20
何回目かのピピピというアラーム音が聞こえ目を覚ます。眠たい眼を擦り欠神をして体を伸ばし、時計に視線を向けると驚愕する。
「……あ、もう11時か。」
ある程度覚悟はしていたが、やはり昨日の戦闘で受けた負担が影響しており、複数回鳴っていたアラームに気づかないほど熟睡していたようだ。
メッセージアプリを確認すると、今学校に行っている幼馴染からのメッセージが数件入っている。体調を心配するような言葉が多かったが、寝起きで頭が回っていないのもあり既読スルーし、シャワーを浴びに行く。
朝のルーティンを済ませた後パソコンを起動し、昨日来ていた運営からのメールに出演する旨を送り、リビングのソファーでぼーっとする。
吸血鬼としての力は絶大であるものの、まだその力のすべてを使いこなせていないのに加え、昨日の戦闘では無理やり力を使ったためだるさが尋常ではない。
ソファーでだらけているとスマートフォンに電話がかかってくる。
「はい、もしもし」
「もしもし、わたくしNational Battle Online開発部兼広報部の荒井誠と申します。ソフィア様のお電話番号でお間違いないですか?」
どうやら起きてすぐに送ったメールを見て、運営がさっそく電話してきたようだ。
「はい、間違いないです」
「ありがとうございます。今お時間大丈夫ですか」
「はい、大丈夫ですよ」
「では要件ですが、この度出演していただく生放送の打ち合わせに本社にきていただきたいのですが、直近だといつ頃来られそうですか」
平日は講義があるからいけないし、まとまった時間を取るなら土日かな。
「今週の土日ならいつでも時間が取れます」
「かしこまりました。では、土曜日の14時に本社受付までお越しください。詳細は後ほどメールにて送らせていただきます。質問等ございましたらお気楽にメール、電話でお聞きください。それでは失礼いたします」
言い切ったのを確認してから電話を切り、スマートフォンを放り投げ思考する。National Battle Onlineの運営を行う会社は東京都豊島区にある池袋にあるため、埼玉県在住の私は1時間ほどで池袋駅まではいけるだろう。時間があればそのまま買い物をしてもいいかもしれない。そう思いながら私は睡眠についた。
ピンポーンとチャイムが鳴る音で目を覚ます。眠気があるもののソファーから立ち上がり、ドアホンの画面を覗くと一人の少女が映っている。
「……何か用?」
「何か用じゃないですよ。講義にいないから連絡したのに、返事を返してくれないですし。体調は大丈夫ですか? いろいろ買ってきたので開けてください」
画面に映る少女は1歳のころから付き合いのある私の幼馴染で、名前は神白愛衣という。近くにある教会の神父の娘で、背中の中ほどまである艶やかなブロンドのストレートに、清楚ながらも可愛らしさを感じる顔つきとウォーターブルーのぱっちりとした瞳、体つきはとても女性らしい形をしていて、その体をシンプルな白いワンピースと薄いピンクのカーディガンで包み、手にはスーパーの袋を下げている。
ため息をつきつつ玄関に向かいカギを開けてドアを開く。
「真白ちゃんこんばんは。さぼりかと思いましたけど、本当に体調が悪そうですね」
「自分が行きたくて受けた学校なんだからさぼるわけないだろ」
「ふふ、真白ちゃんは真面目さんですもんね。美味しいもの作るので上げてください」
疲れが取れていない状態で断るのもめんどくさく、素直に家に上げると愛衣はキッチンに向かい冷蔵庫に食材たちを仕舞う。
「もう少し寝たいから適当な時間に起こして」
「わかりました。真白ちゃん、後でお話がありますからね?」
何か聞きたくないことが聞こえたが眠って忘れることにする。
今回はかなり短めです。次回更新はなるべく早くします。
ブックマーク登録ありがとうございます。




