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第2話;【湖の主】討伐依頼 その1

2章本編の始まり。


『第5話;僕はやっぱり弱い』を分割しました。しおりの位置が変わっているかも知れません。本当すみません。



王都から馬車で3日の場所に位置する街、フォルセ。僕は今そこを訪れている。


何で僕達がそんな場所に居るのか、経緯を説明しよう。


半年前、初依頼でオーガを大量に狩ってきた僕はすぐさまランクをDランクに昇格となった。功績を鑑みればB,Cランクも有り得るのだが、流石に事が事なだけに信憑性が薄かった為、一旦保留という形がとられた。


普通に考えればEランクの新人がオーガを大量に狩ってくるなんてそう簡単に信じてくれる話ではない。まぁそれは建前では有るのだが。


僕の試験の様子を見ていた二人は割とすんなり信じてくれた。だがポンポンとランクを上げてしまうと、他の冒険者からの反感を買いやすいとの事なので僕の事を考えてそういう判断を下してくれた。それで取り敢えずのDランクということだ。


そこから半年間はひたすらに依頼を熟しまくった。そしてオーガの一件を除いてもCランク昇格の基準を満たしたので今はCランク冒険者となった。


そんなある日、僕のもとに推薦依頼の知らせが舞い込んだ。推薦依頼とは依頼者が、特定の冒険者を指名して依頼を出すことだ。今回は正確には推薦依頼では無い、ギルドが僕にこの依頼を斡旋した。


依頼内容は《湖の(ぬし)の討伐》らしい。場所はフォルセという観光街から馬車で6時間程行った所に位置する【エルフの泉】と呼ばれている場所だ。


ここは知る人ぞ知るパワースポットらしいのだが、主の出現により湖底まで見える程の透明度を誇っていた水質も今や茶色く濁ってしまっている。しかも腐敗臭までするらしく、それに危機感を覚えた近くの村が依頼を出したと言う。


僕はその依頼を請けて今、フォルセにいると言う訳だ。


「んー!この串焼き美味しい!」


馬車の出発まで少し時間があるという事なので、観光をしていた。何と言ってもここフォルセは有数の温泉街だからね。


昨夜遅くに到着した僕達は早速温泉というものに入った。初めて入ったのだが、それは程よい温かさで、旅の疲れが急速に取り除かれていった。


「こら、セロ!はしゃぐなって!」


この犬っころはセロという。実はあの星狼なのだ。


僕の数倍大きかったので王都に入る時に苦悩していたのだが、何でもサイズを変えられるらしく1番小さくなった姿は犬と殆ど変わらない。


因みにセロという名前に意味は無い。頭の中に浮かんだのがこれだった。


「主!良いではないか、折角なのだから!」


仕方無いか、ここの街の雰囲気は何故か僕達をそう思わせてくる。


「あまりはしゃぎ過ぎるなよ」


僕達はひとしきりの観光を終えて馬車が待つ正門へ向かった。



 ◇◇


馬車は湖のある森の前で止まった。


「どうしたんですか?」


僕は何かトラブルかと聞いたがそうでは無いらしい。


「あれ……聞いてないんですか?今は湖の(ぬし)のせいで森にはこれ以上馬車で入れないのですよ」


「なるほど……分かりました。ありがとうございます」


僕とセロが馬車から降りると足早に来た道を戻って行った。


ここからは徒歩で1時間という。急いで行けばもっと早く着くのだが、ここの自然は素晴らしいので見逃さない訳にはいかない。


風が吹くたびに微かな音を立てて揺れるその様は見ていて気持ちがいい。まるで長い年月を掛けて作り上げられたこの森の声を聞いている様だ。


そんな森を汚している魔物が居て良いのか?そんな訳ない、僕が方をつけてやる。


僕達は枝葉の隙間から漏れ出る日の光を浴びながら湖のある森の中心へ向かっていく。


歩いて行くと、森特有の木々の匂いに徐々に腐敗臭が混ざり始める。その匂いは更に強さを増していき、終いには鼻を抑えなければ耐えられない程の異臭となっていた。


僕はセロに【風障壁(ウィンド・バリア)】を使ってもらい匂いを防ぐ。


歩く度に葉が段々と少なくなっていく。湖に着いた頃には殆どが枯れ木となっていた。


湖の様子は……最早、湖と呼べるレベルでは無かった。強いて言うならば沼とでも言おうか、とにかく濁っていて、粘りがある。しかし(ぬし)の姿は見当たらない。


僕は1つの可能性を考えて近くにあった手頃な小石を()に投げ入れた。


その数秒後、大きな音ともに巨大な水柱が出来上がった。その水柱が消えた頃、(ぬし)は僕達の前に姿を現した。


それはまるで()()()()の様な生き物だった。



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感想、アドバイス等も受け付けておりますので、どんどんと書いて頂けると有り難いです!


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