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27話 ようこそ異世界へ

 俺の家に向かう道中、シュリは街並みやバスや電車の交通機関、人の多さなどに驚いていたり興味を示したりして終始テンションが上がっていた。


「シュリ、ここが俺の家です」

「ここが蒼空の家なのね」


 俺の家はごく普通の一軒家だ。この家を残しているのは親と過ごした思い出がたくさん詰まっているし朱音が退院した時に実家があった方が安心すると思い残している。


「案内するので入ってください」


 玄関を開け家に入るのに靴を脱いでいたらシュリは不思議そうな顔をしている。


「どうしたんですか?」

「家に入るのに靴を脱ぐのね」


 不思議そうな顔をしていたのは意外なことだった。


「そうですよ。他の国では靴を脱がないで入る人達もいますけど日本では家の中は靴を脱ぎます」

「そうなのね。私の世界ではそんな文化が無かったから疑問に思ってしまったわ」


 シュリも俺に習って靴を脱いで家に入った。家に入りまずリビングに行った。


「まずここはリビングでご飯を食べる場所です」

「分かったわ」


 次は脱衣所に向かった。


「ここはお風呂ですね」

「お風呂!?お風呂ってあのお湯に浸かる場所よね?」

「そうですよ」

「お風呂があるって蒼空の家はお金持ちなのね」

「普通の家ですよ。この国ではお風呂がある事は普通です」

「そうなの!?あとで入っていいかしら?」

「いいですよ」


 あとはトイレやシュリに過ごしてもらう部屋の案内をした。


「このあとはシュリの生活用品を買いに行きましょう」

「別にあるものでいいわよ」

「ダメです。いつ元の世界に帰れるかも分からないので生活必需品は買います」

「分かったわ」

「お腹も空いたので食事も兼ねて買い出しに行きましょうか」


 俺たちが外に出て食事に向かった場所は全国チェーン店のファミレスだ。ここなら和食や洋食などいろいろ揃っているのでシュリが食べたい物もあるだろう。


「シュリは何が食べたいですか?」

「どれも見たことがない料理ばかりだわ。蒼空はどれにするの?」

「俺はこのデミグラスハンバーグに和食セットですね」

「じゃあ私もこれにするわ」

「これでいいんですか?いろんな料理があるので食べたい物食べた方がいいですよ?」


 せっかくならメニュー表と睨めっこして悩んで欲しい。


「この世界の料理はどれも美味しいからなんでもいいわ。それに蒼空が食べている物を私も食べたいわ」

「分かりました」


 俺はチェーン店では主流になっているタブレット端末から注文をした。

 

 注文をしてから10分程で料理が届いた。


「いい匂いね。それじゃあ頂くわね」

「どうぞ」


 シュリはフォークとナイフを手慣れたように使ってハンバーグを切り分けて1口食べた。


「ん〜美味しいわ。お肉も上質だしこのソースとも合っていて完璧ね」

「それはよかったです」


 お口に合ったようで美味しそうに食べている。メロンパンの時もそうだったがシュリはご飯を美味しそうに食べるので一緒に食事をしていて楽しい。


「デザートも頼みますか?」

「何があるの?」


 メニューを見せて1つ1つどういうものか説明していった。


「これは何かしら?すごく豪華に見えるわ」


 写真のインパクトもありシュリはパフェに興味を示した。


「これはフルーツやアイスクリームなどを層状に重ねた冷たいデザートですね」

「それにするわ」


 シュリのパフェと俺の食後のコーヒーを頼んだ。


 パフェが運ばれてきてシュリの前に置かれた。シュリは写真ではなく本物のパフェを前にして目をキラキラさせている。


「すごいわ!この絵で見るよりも華やかだわ」


 子供のようにはしゃいでいて可愛い。


「ん〜甘い!冷たい!美味しい〜」

「シュリって甘い物好きですよね」

「好きよ。って言ってもこっちの世界に来てから甘い物を食べるようになったから好きになったが正しいわ」


 前に聞いた話だがシュリの世界は魔王軍の侵略のせいで食糧を生産することが難しく人類は貧しいらしい。

 シュリが居た帝国は軍事に力を入れていたため食糧は軍に納められており平民は最低限度の食事だったようだ。

 そんな中で食事のクオリティーが高い訳がなく硬いパンや味の薄いスープが一般的だったようだ。

 

