44話 神の存在
あれからシャドウが仲間になった俺たちは国に依頼されていたS級ダンジョンを2つ攻略した。
その時は配信をしながら挑んだがシャドウが増えていることに視聴者からツッコミが入ったので説明をすることにした。
[そのイケメンは誰ですか?]
[なんか耳とんがってない?]
[新しい仲間ですか?]
コメント欄を見るとシャドウについてのコメントが多い。しかもシャドウがイケメンと言われている。
確かにシャドウは耳がとんがっている以外は人間とさほど変わらない。
そのため人間目線で見たら高身長でクールな印象なのでイケメンの部類に入る。
「やっぱり気づきますよね〜実は新しく仲間が増えたんです。シャドウ自己紹介して」
「我は主のしもべのシャドウだ」
[しもべ?]
[どういうこと?w]
「そのままの意味でシャドウはヴァンパイアエンペラーって言うモンスターで俺が隷属したんです」
[ヴァンパイア!?]
[またやらかしてるやんw]
[もう慣れたw]
「なのでこれからは3人でS級ダンジョンを攻略していきます」
という感じで俺はやらかしすぎて視聴者からはまたやってるわと思われている。
俺としては心外だと思うが客観的に見たらそう思われてもおかしくないことをしてきているので甘んじて受け入れた。
そんなことよりもここ最近で1番の出来事があった。
それは遂に俺以外に日本で中型ダンジョンを攻略したパーティーが出たことだ。
そのパーティーとは一鬼さんのギルドのパーティーだ。
その2日後に俺は会ったことがないがフロンティアギルドのザックという人のパーティーが別の中型ダンジョンを攻略した。
どうやらこのザックのギルドと一鬼さんのギルドがギルド争いをしているようで一鬼さんが攻略したことを知ったザックが負けずと攻略したらしい。
中型ダンジョンを攻略した人が現れたという事はこの世界にダンジョンを作った異世界の神ラミリアの存在が俺以外に周知されたのだ。
そのため一鬼さんたちがラミリアの存在を配信で発表した。
その内容はラミリアが異世界の神であること、この世界にダンジョンを作ったこと、理由は言えないが強くなって欲しいという3つだけ言って消えたらしい。
俺にはいろいろ質問させてくれたのに他の情報は残さなかったようだ。
現在は異世界の神ラミリアについての話でSNSで盛り上がっている。
ラミリアとはどういう存在か、なぜこの世界にダンジョンを作ったのか、この世界にとって敵なのか味方なのかなどなどいろんな考察がされている。
デマだと思う人、この世界を侵略する敵だと思う人、理由は分からないが味方だと思う人など様々だ。
そして誰よりも詳しいことを知っている俺がこのタイミングでラミリアについての配信をした。
「今日は今話題の異世界の神ラミリアについて俺が知る情報を話すために配信をします」
[待ってました!]
[気になります!]
「皆さんは何故、俺がそんな大事なことを話さなかったのか気になると思います」
[何故ですか?]
[情報の独占ですか?]
「まずいきなりこんな話をしてもこいつ何言ってんだ?と思われると思いこれまで黙っていました」
[なるほどw]
[確かにそう思うかもw]
「それで俺はラミリア様から中型ダンジョンを攻略した人に話すと言うことを聞いていたのでそれまで待っていました」
思ったよりも次の人が攻略するまで時間がかかった。
「これから話すことは、世界で初めて中型ダンジョンを攻略した俺だから教えて貰えたことです。それでは話します」
ラミリア様から聞いたダンジョンの事、何かがこの世界に攻めてくる事、大型ダンジョンを攻略できるくらいに強くならないといけない事など俺が知っている事を話した。
「俺が知っていることはこのくらいです」
[壮大な話になってきたな]
[その何かが気になるけど聞いている感じ今の人類では太刀打ち出来ないよな]
[これ世界の終わりじゃね?]
