第一話 国外追放と新しい国
まだ短かった。
ごめんなさい(^^;;
クソが……。
ああ……イラつく。
僕は何のためにいたんだろう。
所詮、この世は弱肉強食。
弱者は淘汰され、強者は何をしても許される。
『罪と罰』が頭をよぎる。
天才は、世界を変える革命者であり、独創的思考を持つ。
そして彼らは、何をして許される。それが誰かのためになるならば……。未来のためになるならば……。
§
俺は後日、国から呼び出された。
当初、俺は何か褒美でもくるのか? と思ったが、途中でそんなことはない、と思った。
あの国王が、クルリと掌を返したとしよう。
それはつまり、王国がプライドを捨てたようなものなのだ。
捨てた人材をまた拾う。
他の国や住民からすれば、それはかなり卑劣だ。
使えないからと捨てたくせに、使えるようになったからやっぱり戻って来てくれ、と金や物で釣る。
そんな国に誰が痛がるかという話である。
それならば、なぜ呼び出されたのか。
見当がつかない。
いろいろ考えている人間の思考は理解できない。
生憎、馬鹿な俺には考えを張り巡らせることができるほどの頭脳は持っていない。せいぜいその時々での感が冴えているだけである。
ずっと続くわけではなく、ここぞ、という時だけ感が冴える。
一種の覚醒式だ。
覚醒といえば、【破壊】が解放された。
開放条件は『ダンジョンコアの破壊』だったらしい。
確かに、ダンジョンという神様が作ったとされていた神秘を破壊する、というのは【破壊】という言葉にはぴったりだ。
神が作ったものを破壊する。
いわば神の反逆者。
効果は、右手に幻想……魔術や魔法などの魔素・魔力が関係する効果を打ち消す能力。
左手には能力……スキルの効果を打ち消す能力らしい。
ただ、これは俺が試してみた範囲であり、他にどんな効果があるのかは不明だ。
で、話が逸れてしまったが、なぜ呼び出されたのか……?
「鬼灯稀有であったな」
騎士さんに押されてやって来たのは、王城……懐かしく、憎らしく、忌避感が押し寄せる、王城の、玉座のある広い場所。
何というかなど知らん。
というか、勇者どもがいないのはわざとか、それとも後から連れてくるつもりなのか……。
「貴様を……国外追放とする」
は い ?
§
僕は正直言って、もう二度とここに戻る気はない。
あとは違う国に行くか、他種族の村に行くか……。
稼ぎ方なんて冒険者以外知らない。
あの時、僕が追放された理由は至って簡単。
許可なくダンジョンコアを破壊したこと……
簡単にいえば、僕は嵌められた。
フザッけんな……そう思ったが嵌められたのは僕だ。
チッ。ノエルは悪くはない。
ノエルからだと勝手に僕が思っただけであり、サーシャの奴も関与はしていないだろう。
余計にムカつく。
勝手に僕の友達の名前を冠するとか……調子乗ってんじゃん。
お灸を吸えたくても、それをして不幸になる人間が多すぎる。
ただただ、一人で城壁を憎らしく眺める。
僕に足りないものは何か……。
力か? 違う。
智か? 違う。
そう、仲間だ。組織力。数。
今の僕にはそれがない。誰もいない。一人。せいぜいフレアくらいしかいない。
この程度でこの国を落とせるか? 落とした後も安定させられるか? 無理だ。
たった二人で国を保たせるなど、無理に決まっている。
だから、僕は人を集めよう……。
有能な部下を……同盟相手を……友を……。
そうだな……まずは主力を探すか……。
§
やって来たのはアルカンレティア民主共和国。
個人的に目をつけておいた、あらかじめ狙っていたというべきか……まあそんな国だ。
端的にいえば自由主義みたいな?
確か魔導騎士団が治安維持を担っている国だったはずだ。
国外追放されたフレア と僕は、アルカンレティアで集合する約束をしていた。
いつかは知らんがな。
それはそうとして、だとすれば主力を稼ぐか……。
雇うのは嫌だなぁ。できれば信用関係でいたい。
それじゃ、募集の紙を貼るか……。
いい人が釣れるといいなぁ……。
それから数時間……同郷の人間が釣れたのは、かなり驚いた。
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