23話 可愛い相棒
「シュリ。全属性魔法のレベルを上げるにはどうしたらいいですか?配信で言っていたように魔法をたくさん使うことはやっているんですがなかなか上がらなくて」
「蒼空のレベルになると上がりにくいのは当然だしこの前言ったけど蒼空は例外だからね」
「それは分かっているんですが何かいい方法ないですか?」
今の所エリクサーが手に入る見込みが全然ないので魔法の方もレベルを上げれるなら上げておきたい。
「私の予想だけど全属性魔法っていろんな魔法が使えるから特定の魔法しか使っていなかったら魔法をあまり使ってないのと同じだと思うの」
「なるほど」
つまり通常、火魔法のスキルならファイヤーボールやファイヤーランスなどを使いこめばレベルが上がるのだろうが全属性魔法は全てを使えるので色んな属性を満遍使わないとレベルが上がらないのだろう。
「じゃあいろいろ魔法を使っていきたいと思います」
「それがいいと思うわ」
さっそくデュラハンが使っていた魔法で気になっていたのがあったので試してみようと思う。それは召喚魔法だ。
「俺って召喚魔法も使えるんですよね?」
「使えると思うわよ」
「召喚魔法について教えてください」
「分かったわ。召喚魔法には2種類あるわ。契約するパターンと契約なしで召喚するパターンね」
「どう違うんですか?」
「契約する方は契約が出来たらMPなしで呼び出せて契約なしの方は召喚するたびにMPを消費しないといけないわ」
デュラハンが使っていた召喚魔法はMPを消費して召喚していたので後者だ。
「それぞれメリット、デメリットってあるんですか?」
シュリは詳しくメリット、デメリットを教えてくれた。話をまとめるとこうだ。
契約あり
メリット
・初めて召喚する時にMPを使うが契約後はMPなしで召喚することができる。
・召喚したモンスターを育てて強くできる。
・契約したモンスターの力を一部授かる。
デメリット
・死んでしまうと2度と召喚できない。
・1度に契約できる数が限られている。
契約なし
メリット
・何体でも召喚できる。
・何回でも召喚できる。
デメリット
・召喚するたびにMPを消費しないといけない。
・MPの消費量に対してモンスターの強さが変わってくる。
個人的には契約して育てたいから召喚するなら契約する方だ。
「どうやって契約するんですか?」
「契約には召喚されたモンスターに気に入られないといけないわ。例えば餌付けをするとか強者にしか興味がないモンスターだったら自分が強いことを証明するとかね」
そこんとこは実際会ってみてから試すしかなさそうだ。
「仮に失敗するとその召喚されたモンスターを再び召喚することはできないわ」
「1発勝負ですね」
「それで気に入られたら名前をつけて契約完了よ。契約さえできればいつでも呼び出せるわ」
とにかくどれだけ気に入られるかが重要だ。
「召喚って強いモンスターを呼ぶことって可能ですか?」
「出来るわよ。召喚する時の魔法陣にMPを注げば注ぐほど強いモンスターが召喚されるわ。」
「じゃあ呼んでみようかな」
「ただ召喚されたモンスターが強かったら暴走した時に止められる?」
強さにもよるがシュリもいるしなんとかなる気がする。
「俺だけで止めれなかったらシュリも手伝ってくれますか?」
「えー」
「メロンパンはこの前渡してないけど他の菓子パンをあげるから」
「それならいいわよ」
「ありがとうございます!」
パンで買収できるなんてチョロすぎる。
「召喚するときはサモンって言ってから魔力を注ぎなさい」
「分かりました」
俺は地面に手をついて魔法名を言った。
「召喚!」
魔法陣が出てきたのでそこに魔力を全力で注ぎ自分のMPが空になったのでさらに指輪のMPも使い始めた。
「シュリ、これって他者が魔力を注ぐことって出来るんですか?」
「え?やったことある人を知らないから分からないわ」