「今すぐ攻めてくるわけではないと思うので戦える人は少しでも強くなっていた方がいいですね」
[そうだよな!すぐには攻めてこないよな!]
[俺が世界の救世主になるしかないかぁ〜]
コメントを見るとみんな世界を守るために気合が入っているが俺は1つ重大な事を言っていない。
それは中型ダンジョンを攻略した俺でもラミリア様から無力だと言われたことだ。
ということは、もし何かが攻めてきた時に最低でもA級レベルの強さがないと太刀打ち出来ないということだろう。
それを今、ここで言ってしまえばみんな初めから戦うことすら諦めてしまう。
「俺はとりあえずまたラミリア様に会うために大型ダンジョンを攻略しに行くので応援よろしくお願いします!」
俺が配信を終えるとすぐに電話がかかってきた。発信者は橘さんからだ。
「はい、もしもし」
[急にすみません]
「いえいえ、どうされました?」
[今、配信を見ていましたがあれは本当ですか?]
「はい。本当です。今まで黙っていてすみませんでした」
[謝らないでください。今だから信じてくれる人もいたと思うので]
人類にとって重大なことを黙っていたのに怒られなかった。
それにまだ言っていないこともある。橘さんならこのことは言ってもいいだろう。
「いや謝らないといけないんです。実は配信では言っていないことがあるので」
[それはなんですか?]
「ラミリア様と話した時に俺は無力と言われたんです」
[それってつまり]
「はい。あの時の俺ですら攻めてくる何かと戦うのに戦力外と遠回しに言われたんです」
[嘘ですよね?]
橘さんのレベルになるとあの時の俺の強さがどれくらいなのか一般人に比べてより感じているだろう。
その俺でも無力ということは橘さんは一般人とさほど変わらないことになる。
[神崎さん。それを配信で言わないでくれてありがとうございます。きっとそれを知ったら生きるのを諦めてしまう人もいたと思います]
「俺もそう思います。橘さんはこれを聞いてどうしますか?」
きっと絶望しているだろう。ここで人類が終わるのを待つと言われても仕方ない。
[もちろん戦いますよ。私には戦わないといけない責務がある]
てっきり諦めると思っていた。こんなの誰が聞いても無理だと思う。
[戦力になるかは分かりませんがそれでも国民を守る盾にならないといけないんです]
「なぜそこまで体を張ろうとするんですか?」
[元々自衛隊に所属していた私は国民の生活を守るために入ったんです。ダンジョン省の偉い人間になってもそれは今も変わりません]
この人は根っからの正義感の強い人だ。
「でも今のままだと俺がいうのもあれですけど無力ですよ」
[分かっています。だから私もS級ダンジョンや大型ダンジョンを攻略できるくらいには強くなります]
「じゃあ守れるように強くなってください。国民を1人でも多く守れるように」
[はい!]
「それじゃあ頑張ってください」
[あ、ちょっと待ってください!]
俺は電話を切ろうとしたが止められてしまった。
「どうしました?」
[前に探して欲しいと言われていた1層がオークのダンジョンをアメリカで見つけました]
「本当ですか!?」
やっと他の大型ダンジョンが見つかった。シュリを元の世界に帰す手がかりを手に入れることが出来るかもしれない。
[もしかしてですけどここって大型ダンジョンですか?]
「そうです。でも他国ですか〜」
パスポートとかの準備がめんどくさい。
[もし行くのでしたら私が手配しときますよ]
「いいんですか?」
[それくらい任せてください!。準備が出来たらまた連絡しますね]
「はい!お願いします!」
家に帰りさっそくシュリに伝えた。
「そう。じゃあ用意が出来たら行きましょうか」
「分かりました。朱音〜」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「大型ダンジョンに行くから」
「おけ〜」
大型ダンジョンに行くことが決まったので行くまでに少しでもレベルを上げるために1人でダンジョンを回った。
数日が経ち、橘さんから連絡がきたので遂に明日からアメリカに向かう。




