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【創世級チートでホワイト楽園建国】無病息災で暮らしたい僕のボヤキ生活 ~あったらいいなと呟いていたら、世界中の変人が集まって王国最強の快適領地ができました~  作者: S&Y
第三章:世界中から絶賛されても、僕は部屋から一歩も出たくありません!

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第36話:移動で腰を痛めたくないだけなのに、一晩で超高速列車とロープウェイが開通したらしい

「はぁ〜……暖かくなってきてお外を歩くのも気持ちいい季節だけどさぁ」


バルデン子爵領となった我が家のテラスで、ルーカスはふかふかの特製クッションに身を預け、遠くに見える新緑の山々を眺めていた。


サスペンション馬車や地熱融雪街道のおかげで街道の移動は快適そのものだが、領地が「子爵領」へと広がり、温泉街や鉱山、遠方の農園ゾーンまでの距離が伸びたことで、ちょっとした移動にも時間がかかるようになっていた。


「歩いて移動すると足腰を痛めちゃうし、長時間の移動は腰に負担がかかって将来のヘルニアや関節痛の原因になっちゃうんだよね」


ルーカスはハーブティーを一口すすり、前世で乗ったあの快適で速い乗り物を思い出してポロリと呟いた。


「前世の『電車(魔導列車)』や『ロープウェイ(空中索道)』みたいに、専用の鉄の線路や空中に張ったワイヤーの上を、大勢の人が座ったまま滑るように超高速で移動できる乗り物があればいいのに。そうすればお年寄りや足腰の弱い人でも一瞬で温泉街や病院に行けるし、貨物も一括で運べて誰も腰を痛めずに元気に長生きできるのになぁ……」


移動時の腰痛と関節への負担を恐れ、安全で快適な大量輸送を求める少年の、切実で健康第一なボヤキ。


……のはずだった。


(地を駆け空を飛ぶ神の鋼鉄脚(魔導列車)……! そして山々を跨ぎ全人類を天空で結ぶ奇跡の鋼線(空中ロープウェイ)……!?)


テラスの物陰で、ハーブの鉢植えに水をやっていた妹リリィの瞳が、眩いばかりの光を解き放った。


カリカリカリカリカリッ……!


「すごいですわお兄様……! 車輪と馬車を超えた『全領地・超高速交通ネットワーク大革新』まで見据えておられるなんて……! 私、すぐに騎兵隊長のヴァルターさんと石工のペーターさん、建築長のブラムさんに伝えなくっちゃ!」


目を輝かせた天使(妹)は、じょうろを置いて館の広場へ爆走していった。



「——なんですって……!? 鉄の線路を敷き詰め、磁力と魔石動力で摩擦ゼロの超高速走行を実現する『|バルデン超高速魔導列車バルデン・ライナー』だと……!?」


男爵領の資材集積場。

サスペンション馬車を完成させた騎兵隊長ヴァルター(30歳)と、石工ペーター(28歳)、そしてドワーフの建築長ブラム(210歳)は、リリィのメモ帳を取り囲んで狂喜の嵐を巻き起こしていた。


「ペーター殿! お前のコンクリート基礎に俺の鋼鉄レールを敷き詰めれば……!」

「ブラム殿! ギド殿の磁力引き寄せ陣を車体に組み込めば、馬なしで音速に近いスピードで一瞬で山を越えられるぞぁぁぁッ!」

「おうよヴァルター! 山と山の間には太い鋼鉄ワイヤーを張り渡して、空中を滑る『天空ロープウェイ(バルデン・キャビン)』も一瞬で作ってやるぜぇぇぇッ!」


熱血漢の技術者たちは血走りながら、全領地を挙げた「無音爆速線路敷設工事」へと突入した。



数日後。


「……ねえ、なんで我が家の庭から山に向かってキラキラ光る鉄の線路が伸びてて、空中に銀色の箱が浮いて滑ってるの?」


自室でハーブティーを飲んでいたルーカスは、窓の外のあり得ない光景に白目を剥いていた。


庭の特設ステーションからは、ツヤツヤと輝く流線型の車体を持った『バルデン超高速魔導列車』が「シュー……ッ!」と滑らかな音を立てて発車し、一瞬で遠くの温泉街へと消えていっていた。

さらに上空を見上げれば、山頂の露天風呂に向かって極太の鋼鉄ワイヤーが渡され、快適なクッション付きゴンドラが悠々と空中を滑っている。


「ルーカス様! 完成いたしました!」

騎兵隊長ヴァルターが胸を張って駆け込んできた。

「これにお乗りいただければ、屋敷から山奥の温泉街まで徒歩1時間かかっていた道のりが……なんと『わずか3分』! 振動ゼロ、座り心地最高で腰への負担は完全にゼロにございます!」


「3分!? 電車もロープウェイも一瞬で完成しちゃってるの!?」


ルーカスが感動しつつも慄いていると、画面の『全自動遠隔拝謁陣(リモート・モニター)』がピコンッと音を立てて発光した。


画面には、王都の交通省の長官や、山脈の輸送に頭を悩ませていた隣国の鉱山都市の領主たちがズラリと映し出されていた。


『創世の神童・ルーカス子爵様! あの山を貫き天空を渡る『超高速魔導列車』と『空中ロープウェイ』の映像を見ましたぞ!』

『我が国の全物流と人員輸送が一変する神の交通インフラだ! 今すぐ全陸運ギルドの技師五千名をバルデン領へ研修に向かわせました!!』


「五千人が電車とロープウェイの研修に来るのーーーーッ!?」


ルーカスは悲鳴を上げ、特製クッションで顔を覆った。


「あ、あれ……? 僕はただ……移動で歩いて腰を痛めたくなかっただけなのに……なんで我が家が『世界最高の超高速鉄道&空中輸送の総本社』になってるの……!?」


移動時の足腰の痛みを恐れた少年のささやかなボヤキは、王国の交通インフラを「鉄道&ロープウェイ時代」へと突入させ、またしても世界中を驚愕と大狂乱の渦へと巻き込んでいくのだった。

「ここまでお読みいただきありがとうございます!『続きが気になる!』『ボヤキ生活を応援したい』と思ってくださったら、画面下の【ブックマーク登録】や、【評価の★★★★★】をポチッと押していただけると、執筆の凄まじい励みになります!どうぞよろしくお願いします!」

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