24話 特訓
ハクアも仲間になりメンバーが増えたおかげで狩りも順調であっという間に60階層についた。
ハクアはまだ子供なのだがフェンリルなだけあってオーガくらいなら手助けなしで倒せてしまう。
「ハクア強いな」
「フェンリルだからね。これが大人になったらドラゴンと並ぶくらい強くなるわよ」
「それってどれくらいの強さですか?」
「S級冒険者が最低5人で個体によっては私たち勇者パーティーじゃないと倒せないわ」
「本当ですか!?」
「やっとフェンリルの恐ろしさを知ったのね。まぁもう契約しちゃったから手遅れだけど」
今更だけどとんでもないものと契約してしまったようだ。
「もうすぐ60階層のボスだけどどうします?いつも通りに俺とハクアが前衛でシュリが後衛をやります?」
「流石にボスってなるとハクアが強いとは言え前衛にするのは危ないと思うから2人で戦いましょう」
「分かりました」
俺たちはボス部屋に入った。ボスは蛇系のモンスターだ。
「サーペントね。噛まれると猛毒になって死ぬから気をつけて」
「分かりました」
サーペント レベル75
HP3400/3400 MP1300/1300
攻撃力 1300
防御力 1400
体力 1280
敏捷性 1000
魔法力 1100
魔法耐性1400
スキル
毒霧6、毒牙6、かみつく6、体当たり6
強さはA級くらいの強さだ。
俺はサーペントの噛みつきに気をつけながら剣で攻撃をした。
「蒼空!毒霧がくるから下がって!」
俺はシュリに言われた通りにサーペントから距離をとった。
サーペントはシュリが言った通りに毒霧を吐いてきたが距離をとっていたので大丈夫だった。
「シュリありがとうございます」
「モンスターには攻撃してくるときに何かしらのモーションがあるからそこもよく見なさい」
「はい!」
俺は再びモーションにも気をつけながら剣で攻撃を与えていった。
サーペントを見ると毒霧を吐くタイミングで少しためがあることに気づき、これがシュリの言っていた攻撃のモーションだと分かった。
毒霧のタイミングが分かったお陰でさっきよりも立ち回りやすくなった。
「トドメを刺すわ!離れて!」
「はい!」
「雷龍」
シュリは雷で龍を作り出しサーペントにトドメを刺した。
「最後の方は良かったじゃない?きちんとモーションに気づいて動けていたわ」
「ありがとうございます。今までは相手に攻撃されてから動いていたので無駄に攻撃を防御する必要がありましたがそれがなくなりました」
「攻撃されてからでは後手に回ることになるから気づけてよかったわ」
「あと聞きたいんですけど最後の雷龍ってどうやってるんですか?俺知らないんですけど」
ダンジョン配信者のいとはって人もオリジナルの魔法を使っていたがからくりをまだ分かっていない。
「あれは創造魔法っていうスキルがいるのよ」
「そうなんですか?」
「創造魔法があることによってイメージで魔法を作り出せるわ」
「そのスキルがあれば属性は関係ないんですか?」
「もちろん自分が使える属性の魔法だけよ。あくまで創造魔法は魔法の形を変えているだけなんだから」
俺の場合、そのスキルを持っていると魔法の幅がさらに広がることになる。
「俺でも覚えれますか?」
「特訓すれば覚えれるわ」
「どういう特訓ですか?」
「そもそも魔法ってどうやって使えるようになるか分かるかしら?」
「魔法の書で覚えるとかですか?」
「それもあるけど本来、基本属性の魔法なら努力で使えるようになるのよ」
「え?」
てっきり魔法は魔法の書を使わないと使えれないと思っていた。
「じゃあどうやって覚えるんですか?」
「まず体内の魔力を感じることね」
「体内の魔力?」
「そう。体内の魔力を手のひらに集めて火のイメージをすると火が出るわ」
「どの魔法でもそうなんですか?」
「攻撃魔法として使えるかどうかは適性もあるけど生活魔法レベルならこれでいけるわ」
今の説明だと誰でも魔法が使える気がする。
「私の世界では生活魔法は使えて当たり前。攻撃魔法は適性があれば鍛えて覚えるわ。例えば生活魔法のファイヤーをファイヤーボールにして使えるようになれば火魔法1を覚えるって感じね」
「なるほど」
「でさっきの話に戻るけど創造魔法はこの過程の延長線なの」
「どうするんですか?」
「蒼空は魔法が使えるから手のひらにファイヤーを出してイメージで形を変える練習からね。いきなり攻撃魔法でやっても難しいから時間がかかるわ。まずは簡単な魔法でやるのが1番ね」
「分かりました。やってみます」
俺はさっそく手のひらにファイヤーを出して火を星の形にするイメージをした。
俺的には目を瞑りながらする方がイメージしやすいのでそうしている。
「イメージしている形にする過程もイメージすると成功しやすいわよ」
「分かりました」
まず火をファイヤーボールのように丸くする。そして丸を凹ませていって星の形に近づけていく。
「蒼空、目を開けてみなさい」
俺は目を開けて火を確認してみた。
「出来ているわよ。1発で出来るなんて凄いじゃない」
「本当だ!出来てるよシュリ!」
綺麗な星の形になっているかと言えばなっていないが不格好だが星になっている。
「第一段階はクリアね。次は綺麗な星の形になるように特訓よ」
俺は綺麗な星の形になるまで練習を重ねた。
「よし出来た!」
綺麗な星を作るまでたぶん5時間くらいかかっただろう。
途中から集中しすぎて瞑想と変わらなかった。
『スキル創造魔法1を獲得』
「シュリ創造魔法のスキルを獲得しました!」
「やったじゃない。あとはスキルレベルを上げていけば私みたいに上級魔法の形を変えれたりするわよ」
「先が長そうですが頑張ります」
それからさらに実践レベルで使えるように初級魔法から初めて1週間ほどでレベル3にまでになった。
「ここ1週間、先に進まずにずっと練習してレベル3かぁ」
「いや早い方よ。普通ならやっとレベル2になるくらいよ。逆にどうしてそんなに早く上がるのよ」
「称号の効果ですね」
「また称号ってそんなに多く持ってないのにどういうことよ?」
シュリの世界眼でもそこまで詳しくは調べられないから不思議なのだろう。
「それはワールドビギナーって称号があるじゃないですか?」
「あるわね」
「このワールドビギナーに10個分くらいの称号が統合されてこれ1つになっているんです」
「本当に?じゃあ実際は15個くらい称号があるってわけ?」
「そうです」
「もう驚かないわ」
もう1ヶ月くらい一緒にいるせいで初めはびっくりしていたが今では呆れに変わっている。
「流石にもうここに止まっていられないので先に進みましょうか」
「そうね」
ここ1週間の遅れを取り戻すようにいつもより早めに進んでいった。
ついに話のストックが無くなりました




