第11話;フェイの初依頼【1】
投稿遅くなってすみません。
結局3時間程しか寝られなかった。
まぁ最近はいつもこんな感じなので身体が慣れてきている。
僕はササッと用意を済ませてギルドへ向かった。
朝時のギルドは昨日と違い活気に溢れている。というか恐い。
朝6時に一斉に依頼書が貼り出されるため、少しでも良い依頼書を取ろうと揉み合いになる。さらにそれを巡って喧嘩にまで発展する騒ぎはもはや恒例らしい。
僕は余ったもので良いかと思い椅子に腰掛けてその様子を眺めていた。
別にボーッとしている訳ではない。この間にも知識を取り込んでいるのだ。
そうこうしている内に大分静かになった。
頃合いを見てボードの前に行った。
まだ数枚、僕が受けれるやつがあるな。
僕は一つ一つ内容を見ていった。そして1枚の依頼書に手を伸ばした。
薬草採取か……まぁ初めての依頼だしこんなもんで良いだろう。
その依頼書を剥がして受付に向かった。そこには昨日の受付嬢がいた。
「あなたは昨日の……」
「はい、私があなたの担当を務めさせていただくリルア=スローンです。これからあなたをサポートさせていただきます」
「そうでしたか、よろしくお願いします」
軽く頭を下げ再び向き直り、手に持っていた依頼書をリルアさんに渡した。
「薬草採取ですか……フェイ君ならわざわざEランクを選ばなくてもいいと思うのですが……」
その通りなのだが別に初日からそこまで張り切る必要もないだろう。
「いえ、これで大丈夫です。まだ初日なので」
「そうですか、分かりました」
それ以外は何も言わず依頼書に判を押した。
「では、いってらっしゃい」
「いってきます」
僕は軽く会釈して、そのままギルドを出た。
◇◇
目的地に着き、今一度依頼書に目を通す。
薬草採取 Eランク 場所 【ラスクの森】
内容 薬草を20本採取
※最近魔物の数が増えているので要注意
20本はかなり楽だな。僕にとっては、だけど。
普通なら図鑑片手に見比べながらでも良く分からないらしい。だからそれっぽい草を持っていって鑑定してもらうことが一番簡単なのだ。
だが規定の本数に足りなかったらもう一度【ラスクの森】に戻るか違約金を払うしかない。
何故こんなに難しい依頼がEランクかと言うとそれは単純で、わざわざ高ランクがしたがらないからだ。
そんな訳で面倒くさい事を処理するのはEランクという訳だ。
だが『鑑定』持ちにはこんなの朝飯前だ。
僕がこんな簡単な依頼を選んだのは他に理由がある。
受けられる範囲で【ラスクの森】に行けるのがこの依頼しか無かったからだ。
別に依頼じゃ無いと入れない訳では無いが、ついでに熟しておこうという考えだ。
最近は特訓の為に弱い魔物とばかり戦っていたから、そろそろ実践で試したくなったのだ。
なのでさっさと依頼の方を片付ける。
僕は見える範囲全てに『鑑定』をかけて、薬草だけを表示するようにした。
そしてそれを回収する。最も効率の良い集め方だ。
「12,13,14,15……今ので15本か」
少し移動してまた同じ事を繰り返す。
「よし、集まったな。後はやりたいことをやるだけだ」
辺りを見渡して魔物を探すが気配が無い。僕は少し歩き回ることにした。
10分程歩くと魔物の気配を感じるようになった。
気配があるの方へ歩く。気配はより強く、多く感じられる。
(そういえば最近魔物の数が増えているって書いてあったなぁ……)
その後数秒で森の中で少し開けた場所に出た。
そこは地獄と形容してもよいのでは無いかと言わんばかりに魔物で溢れかえっていた。
オーガの巨大な群れであった。一般的には3〜5体くらいで群れるのだが、ここには目で見える範囲だけでも100体はいるだろう。
オーガはCランクに分類されており、上位ランクの肩慣らしによく討伐される。
だが下位ランクにとっては命に関わる。見たらまず逃げることを考えるのが必然だ。
まぁ僕は逃げないんだけど。実践には持ってこいのチャンスだ。
ごぉぉぉぉ
何か不気味な音がする。群れの中心からだ。
少し気になり辺りで1番高そうな木に登る。そこから中心を見下ろすと黒い瘴気のゲートのようなモノが見える。
「あれは……スポーンポイントか……?」
スポーンポイント
―――――何らかの要因で瘴気が高密度で集まった場所。そこからはスポーンポイントそのものをどうにかしない限り魔物が発生し続ける。
魔物のランクにもよるが、一般的にCランク以上の冒険者複数人で対処する。
対処法は瘴気を霧散させる以外には今のところこれと言ったものは無い。
だがスポーンポイントが出来るのは稀であり、見たらギルドへの報告が義務付けられている。
僕が見ているのは間違いなくスポーンポイントだ。
ラッキーだった。いきなりこんな機会が巡ってくるなんて。
もちろん僕はこの大群の中に突っ込むのだが、新しくオーガが出てきたら厄介なので先にスポーンポイントを壊しておこう。
手だけに『バーサーカー』を発動させて、手で空を斬る。そうすると空気の刃ができ、スポーンポイント目がけて真っ直ぐ飛んでいく。
それがスポーンポイントに触れるとその瞬間に霧散して消えた。
これで新しくは発生しない。
「だいたい100体くらいか……まぁ危なくなったら全力で逃げればいい話だ」
だが今は負ける気が全くしない。不思議と力が湧いて出てくる。
「あっ、討伐証明部位の採取を忘れずにしよう」
買い取りの事をを考えていると、オーガがお金の山に見えてきた。
そして僕は一稼ぎ+実践練習の為にオーガの群れの中心へ木の上から飛び込んだ。
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