第7話;あっちでも、こっちでも その2
準備回が続いてしまい、すみません。
次回からようやく捜索に入ります!
総合5000pvを達成しました!これも読んでくださっている皆様のお陰です!今後とも本作品を宜しくお願いします!
暫しの思考停止に陥った僕は直ぐに考えを取り戻す。
「じゃ、じゃあどうしてギルドに依頼なんか……」
「実は今、領主様の私兵団が遠征中でして……率直に言いますと戦力不足です。まぁそれは建前で、本音は私兵団を使いたくないのですよ。余り大人数が動くと不審がられますので」
「そうですか……では何故場所の検討が付いているのですか?」
僕は続けて質問を投げかける。それをデュクロさんは顔色一つ変えることなく、淡々と答えていく。
「まず犯人は間違いなく領主様の反勢力の者達です。そしてその者等が集会に使っている建物の何処かに居るはず、それが我々が予想している場所です。それを冒険者フェイ様に虱潰しに当たって頂きたいというのが今回の依頼です」
「なるほど……」
単純な猫探しと言う訳ではないらしく、腕っ節も求められるという事か。
それにしても反勢力何かが絡んで来るとなると何か裏がありそうだな。
僕が思案に明け暮れていると、デュクロさんの一声でまた会話に呼び戻される。
「それとこの後領主様に謁見して頂きたいのですが、お時間は宜しいでしょうか?」
"謁見"という言葉に一瞬、体を強張らせたがすぐにそれを解き、その必要性を自分の中で確認する。
(一応、領主の人となりを見ておきたいし会っておくか……)
「分かりました」
「そうですか、では案内させて頂きます」
そうして応接室を出た僕とデュクロさんは、領主がいるリビングへ向かう。
デュクロさんがある扉の前で足を止める。その扉はこの屋敷のどの扉よりも重厚で豪華であった。
両脇にはメイド服の女性が無言で立っている。デュクロさんがさっと手で合図を送ると、2人の女性が扉を開ける。
その部屋の中は一言で言えば"派手"だった。
床に敷かれた赤い絨毯、見るからに高そうなシャンデリア、その他諸々の家具などお金の掛け方が凄い。
肝心の領主は、少し小太りの、顔は如何にも悪巧みしてそうな顔であった。さらに両脇に女性を侍らせており、溢れんばかりの成金感が漂う。
暫しの無言の時間が続き、その静寂を先に破ったのは領主の方だった。
「お前がギルドの冒険者か?」
「は、はい。フェイ=ローレンと申します」
一応僕も追放されたとは言え、元貴族だ。多少の礼節は弁えている。
だが何だろう、何故かこの人とはあまり喋りたくない、直感がそう言っている。
「うむ、我はフォルセ領領主のステーフェン=ラウハだ。お前みたいな餓鬼でも腕が立つというのなら雇ってやろう」
やはりか、僕の直感も存外捨てたものじゃ無いな。
僕はその感情を押し殺して話を続ける。
「一応Cランク冒険者です」
そこでデュクロさんが領主に耳打ちをする。
「ほぉ……実績があるなら雇ってやろう。何としてでも我の猫を取り返し給えよ」
「……分かりました」
長かった様で短かった謁見を終えた僕は、デュクロさんに見送られて邸宅を後にした。
帰るときにも門番が礼をしてきたりと何かと居心地の悪い屋敷を足早に去って宿屋に帰った。
◇◇
部屋に戻った僕は先に戻っていたモニアとセロと情報共有する。
僕はデュクロさんに聞いた話と領主の人となりを話す。それにセロとモニアは何故か大きな相槌を打ちながら話を聞く。
その理由はモニアの話を聞けばすぐに分かった。
「街の人に色々聞いてみたんですが、猫の場所についての情報は必要ないみたいですね。それと領主様の評判を聞いて回ったのですが、余り良い評判は聞きませんでした。色々裏で黒い事に手を染めてるとの噂もありました」
概ね予想通りではある。あの領主が黒い事はさっきの謁見で薄々気付いてはいた事だ。
「なるほど……そうなると色々考えて動かないとな」
猫を探して屋敷に連れて帰ることは確定なのだが、その後は場合による。
例えば、法律を越えた行為を行っているのを見かけたり、証拠でも掴もうものなら即座にギルドに報告してそれなりの対処を行ってもらう。
嘆息を漏らす。
この依頼は余り乗り気では無い。正直、支部長の頼みを断るべきだったと今更ながら後悔している。
だが仕事なので熟すしか無い。重い腰を上げて宿の外に出る。
今回の依頼はかなりの危険が伴うのでモニアは置いていく事にした。
その代わりに情報収集に従事してもらう。護衛役としてセロをつけているので身の危険は然程ないだろう。
こうして僕達の、陰謀渦巻く猫探しが始まったのだった。
面白いと思ったら是非、評価、ブックマークの方を宜しくお願いします。
感想、アドバイス等も受け付けておりますので、どんどんと書いて頂けると有り難いです!




