prologue 2nd
「おい!ここから出せ!!」
響き渡る自分の声、しかしその他の声は返ってこない。
周囲を見渡しながら、ふと俺の体がなぜか幼すぎる体型をしてる気がすることに気づく。
そしてすぐに理解した。
この体は本物ではない。この体は『記憶の集合体』で、認識できなかったが灰色の情景は『記憶』そのものだと言うことを。
「誰か…助けろよ……」
黒く、柵も何もない、無限に広がる一室で、俺は抗う。もう出る事はできないだろうと知りながら––––
(……たあなたがいたところだけど、どう?)
ふと、一つの額縁から声がした。少女の声だった。
映画を見ているように、その額縁には色あせた記憶が映されていた。それには少女と、背の高い俺がいた。
俺は彼女を知っている……かもしれない。
これが自分の記憶だと理解していても、同時に自分の記憶じゃないと否定する自分がここにいて、実に不思議な感覚を覚える。
ふと、ある道路が見える。この道路を俺はよく知っている。しかしその絵の俺はそこを知らないようだ。
(……いや、さっぱりだ。)
低いが、たしかに俺の声がした。
同時に苛立つ。俺は覚えているのに『俺』は覚えていないことに。そして彼女のことを俺は曖昧に覚えているのに『俺』はハッキリ知っていることに。
(ゆっくりと思い出せばいいんだよ。時間だって…)
時間?そうだ、俺はすぐにやらないといけないんだ、そのためにも時間は少ない。しかし『俺』じゃあ一生思い出せないかもしれない。一生?それじゃ……
「俺はそれじゃあ…」
「それじゃあ遅いんだ!!」




