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カウントダウンが0になるとイベント参加者は転送する。
転送が終わり目を開き、周りを見るとどうやらここは砦の中らしく、周りにたくさんのプレイヤーたちが集まっている。装備確認しつつ待機していると、前方から全身鎧に包んだ男性の野太い声が響いてくる。
「諸君、この度はよく集まってくれた。今砦の向こうでは数えきれないほどのモンスターたちと、それ統率する者の姿が確認されている。砦に迫るモンスターと統率者の討伐が目標だ。万が一突破され砦が破壊された場合クエスト失敗となる。厳しい戦いになると思うが、皆の健闘を祈っている」
セリフが終わると同時にプレイヤーたちの叫び声が聞こえる。やる気十分のようだ。
『システムアナウンス。これよりイベントクエスト"襲来の始まり"を開始します。クリア条件は敵の殲滅、ならびに統率者の撃退です。敗北条件は砦の破壊になります』
アナウンスが終わると前方の扉が解放され、我先にとプレイヤーたちが飛び出していく。さぁ、戦いの始まりだ。
扉の奥にあった場所は草木が枯れ果てており、全体的に暗い雰囲気に包まれている。
クエスト開始から20分ほど経った今各地で戦闘が起きており、最前線では多数のモンスターに囲まれる戦闘が多く、様々な攻撃が飛び交い多数のプレイヤーたちが砦にリスポーンし戦場に戻るということを繰り返している。
私は現状前線には加わらず、中衛という比較的安全な位置から正確な射撃で敵を倒している。
前線のプレイヤーたちは徐々にやられていっており、中衛にいたはずのプレイヤーたちは前衛に加わることになる。私も例外ではなく、前衛になったことで敵との距離が縮まり囲まれる状況になる。
殲滅力を高めるためFN F2000を握り敵を倒してはいるが、通常エリアでは出てこなかった初見の敵が多く、なかなかペースは芳しくない。
今確認できているモンスターでも5種類以上はおり、ファンタジーで定番のスライムやゴブリン、空を飛ぶ鳥型のモンスターやゾンビなど様々な敵が絶え間なく襲ってくる。また攻撃手段も多く、剣や銃、弓、魔法などはもちろんのこと、ブレスや衝撃波など今までになかった攻撃があり、最初のイベントクエストとは思えないくらいの苦戦をプレイヤー達は強いられている
まだ始まってから時間もそんなに経っていないのに、このままじゃ消耗する一方だな。周りのプレイヤーたちは健闘しているが、倒す量に対し増援の量が多いため苦しい状況である。
自身はなんとか攻撃を躱し現状体力は満タンの状態だが、いつ集中力が切れるかわからない状況はかなりよろしくない。だれか指揮をしてくれる人がいればマシなんだけど。
その後も絶え間ない戦闘が続き、2時間は経っただろうか。私の集中力も切れ始め、ダメージをもらうことが増えてきている。
突然フィールドに大雨が降り始め、敵が前線を下げ後ろに引いていく。なんだ? と疑問に思いつつも引いてくれるのはありがたく、疲労が溜まっていることもあり、自然とプレイヤーたちは一旦砦へと下がる。
砦に着くとプレイヤー同士で集まり会議をしているのが目に入る。このままではクエスト失敗になる可能性のが高いため、統率する人を決める案に賛同している声が聞こえる。
会議が終わり、代表になったものが数人のプレイヤーに指示を出し、大勢いるプレイヤーたちを見事に統率し作戦を伝えていく。
いざ再出陣というところで雨が止み、砦の見晴台で警戒していたプレイヤーからモンスターが進行してきていると報告を受ける。どうやら第二ラウンドの開始のようだ。
作戦の通り射撃職である私は中距離から攻撃し、前衛に近づく敵をけん制している。戦場では指示する声が飛び交っており、現状はかなり順調に進めている。仕方ないとはいえ個別で動けないのはつまらないな、何か起きないだろうか。
不吉なことを考えていたからだろうか、前衛の近接職たちから悲鳴があがる。どうやら罠が仕掛けてあったらしく足を止めることになってしまったプレイヤーは、迫りくるモンスターたちに蹂躙されポリゴンとなっている。前線が崩れた結果大量のモンスターたちが中衛、後衛に向けて迫りくる。これはうれしい誤算だ。
私は武器をGLOCK17とナイフに持ち替えると、意識を集中させ前方の敵を見据える。思いっきり暴れよう。
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次回更新は20日中に行います。