「試しに注いでくれませんか?」
「面白そうだしいいわよ」
シュリも俺の隣に座り魔法陣に魔力を注いでいった。
シュリは魔力が多いため少し時間がかかっている。その間に俺の魔力が回復するのでそれも注いでいった。
「今、どれくらい注ぎました?」
「3000くらいかしら」
「俺も2000くらいは注ぎました」
そう話していたら魔法陣の色が変わりスパークを放ち出した。
「これまずいんじゃない?」
「やばそうですね」
俺たちは顔を見合わせてアイコンタクトを取り注ぐのを辞めた。
辞めた途端に魔法陣から眩しい光を放ち出した。
「眩し!」
「来るわよ!」
眩しかった光はだんだん収まり姿が見えてきた。
「ワォー〜!」
光の中から現れたのは狼だった。狼の大きさは柴犬くらいで毛色は綺麗な純白だ。
「狼が出てきたね」
あれだけMPを注いで現れたのが狼だったので肩透かしだ。
「・・・・」
「シュリ?」
シュリを呼んでも反応がない。
「蒼空あれは狼じゃないわ」
シュリを見ると驚きと恐怖が混じったとような顔をしている。
「あれはフェンリルよ。初めて見たわ。」
「え?」
俺は急いで鑑定してみた。
フェンリル(幼体) レベル10
HP1000/1000 MP800/800
攻撃力 520
防御力 500
体力 550
敏捷性 580
魔法力 550
魔法耐性500
スキル
風魔法5、氷魔法5、雷魔法3、かみつく5、ひっかく5
「フェンリルですね」
「なんでそんな冷静なのよ!幼体とはいえフェンリルよ!しかも召喚魔法でフェンリルが出てくるなんて前代未聞よ!」
フェンリルといえば異世界ものだと伝説のモンスターのイメージだがシュリの反応を見るにそうなのだろう。
「とりあえず契約できるかやってみますか」
「呑気ね。蒼空を見てると驚いていた私が馬鹿みたいじゃない」
「俺はフェンリルの凄さが分かってないだけですよ」
知らないが故の余裕だったのだ。
フェンリルは召喚されてからまだ俺たちを攻撃してきてないという事は敵意はなさそうだ。
「フェンリルは知能が高いから本能的に私たちには勝てないと判断したんじゃないかしら」
「そうなんですね。フェンリル〜俺たちは敵じゃないよー」
俺は両手を上に上げて敵じゃないことをアピールした。
「ワン!」
言葉が通じているのかフェンリルは威嚇をしてこない。
「フェンリル、俺と契約してくれないかな?」
「ワン!ワン!」
鳴いたあとに首を横に振ったので契約はダメっぽい。
「そんなんじゃ無理に決まってるでしょ。フェンリルはプライドが高いと言われているから簡単には契約できないわよ」
「やっぱり何かしないといけないかぁ」
俺はアイテムボックスからフェンリルが好きそうな食べ物をいくつか出した。
「まさかフェンリル相手に餌付けする気?」
「そうですよ」
シュリは信じられないって顔をしている。
俺はまずジャーキーを手に取りフェンリルに近づいた。
「フェンリル、これ食べる?」
フェンリルはジャーキーの匂いを嗅いで大丈夫と判断したのか1口で食べた。
「美味しいか?」
「ワン!」
尻尾を振っているので美味しかったようだ。
「契約してくれるか?」
再び首を横に振られたので駄目なようだ。それならと自分へのご褒美用に買った和牛のステーキをここで使うことにした。
「なにそのお肉は?」
「牛の肉です。それも日本で育てられた牛なのですごく美味しいですよ」
俺はフライパンを出してステーキを焼き始めた。
「いい匂いね。私も1口貰えないかしら?」
「ちょっと待ってくださいね」
フェンリルもステーキの焼けている匂いを嗅ぎ食べたいせいかよだれが垂れている。
「フェンリルこれが食べたいか?」
「ワン!」
「上げてもいいけど契約してくれるか?」
さっきまですぐ首を横に振っていたがステーキを前にして横に振るのを躊躇している。