「他にもいろんなデザートがあるので好きなだけ食べてくださいね」

「有難いけどこれを食べたらお腹いっぱいよ」

「それもそうですね」



 俺たちは食事を終えて次はシュリの日用品を買いに行きたいところだが手持ちが少ないためダンジョンショップに一度行くことにした。


「ここにはいろんなアイテムが置いてあるのね」

「ちょっと要らないアイテムを売って来るのでちょっと待ってて貰っていいですか?」

「分かったわ」


 俺は受付へ行き店員さんに声をかけた。


「すみません。買取いいですか?」

「はい。あれ?前に来てくださった方ですよね?」


 受付の店員は前回、ここに来た時に買取を担当してくれた方と同じ人だった。


「よく覚えてますね。今回もお願いします」

「まぁ魔石を500個も売ってくださる方がいないので印象に残ってました」


(本当は鑑定した時のレベルとステータスが高かったので覚えていたんですけどね)


「今回は何をお売りになりますか?」

「そうですねこのアイテムっていくらになりますか?」


 俺が取り出したのはD級のアイテムだ。


「1つでよろしかったですか?」

「はい」

「鑑定しますね」


(この店で鑑定出来る人ってこの人だったんだ)


「お客様、これD級のアイテムでお間違いないですか?」

「はい」

「これだと金額が高いので振込をおすすめしますがどうされますか?」

「そんなにするんですか?」


 てっきり時間も経ったのでD級のアイテムくらいならそこそこ流通していると思ったがまだ結構な金額がつくようだ。


「このアイテムの効果ですと似たようなアイテムが300万程度で販売されているので買取ですと200万くらいになりますね」

「意外にしますね」

「はい。一応、現金手渡しも出来ますがいかがなさいますか?」


 買い物に200万も必要ないのでいりそうな分だけ現金で欲しい。


「あの150万振込の残り手渡しって出来ますか?」

「可能ですよ。手続きするのでこちらの紙にご記入お願いします」

「分かりました」


 手続きを終えて現金も手に入ったのでシュリの元へ向かった。


「お待たせしました」

「もう終わったの?」

「はい。それじゃあ行きましょうか」

「まずはどこに行くのかしら?」

「まずは服を買いに行きましょう」

 

 シュリの服装は日本では浮くのでその辺を買いに行きたい。




「すごい種類ね。どれを買えばいいのか分からないわ」

「俺も女性の服は選んだことが無いのでどうしましょうね?」


 人生で彼女が出来たことの無いのでこういうのに慣れていない。


「店員さんに選んで貰いましょう」


 俺は店員さんに声をかけて何着か見繕って貰った。


「こちらのサイズ確認のために試着室をご利用下さい」

「分かりました。シュリ、服の試着しに行こう」

「分かったわ」


 服を着替えたシュリが出てきた。


「蒼空、どうかしら?」


 シュリが着ている服は白のTシャツに黒のスカートというシンプルなコーデだ。


「すごく似合っています」


 いつもより大人っぽく見えてドキッとした。たぶん顔に出ている気がする。


「そう。じゃあこれ買うわ」

 

 他にも何着か試着して貰い試着した服をほとんど買った。


「これって今着ていくことって出来るかしら?」

「大丈夫ですよ。タグ切っておきますね」


 シュリは1着目に試着した服に着替えた。


「蒼空の反応が1番良かった気がしたから着替えたわ」

「そんなことないですよ。どれも似合っていましたよ」


 シュリにバレていたようだ。シュリは新しい服に着替えたからかご機嫌なようだ。


 他にも必要な物を買いに行っていたらこの日、1日が終わった。久しぶりに戦いを忘れて過ごした。


「明日はどうするのかしら?」

「うーん、1日家でゆっくりしても良いんですけど」


 他にやることがないか考えていたら、そういえばダンジョンを出たらキングスギルドのレックスを訪れることを思い出した。

 

「明日は会う約束をしている人がいるので会いに行きますがシュリはどうします?」

「私もついて行くわ」

「分かりました」


 明日は2人でレックスに会いに行くことが決まった。


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