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National Battle Online  作者: あいく
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 楽しい時間はすぐ過ぎてしまうもので、今日は『National Battle Online』生放送当日だ。

 生放送までまだ時間はあるが、私は荒井さんに案内されアジェルシア12階にあるVRルームに足を運んでいる。


「こちらが今回ソフィアさんにダイブしてもらう特殊ポッドです。市販のポッドとは違い処理速度がかなり高くなっており、普段お使いのポッドよりもラグを感じることがないクリアな動作が出来ると思います」


 紹介されたポッドに視線を向け観察すると自宅や家電量販店、通販にあるものと違い、サイズが大きく見た目がごついく、処理速度が速いのも頷ける。


 私が観察していると荒井さんが話しかけてくる。


「本番前にチェックを行っておきたいので、ダイブをお願いします。あ、出来れば吸血鬼の状態でしていただけると助かります」


 ポッドに入り意識を切り替え起動セリフを言う。


「ダイブスタート」


 --------------


 いつもの電脳世界に行く感覚が身体をめぐり、地面に降り立つ感覚を感じ目を開く。

 目の前に全身銀色のロボットが立ち並んでおり、周りを見渡していると通信が入る。


「ソフィアさん無事ダイブできたみたいですね。今から戦闘訓練プログラムを起動しますので、何か違和感等ありましたらお申しつけください」


 通信が切れると空中にカウントダウンが浮かぶ。腰にあるFN F2000を抜き放ち構え開始を待つ。

 カウントが0になりロボットたちが動き出し、こちらを囲むように機敏な動きで迫りくる敵に銃口を向け撃ち放す。

 数発は回避されたものの最前列にいた敵を10体ほど倒した。どうやらHP自体はそこまで高くないようだ。


 囲まれないように距離を稼ぎつつ、ロボットの腕から発射される銃弾を回避、または撃ち落とし的確に反撃していく。

 攻撃の応酬が続き敵の数は半分ほどになるが、こちらに向かってくる勢いは止まず壁に追い込まれる。


 普段使っているポッドでは処理速度が速いとはいえわずかなラグがあるためやらないが、このポッドに潜っている今なら試せるかな。


 私は壁に向かうようにスピードを上げて走り、壁に到達するとそのまま壁を駆け上がり天井の半分ほどの高さまで上がると、壁を蹴り敵の真上に頭を下にするように飛んだ。


 空中から下にいる敵の位置を全て認識し、FN F2000装弾数30発の5.56x45mm NATO弾を1発ずつ正確に敵の頭に撃ち込んでいく。撃ち切った銃を手から離し、着地すると同時に腕に仕込んであるナイフを両手に持ち、残り少なくなった敵に向けて切りかかり殲滅する。


「このポッドすごいわね。脳からの指示に対するラグを感じないし、認識する速度も現実とほぼ変わりなくできるわ」


 軍服調のワンピースをはためかせ、アクション映画の様な動きをしたソフィアは、優雅な顔つきを変えずにポッドに対する感想を漏らしているが、液晶で戦闘を見ていたスタッフたちは驚愕している。

 訓練用のためHPが少なめに設定されているとはいえ、クリティカル判定でないと1発で倒せない設定にしてあるのに、大量の敵から撃たれる銃弾をくらわず正確な攻撃によって倒していく光景は、普段から開発にかかわっている人物だからこそ驚いている。


 使用した武器を仕舞っていると通信が入る。


「えっと、戦闘お疲れさまでした。感想は現実世界の方で聞くので、ログアウトして大丈夫です」


 ログアウト指示が出たのでメニューを開きログアウトのアイコンをタップする。


 --------------


 現実世界に戻ると同時に意識を元に戻しポッドの扉を開け外に出る。


「ソフィアさんお疲れさまでした。前回のイベントでものすごい戦闘技能をお持ちなのは把握していたのですが、私含むスタッフたち全員驚いてしまいました。それで、特に違和感とかはなかったですか?」


「はい、脳からの指示に対するラグを全然感じないし、ほぼ現実と大差なかったです」


「それは良かったです。今の戦闘記録を参考にして細かい調整を行うので、この後の本番ではよりやりやすいと思います」


 今でも十分な感じだったのにさらに調整してくれるようだ。それだけのことを少ない時間でできるスタッフたちはかなり異常である。さすがこれだけのゲームを作り上げる会社なだけあるというべきか。


「ちょうどいい時間ですしお茶を取りますか。食堂にご案内しますね」


 荒井さんに先導されVRルームを出てエレベーターに乗り、2階にある食堂に案内される。食堂内は綺麗で広く、まさに大企業の食堂って感じがする。


「経費で落としますのでどうぞ好きなものを頼んでください。1時間後迎えの者を向かわせるので、こちらでお休みください。それでは失礼します」


 そう言うと食堂を出て姿が見えなくなり、私は食堂の入り口でメニューを見る。さて、どれにしようかな。


 悩んでいると声がかかる。


「おっとそこの少女よお悩みかな? 私がおすすめを教えてあげよう」


 声に振り返ると見事などや顔をしている20代前半くらいの女性がいた。なんか既視感あるなぁ。

急激にブックマーク増えててびっくりしました。さらに評価ボタンも押してくださる方もいて感謝です。


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