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次の日いつものようにログインし、町の外に出ようとすると見覚えのある女性プレイヤーが一人誰かを待つように立っているのが見える。
こちらに気づいたのか息を切らせながら走ってくると目の前で止まる。
「はぁ、はぁ……、んぐ。あの、先日はありがとうございました」
乱れる息を必死に整えるとお礼を述べ頭を下げてきた。
「たまたま鉢合わせて気まぐれで助けただけだから、そんな丁寧にしてもらわなくても大丈夫だよ」
正直昨日の件があったおかげで、NBOで初めての対人戦が経験でき、さらにユグドラシルでメインのスタイル相手に戦えたのはありがたい。
「本当に助かりました。皆はやめとけって忠告してくれていたんですけど、私が一日デートするだけでボスの攻略をしてくれるなら良いかと思って承諾しちゃったのはダメでしたね」
「そうだね。君可愛いんだから、変な輩に絡まれないように気をつけないとだめだよ。生主ならなおさらね」
生主であり囲いがいるだけありこの子の容姿はかなり可愛い。サクランボの様な色で前髪をぱっつんにした姫ヘアーで、顔立ちは目鼻立ちが整っており、背の低い身長に対して大きな胸と、そりゃ姫扱いされるよねと納得できる。
「可愛いなんて、そんな! でも、あたしを慕ってくれる仲間たちにも迷惑かけちゃったし反省です」
本当に心から悪いと思ってるらしく、悲しそうに顔を歪めている。
「まぁ、今後は何かするとき君の仲間たちとしっかりと話し合ってからにすればいいんじゃない」
励ますように答えると嬉しそうに頷いてくれる。
「はい、そうしたいと思います。あの、そういえば自己紹介がまだでしたよね。あたしはチェリーって言います。あの、よければフレンド登録していただけませんか」
どうせ基本ソロでしかやらないと思うし、フレンド作ったところでなぁ。
私が答えずにいるとチェリーは瞳を潤ませ、上目でこちらを見てくる。
「あの、駄目でしょうか?」
ぐぬぬ、これは断れない流れだ。
「えーと、大丈夫だよ。うん、フレンドになろう」
そう言うとチェリーはうれしそうに顔を輝かせ、気持ちを表すかのように飛び跳ねている。あの、目立つからやめてほしいんだけど。
困惑しながら見ていると遠くの方から姫と呼ぶ声が聞こえてくる。
「お迎えが来ちゃったみたいです。ソフィアさん本当にありがとうございました。それじゃ!」
元気にお礼を言うと声の方向に走っていく。姫は姫でもお転婆姫みたいだね。
思わぬ出会いであったものの、少しの時間ではあるがチェリーと話す時間は悪くはなかった。
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次回更新は16日までにします。