「いいのかな?契約しないと食べちゃうよ」
俺は切り分けた一切れをシュリに食べさせた。
「んー!何これ!美味しすぎる。お肉なのに柔らかくて全然噛まなくても食べれちゃうわ。それに赤身と脂身のバランスがいいわね」
シュリが美味しそうに食べているのを見てフェンリルは心が負けそうになっている。
「フェンリル早くしないと無くなっちゃうよ」
もう一切れシュリに上げた。
フェンリルは我慢できずにステーキを食べようと近づいてきたが皿をフェンリルから離した。
「クゥーン」
フェンリルが泣きそうな顔でこちらを見てくる。この顔を見るとあげたくなるが我慢だ。
「フェンリル最後に聞くよ?契約してくれるか?」
「ワン!」
結局、我慢に負けて契約してくれるようだ。俺はフェンリルの目の前にステーキを置いた。
フェンリルは待ってましたとばかりに肉にかぶりついた。
「ワォ〜〜ン」
相当美味しかったのかジャーキーの時とは比べものにならないくらい尻尾を振っている。
あっという間にフェンリルはステーキを食べ終わった。
「蒼空、このタイミングで言う言葉じゃないかもだけど鬼畜ね」
「ごもっとも」
自分でも酷いことをしている自覚はある。あるがなんとしてでもフェンリルと契約したかった。
「フェンリル美味しかったか?」
「ワン!」
「それなら良かった。それじゃあお前に名前をつけるぞ?」
「ワン!」
「なんて名前にしようかな?」
「そもそもこの子はオスなの?メスなの?それによっても変わるわよ」
「確かに。フェンリルお前はオスか?」
首を横にふった。
「メスか?」
「ワン」
「メスらしいですよ」
毛が純白だから白を連想する名前にしたいしメスなので可愛い名前にしたい。
「うーん。白といえば雪かな?でもユキは安直な気がするし白、ハク・・・そうだ!ハクアなんてどうだ?」
「ワン!」
尻尾を振っているので名前が気に入ったみたいだ。
「ハクア、これからよろしくな!」
「ワン!」
『フェンリル(幼体)と契約しました」
『伝説級のモンスターとの契約を確認。称号を獲得しました。」
「きちんと契約できたみたいです」
「よかったわね。さっそくステータスを見てみなさい。変わっているところがあるから」
「分かりました」
神崎蒼空 18歳 人間 レベル92
職業 賢者 加護 ラミリアの加護
HP 1835/1835(+150) MP1055/1055(+150)
攻撃力 1014(+350)
防御力 895(+250)
体力 906(+250)
敏捷性 919(+250)
魔法力 1195(+350)
魔法耐性1095(+250)
ユニークスキル
全属性魔法6
継承3
スキル
武器系
剣王2、棒術9、武王1、槍術9、弓術9、斧術8、短剣術9、盾術8、刀術8、鎌術8
魔法系
並列思考5、無詠唱4、合成魔法3
補助系
暗視6、気配察知6、魔力感知5、隠密9、縮地5、身体強化(極)1、体当たり3、覇気3、再生1、模倣1、飛行2、狂戦士6、統率4
その他
鑑定8、アイテムボックス6、コインチェンジ1、錬金1
耐性
物理耐性2、魔法耐性1、毒耐性1、恐怖耐性1、状態異常耐性4(契約中)
称号
ワールドビギナー
試練をクリアせし者 全ステータス+50
殺戮者
ゴブリンキラー
神狼の主人
装備
魔を払いし片手剣 攻撃力+200
魔力回復の指輪
疾風シューズ 敏捷性+100 体力+100
漆黒の外套 防御力+100 魔法耐性+100
覇王の仮面 全ステータス+100
魔晶のネックレス 魔法力+200
契約中
フェンリル(幼体)
「契約中って欄と耐性が増えています」
「増えている耐性はハクアの力の一部授かっている状態ね」
「これがそうなんですね」
「ハクアが強くなればまた新しい力を授かれるわよ」
「そうなんですね。ハクア一緒に強くなろうな」
「ワン」
蒼空はパートナーを手に入れた!




