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【創世級チートでホワイト楽園建国】無病息災で暮らしたい僕のボヤキ生活 ~あったらいいなと呟いていたら、世界中の変人が集まって王国最強の快適領地ができました~  作者: S&Y
第三章:世界中から絶賛されても、僕は部屋から一歩も出たくありません!

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第42話:帝国の皇帝陛下が視察に来られたが、温泉とラーメンで完全陥落したらしい

「ひ、ひえぇぇぇぇ……! 窓の外に、金ピカの巨大な鎧を着た怖そうなおじいさんと、黒い鎧の騎士たちがズラリと並んでるんだけど……!?」


バルデン子爵領となった我が家のテラスで、ルーカスは特製クッションを強く抱きしめ、毛布の中から顔だけを出してガタガタと震えていた。


我が家の庭の隣、正門前に突如として現れたのは、大陸最強の軍事大国『エストリア帝国』の皇帝ジークフリート1世(62歳)率いる、帝国近衛騎士団の精鋭たちであった。


「お兄様! あの方はエストリア帝国の皇帝陛下ですわ!」


妹のリリィが、メモ帳を胸に抱えて目を輝かせる。


「我がバルデン領の『超高速魔導列車』や『5キロ先超遠距離狙撃』、『顔認証セキュリティ』の噂をお聞きになり、『バルデン領は世界制覇を目論む危険な要塞都市ではないか』とご警戒されて、直々に視察に乗り込まれましたの!」


「皇帝陛下が直接警戒しに来ちゃったのーーーッ!?」


ルーカスは顔を真っ青にして絶叫した。


「嫌だ! 軍事国家の皇帝なんて一番関わりたくないよ! 下手に不機嫌にさせて『帝国軍全軍で攻め込む!』なんてことになったら、戦争になっちゃって長生きできないじゃないか! 僕はただ平和に過ごしたいだけなのに!」


ルーカスは胃のあたりを押さえ、情けない声を上げてボヤいた。


「はぁ……前世の外交交渉じゃないけどさ、お互いに殺気立って喧嘩するんじゃなくて、美味しいごはんと温かいお風呂で『まあまあ、落ち着いてお話ししましょう』ってもてなせたらいいのに。熱々の濃厚豚骨ラーメンと、効能抜群の極楽露天風呂があれば、どんなイライラした偉い人だって胃袋と身体がほぐれて戦意ゼロになって、平和に長生きできるのになぁ……」


戦争の恐怖を回避し、美味しいご飯とお風呂で穏やかに世界平和を保ちたい少年の、切実で安全第一なボヤキ。


……のはずだった。


(覇王の猛き闘気を一瞬で無効化し魂を洗う神の露天風呂(極楽温泉)……! そして覇者の胃袋を完璧に掴み争いの愚かさを悟らせる至高の命のスープ(濃厚豚骨ラーメン)……!?)


テラスの物陰で、温かいお茶の準備をしていた侍女リリィの瞳が、眩いばかりの光を解き放った。


カリカリカリカリカリッ……!


「すごいですわお兄様……! 大陸最強の軍事帝国との武力衝突を完璧に回避し、胃袋とお風呂の力で全世界に『永久平和』をもたらす『究極の和睦外交』まで見据えておられるなんて……! 私、すぐに衛生長官のクララさんと調理長のヴァレンティンさんに伝えなくっちゃ!」


目を輝かせた天使(妹)は、お茶を置くと、館の正門へと爆走していった。



「フハハハ! 創世の神童ルーカスめ! 貴殿の『裏の野望』、このジークフリートが見破ってやるぞ!」


正門前。漆黒のサスペンション馬車から降り立った覇王ジークフリート1世は、威風堂々たる威圧感を放っていた。

しかし——正門を潜った瞬間、彼の威厳はもろくも崩れ去った。


「お待ちください皇帝陛下。まずはあちらで『3分間のアルコール手洗い殺菌』を済ませていただきますわ」


白衣を纏った衛生長官クララ(元最鋭暗殺者)の手により、強烈な消毒液で手足を念入りに洗われ、そのまま地下の「総ひのき極楽露天風呂」へと案内されたのだった。


「な、なに……!? 皇帝であるこの私に湯に浸かれだと……ぬ、ぬぅぁぁぁぁッ!?」


ザッバーン……ッ!


ひのきの香りが漂う源泉に身を沈めた瞬間、ジークフリート皇帝の目が見開かれた。


「な……なんだこの温もりは……!? 長年の戦場で痛めた肩と腰の古傷が、じんわりと解けていく……! 闘気……全身の殺気が、湯の中に溶けて流れていくようではないか……っ!」


極楽露天風呂のあまりの心地よさに、覇王の険しい顔つきは見る間に「ふにゃあ……」と溶け落ちていった。


さらに、湯上がりに用意されていたのは、特製アロママスクと、調理長ヴァレンティンが腕によりをかけた『バルデン特製・濃厚炙りチャーシュー豚骨ラーメン』であった。


「フハハ……食べ物などで我が魂が惑わされると思う——ズズッ……ッ!?」


一口スープをすすり、麺を口に運んだ瞬間、皇帝の脳内に雷が落ちた。


「な……なんだこの濃厚で香ばしい旨味の爆発はぁぁぁッ!? 炙りチャーシューが口の中で肉汁とともに溶けていく……ッ! このような至高の美味、帝国の宮廷料理ですら見たこともないぞ……!!」


ジークフリート皇帝はスープを最後の一滴まで飲み干し、丼を抱えてボロボロと大粒の涙を流した。



数分後。


ルーカスの自室の『全自動遠隔拝謁陣リモート・モニター』がピコンッと音を立てて発光した。


画面に映し出されたのは、湯上がりでホカホカの顔をし、ラーメンの器を抱えたまま、画面越しに深々と頭を下げるジークフリート皇帝の姿であった。


『創世の神童・ルーカス子爵殿……いや、世界の真の覇者よッ!』


ジークフリート皇帝が、感極まった声で叫ぶ。


『私は勘違いしていた! 貴殿は武力で世界を征服しようとしていたのではない! 温かい風呂と至高の食で、全世界の争いをゼロにする『絶対平和の聖域』を築こうとしておられたのだなッ!』


「えぇぇっ!? ラーメンとお風呂を楽しんでもらっただけなんですけど……!?」


『我がエストリア帝国は、本日よりバルデン領との『永久不可侵・同盟協定』を締結する! 今すぐ帝国軍全軍十万名に、バルデン領での『温泉&ラーメンメンタル研修』を命じたぞ!!』


「全軍十万人がラーメンと温泉の研修に来るのーーーーッ!?」


ルーカスは悲鳴を上げ、特製クッションで顔を覆った。


「あ、あれ……? 僕はただ……戦争が怖くて、美味しいラーメンとお風呂で落ち着いてほしかっただけなのに……なんで我が家が『軍事帝国を完全攻略した平和の聖地』になってるの……!?」


戦争の恐怖を恐れた少年のささやかなボヤキは、大陸最強の軍事帝国を完全ファン化させ、またしても世界中を驚愕と大歓喜の渦へと巻き込んでいくのだった。

「ここまでお読みいただきありがとうございます!『続きが気になる!』『ボヤキ生活を応援したい』と思ってくださったら、画面下の【ブックマーク登録】や、【評価の★★★★★】をポチッと押していただけると、執筆の凄まじい励みになります!どうぞよろしくお願いします!」

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