3話 ボス戦
あれから俺は出口を探して同じ階層を3日間彷徨ったが下に行く階段しか見つからなかった。
俺は地割れで下に落ちたから上に上がれば出れると思ったが上に行く階段すらなかったのだ。
ということはダンジョンをクリアしないと出れないのかもしれない。
俺は出口を探すのを諦めて下の階に行くことにした。
この3日間でゴブリンを結構な数を倒したのでレベルは8になった。
やはり経験値1.5倍の効果が大きい。
俺は特に苦戦することなく5日で5階層に着いた。
ここまでゴブリンしか見てないがここはゴブリンしか出ないダンジョンなのだろうか?
まぁ流石にそんなことはないと信じたい。
5階層には大きい扉があり明らかにボス部屋という感じがする。
ボスだとしたら今のステータスで勝てるかな?
神崎蒼空 18歳 人間 レベル13
職業なし
HP 225/225 MP97/97
通常時
攻撃力 269(+200)
防御力 58
体力 63
敏捷性 67
魔法力 60
魔法耐性60
戦闘時
攻撃力 303(+200)
防御力 87
体力 94
敏捷性 100
魔法力 90
魔法耐性90
ユニークスキル
全属性魔法3
スキル
剣術4、暗視3、鑑定5、アイテムボックス5
称号
世界で初めてダンジョンに入場した者
世界で初めてスキルを使用した者
世界で初めてショップを利用した者
世界で初めて配信をした者
世界で初めてモンスターを倒した者
世界で初めてレベルアップした者
世界で初めてモンスターからドロップした者
装備
魔を払いし片手剣 攻撃力+200
仮面 物理ダメージ5%減
称号のおかげでステータスが1.5倍になっている。
剣の効果で攻撃力は高いから当たりさえすれば勝てるだろう。
「初めてのボス戦は配信もしておかないとな」
俺は仮面を着けて配信を開始し扉を開けた。中を覗くと大きいゴブリンと周りにゴブリンが5体いる。
「鑑定」
ゴブリン レベル10
HP90/90 MP10/10
攻撃力 45(+5)
防御力 40
体力 40
敏捷性 25
魔法力 10
魔法耐性15
ホブゴブリン レベル15
HP250/250 MP20/20
攻撃力 100(+10)
防御力 80
体力 80
敏捷性 50
魔法力 15
魔法耐性30
「あの大きいのはホブゴブリンか。周りのゴブリンも今までのやつよりレベルが高いな」
ここまで強いと配信の方に気を配れないな。しかし前回、視聴者が0だったからどうせ今回も誰も来ないだろう。
とりあえず周りのゴブリンを先に倒そう。
「スキルレベルとMPが上がった俺の魔法をくらえ!ファイヤーボール!」
前回は野球ボールくらいの大きさだったが今ではバスケットボールくらいの大きさになっている。
今の1撃でゴブリンの1体を倒すことができた。
4体のゴブリンは仲間が1撃でやられたことで動揺をしているようだ。
「グワァー!」
ホブゴブリンが叫びゴブリン4体が一気に突っ込んできた。
「まとめて倒してやるアイスバレット」
1粒1粒は野球ボールより小さいが範囲攻撃のため敵が多い時は使い勝手がいい。
ゴブリンに命中したが倒しきることが出来ず剣でトドメを刺していった。
「あとはお前だけだ!1対1の勝負なら負けないぞ」
「グワァーーー!」
ホブゴブリンは手下がやられたことで怒っているようだ。
ホブゴブリンがこちらに突っ込んで来た。
「ウィンドカッター」
ホブゴブリンの足を狙い撃ち当たったが少し切り傷ができる程度だった。
そのため動きを止めることが出来ず棍棒を振りかざしてきた。
「あっぶね」
なんとかギリギリでかわすことに成功しホブゴブリンと距離をとった。
「今のスキルレベルだと傷をつけるのが限界か」
魔法だと大したダメージが出ないので剣で戦うことにした。
「アイスバレット」
目眩しで放ち後ろに回り込んで切りかかった。
だが棍棒で防御されてホブゴブリンに攻撃が届かなかった。
「グワ!」
「うぅ」
こちらの体勢が崩れた所に蹴りを入れられ飛ばされた。
「一撃が重すぎるだろ」
今の一撃でHPが1/5ほど減った。あと4回攻撃をもらうと負ける。
再び距離を詰めて切りかかった。
