でもしたか? 服装からして役人っぽいし……。


「募集を受けてやって来ました。オリヴァー=アマンドです。オリバーで結構。親しい方……相棒はノルンと呼びます。こちらは相棒兼妹のアイリスです」


 立ち上がり、一礼する二人の少年と少女。

うーん、少年は俺と同じくらいだろうけど……少女……アイリスはどう考えても中学生以下だ。


 これは規約違反の一つ、年齢不相応とかなるのでは?


「あ、アイリスはこれでもS級のステータス持ちですので」


 あー、うん。

もういいよ。自慢に聞こえるし……。


 それに、生きた長さも違う。まあこっちの世界で、だけど。

それならば、小さい頃からレベリングしてれば届くしね……。年季の違いというやつか……。


「それで……ノルンさんは……」

「ノルンで結構」

「そっか。じゃ、ノルンは何ができる?」


 机に頬杖ついて、そう質問する。

みた感じの直感では前衛タイプかなぁ……。





「オールラウンダーです。全部いけますよ」






……うん。知ってたよ。

妹がS級ステータス持ちって時点で。君も何かやばいんだろうなー、とは思ってたけど。


 ちなみに、オールラウンダーとは『万能手』という職業になる。

『破壊者』と同じ、激レア職業だ。というか、天職。


 オールラウンダーの系統には、あれがある。




 魔導騎士。




 その上にあるのがオールラウンダー。

フレアですら到達できなかった次元に、目の前のこいつもといノルンはたどり着いている。


「ところで……稀有さんってもしかして……」


 ん? なんかあったっけ?

スタンピードをダンジョンコアの破壊で終結させ、国外追放を受けたという噂話なもってるよ?


「日本人、ですよね?」



 あー……、どゆこと?


「え? いや、どゆこと?」

「あ、やっぱそうなんだ。僕は元々執行疾風って言う日本人だったんだよ。こっちに転生した。アイリスもそうだよ」


 マジですかい?


 え? 何転生でもこっちに来れるわけ?


 砕けた口調で唐突に言い放ったノルンの言葉に、頬がヒクヒクする。

何がどうなっているんだ? それならこいつも勇者の一人ってこと?


 いや、勇者とは厳密には勇者の称号を持つものであって、王国のあいつらは違うはずだ。

あれはあくまで国が勇者……救国の英雄としているだけで、別に勇者ではない……はずだ。


 ならば勇者とは何か。

それはわからない、というのが正直な答えだ。ここで知っているやつなんて、それこそ神様とか昔からずっと生きている大魔王さんくらいだろう。


「なるほどな。そっちは転移した、と」


 今までの事情を、嘘偽りなく話した。


「にしても、君テンプレな生き方してるね。実力に気づかれず捨てられるとか……」


 それよりもひどい気がするんだけどね。


「アイリス、挨拶しておきな。これからの主人で決定だよ」


 あのさ、勝手に主人にしないでくれない?


「まずは規約の話なんだけど……」

「それはいらないよ。俺は君を主君としたいからね。それに、君の狙いは簡単だ。組織を作ることだろう?」


 えっと……なんでわかるんだ、こいつ。


「前世は殺し屋もやってたから、募集の規約の内容から、組織づくりかなぁ、って思ってね」


 すごいな。

と言うか、不穏な単語が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。いや、気のせいにしておこう。


「アイリス=アマンド。よろしく」


 口数が少ないのだろうか?

それとも、メインで話すべきが僕とノルンだから、遠慮しているのか……。偉いと言うべきか、普通にして欲しいと言うべきか……。


「それで、詳しい話は、お茶をしてからにしないか?」

「当たり前でしょ。今注文しようとしてたんだけど?」


 僕のにっこり笑顔に少し青ざめるノルン。

これでも昔はもっとスマートにできたんだけどな……。


「おすすめってあります?」

「君さ、身代わり早くない?」

「クリパフェ」

「んじゃそれで」

「ちょっ、俺を無視しないでくれる⁉︎」


 意外と気の合うやつらかもしれないな……。







§






 カフェでコーヒーを嗜み、例のクリパフェ(栗のパフェだった。意外と甘かったのはモンブランの原理か)を食してから、僕はノルンとアイリスが止まっていると言う下宿にやって来た。


「改めて、よろしくね、主君(ロード)

「できれば稀有でお願いしたいなーって思ったりして」

「んじゃ、稀有な。いや鬼灯がいい」

「兄くん、わがまま……」


 アイリスはノルンを兄くん、と呼ぶみたいだ。

不思議な呼び方だ。が、どうも中学三年生ほどの身長に肩よりも先まで伸びる髪、その淡い髪色が幼さを際立たせ、その呼び方が妙にしっくり来る。


 これがロリコンの入り口というやつか。

厳重に鍵を……。


「それで、組織名はどうするんだい?」

「うーん、今は主力集めをしてるからなぁ」

「それじゃあ、具体的に、主力は何人がいい?」

「そりゃあ」




 もちろん決まってる。





「七人でしょ」





§





 それから少しの間、ノルンと共に話し合い、その間はアイリスが知っている人の中で、主力にふさわしい人を探し回る。


 ノルンと話したのは、簡単にいえば何を目的とするか、だ。

一つの目的……王国を出し抜くことだけが目的だと、それが終わってからが大変らしい。


 だからこそ、今のうちに目的をいくつか作っておく。


 一つ、王国を出し抜く。

これは譲れない。


 二つ、この世界の魔神を侍らせる。

そんなことできるの? って思ったけど、できなくはないらしい。


 最悪、次期魔神候補をあらかじめ引き入れておいて、魔神となる援助を行い、魔神に仕立て上げればいいそうだ。


 三つ、元の世界に戻る方法。

これはほぼ不可能に近いからこそ、らしい。元々、僕らをこっちに釣れて来たのは、『神話』と呼ばれる、世界に一つ以上存在する神の統治者らしい。


 それらと同等になるか、一時的になるか、どちらかで目的を達成する。

ワープゲートが開ければ、あとは量産態勢に入るだけ、とのこと。


 これらを今は目的とし、人を集める。


 ノルンの知り合いに掛け合って行うらしいが、俺も三人ほど誘いたい人間がいる。


 まずは、一人目から当たるとしよう。


次回は……まだ考えてません!



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