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イベント当日、心地の良い朝日の光を浴び私は起床する。いつものルーティンを済ませ、朝食はスコーンとジャム、紅茶を用意し手早く食事を済ませる。
本日は講義もないためイベント開始まで時間がたっぷりとある。普段あまり見ない動画などを見て時間を潰していると、動画の横に表示されるおすすめ欄に気になるタイトルを見つける。
「えーと、『フリューセルにて姫を守るドS美少女』ってもしかして私?」
動画を開き再生すると、昨日フリューセルで行った対戦とその前のやり取りが流れる。動画では様々なコメントが流れており、ほとんどが驚愕しているコメントで溢れている。
どうせ目立つならもっと強い敵と戦っているときがよかったな。下種な相手だったから、吸血鬼の状態はただでさえ煽りがちなのに、余計に煽りが増してたし、口にナイフを刺されて泣いている男の映像はなかなかショッキングだったかもしれない。
NBOでは現実にくる痛みを再現しており、レベルを下げれば痛みも来ないがダメージをくらった際に気づきにくいデメリットがあり、逆に上げた場合は痛みの代償に細かいことにもきづきやすくなるため、大半のプレイヤーはレベルをデフォルトのままにしている。
コメントではいろいろ言われていたけど、吸血鬼特有のゲーム外の能力がばれなかったのは幸いだったな。
これがあいつにばれたらまたしつこく説教されてしまうし。幼馴染である同い年のシスターの顔が浮かび上がり思わず顔をしかめる。
思わぬ時間のつぶし方をしてしまったが、間もなくイベント開始まで1時間前となったためゲームにログインする。
「ダイブスタート」
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いつものワープするときの独特な感じが終わり目を開くとフリューセルには大量のプレイヤーたちが集まっている。ボスの弱体やイベント前の駆け込みの効果もあり、ここまでたどり着いたプレイヤーがかなり増えたようだ。
近くの椅子に座りイベントの準備確認を行っていると、周りのプレイヤーたちからひそひそとこちらを見て何か言っているのがわかる。絶対動画のことだよ。私は憂鬱になりそうになっていると聞き覚えのある声がかかる。
「ソフィアさんこんにちは! 先日はありがとうございました。あの、上げられてた動画見たんですけど、あまり気にしないでくださいね? 私の親衛隊たちに頼んで嫌なイメージがつかないように動いてもらってるので安心してください」
顔を上げるとチェリーが心配そうな顔を浮かべこちらを見ていた。傷心の私を気遣ってくれているようだ。
「チェリーさんありがとう。周りの反応はめんどくさいけど、我慢できないほどじゃないよ」
「そうですか? それならいいんですけど」
その後軽い雑談をして別れ、イベントの開始を待つだけというところでシステムアナウンスが流れる。
『システムアナウンス。10分後イベント参加者のプレイヤーたちを専用フィールドへと転送します。イベント参加中は通常マップに戻ることは出来ないのでご了承ください。』
アナウンスの内容を聞きプレイヤーたちが盛り上がる。さぁ、どんな敵が出てくるのか楽しみだ。
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次回更新は17日中に行います。楽しみにしていただけると幸いです。