「グァ」
敵は敏捷性が低いので攻撃をくらわないように立ち回り少しずつダメージを与えていった。
10回ほど攻撃をすると敵は虫の息になりトドメを刺した。
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『コインを100コイン獲得』
『世界で初めてボスモンスターを倒したことを確認。称号と特典の指輪を獲得』
〈称号の効果によりボスモンスターとの戦闘時ステータスが1.5倍〉
今回は武器に助けられただけでショップで買った剣で戦っていたらもっと時間がかかっていたしもしかしたら負けていたかもしれない。武器に感謝だ。
ボスの死体が消えた所を見てると魔石と宝箱が落ちていた。
「なんだあれ?」
俺は宝箱に近づき開けてみるとポーションが2本入っていた。
俺はポーションを鑑定して見る。
〈中級ポーション HPを300回復する〉
ショップに売っているポーションだがこれを買おうと思うと1本で5000コインなので当たり方だろう。
「なんとか勝ったし配信切るか」
配信画面を開くとそこには視聴者数20万の数字が見えた。
「え?」
俺は目を擦りもう一回確認したが20万だった。
[やっほー]
[お、やっと気づいたw]
[戦闘カッコよかったぞ!]
[何属性か魔法使っていたんですが何者ですか?]
コメント欄がすごいことになっていた。
「あ、えっと視聴ありがとうございました」
俺はびっくりしすぎて配信を切ってしまった。
「どういうことだ?」
今の配信のコメントを見るとゴブリンの戦闘動画から来ましたというコメントが多数あり前回のゴブリンと戦ったアーカイブを見ると再生数が500万回を超えていた。
コメントを見てみると「本当に世界にダンジョンが出来たんだ!」とか「魔法を使ってるぞ!」などのコメントがあった。
中には「国がダンジョンに入るのを規制しているのにどうして入っているんだ」などの注意コメントもあった。
携帯の充電もないし電波も繋がらなかったので日本がどうなっているか分からなかったがどうやら国はダンジョンがどういうところか調べるのに一般人の入場を禁止しているようだ。
自衛隊が調べているらしいが配信はされていないので一般人にはダンジョンがどういう所か分かっていなかったところに俺が配信や動画を残していたからバズったようだ。
他にもコメントを見てみるとダンジョンに入らなくても自分のステータス画面を確認できるようだ。
そのため魔法系のスキルを持っている人がごく僅からしく俺が何属性も使えているのがおかしいようだ。
「世界がこんなことになっているとは」
コメントでしか分からなかったがここ1週間くらいで色々あったようだ。
「それにしても俺が初めてバズった」
ダンジョンの動画を上げただけで500万回再生で配信をすれば何十万人の人が見てくれる。
「遂に俺の時代が来た!」
俺は配信者になってから初めての喜びを感じていた。
「やっぱりダンジョン系の動画はバズるんだ!」
しかも配信してるのは今だと俺しかいないらしい。
「今のうちに強くなって先に進んで配信をすれば俺はさらに人気になれる!」
1度この体験をすると逃したくなくなる。
「まずはこのダンジョンをクリアするまでは配信をしまくるぞ!」
モチベーションが上がりダンジョンクリアまでしたくなった。
「おい、シエルとか言うやつの配信を見たか?」
「はい」
「何種類かの魔法に剣での戦闘、一般人には見えなかった」
魔法はまだよくわかってないが剣の腕なら素人ではないだろう。
「そうですね。私たちですらゴブリンを倒すのがやっとなのにその上位種を1人で倒してますからね」
「そうだ。特殊部隊の俺たちが倒せない相手を倒しているんだ。こいつは何者なんだ?」
特殊部隊の隊長である俺ですらまだレベル4だ。この短期間でどれだけレベルを上げたのだろうか?
「調べましょうか?」
「仮面も被っていて素顔がわからないんだ。こいつに時間を使ってられん。俺たちは早く国民の安全を確保するためにダンジョンを調べないといけないんだ。」
「分かりました」
謎の配信者シエルこいつの正体をいつか明かしてやる。




