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prologue 1st
「おい、もうやめろ!」
丸いメガネをかけた、少し老けた青年が止めるも、男は上機嫌にボタンに触れ、
「はあ?なにいってんだよ、そんなでやめるとか、あり得ないですけど〜。アハハハハ」
押したボタンは水槽の中に存在する少年少女を苦しめ、俺はそれを見ていられなくなった。
俺はもうこいつとはやって行けそうにない。
「俺は降りるぞ、『大貴』君。これ以上は無理だ。」
嫌気をさし、俺の机の引き出しを漁る。その中でも男は振り返らずに尚も水槽を見てニヤつく。
「何を言うんですか、共犯者の『手嶋』君?」
「…ああ、反論はしない。だが、」
と、スイッチを出した。これが繋がっているのは水槽全てと、そしてこの研究所の心臓である薬品庫、ブレーカー室、そして爆破して効果がある箇所全てだ。これで俺もこいつも、そして悪魔の研究資料も消えるはずだ。
「なんです、爆破するのですか?でもそれだと––––」
「ああ、覚悟の上さ。それに、《ワクチン》と《治療法》はある!」
と、一枚の紙を出した。
「貴様ァ!」
「共に死ぬんだ、大貴君。今日、ここで」
未練はない、はずだった。だがどうしてか、死を受け入れる間際に浮かんだ女性の顔を、俺はもう一度だけでも会いたいと思ってしまった。




