第十一話 スタンピード直前
「貴方は並大抵の魔物は魔物とすら認識しないのね。ちょっと引いたわ」
「そうですか? あんなものじゃ……」
「…………、もう、何も言わないわ。それより、六層は今のジェアルの二倍クラスの化物が普通に徘徊しているわ。絶対に連携を崩しちゃダメよ」
うーん……。ジェアルの二倍クラスが普通って……。
それってもう敵わない領域なんじゃ……。いや、でもフレアさんはシェアルの体力を普通に削ってたし、案外いけるのか?
うっ……。
バカだった。行けるかも、なんて思った俺が完全にアホでした。
レベル567
レベル539
レベル541
このレベルの魔物が初めに現れた。
グランドウルフとかいう狼型の魔物。強さではフォレストウルフの二段階上らしい。
どうも強いとは感じないし、死の恐怖すら感じ取れない。
俺が強いからか、それともフレアさんがいるからか……。あれ? なんで……。いや、後にしよう。今はこいつらを殺し尽くす。
と息巻いていたのは良かったのですが……。
フレアさんの炎魔術で基本的に牽制。そのまま俺が裏取りをして切り込む。
炎魔術で弱っていた分、かなり楽に殺せてしまう。
二、三撃はなてば倒せるほどに………。
フレアさんの魔術の威力は強力無比だ。
そこらの魔術師とは次元が違う。本当にB級なのか? このレベル、A以上だろ?
それをほぼ一掃って……。
本当、この人何か隠してるでしょ……。
そうこうしているうちに、また魔物……。
厄介だ。
いい加減、魔物を狩るだけの生活から脱したいものだ……。
そんなこんなで三ヶ月がたった。
最終的に八層までしかいけなかった。フレアさんも単独だと七層が限界、八層で一体ずつと勝負し、倒しては逃げてを繰り返さなければ何回死んでいたことか……。
それでもレベルはいい感じに上がった。
俺は26から257に。フレアさんは284から331に。
俺の伸び代が大きいのは、最後の方が影響している。
きちんと一ヶ月前には報告をし、今は準備体制喪完了し、いつでもこいやオラ、という冒険者や王国の騎士たちであふれている。
血気盛んなのはいいのだが、暴れないで欲しい、とずっと思っていました。
そんな折、やってきた二つのトラブル。
正確には一つ。もう一つは、予想通りだったのだから、トラブルという訳ではない。
スタンピードを抑える部隊、それが国から派遣されたのは知っていた。
でも、そこにあいつらがいるとは、知らなかった。




