第二十七話 革命軍
「っ…あのなぁ…引きずられる方の身にもなれよ…」
未だ引きずられている俺…
この青髪め…少し力が強いからってこんなことしやがって…
「めんごめんごー!そんなん分からないからーッ!」
「…めちゃくちゃだろ…」
ズボンが汚くなっていく…
洗濯とか最近出来てないんだからやめてほしい…
「あの…あなたたちは…?」
「あとちょっとでつくですよ。そこで話すですよ」
緑髪の長髪の少女がティナの問いに応える。
今は平民層の裏路地にいる。
薄暗くて日当たりの悪そうな所だ。
「すみませんね…カートさんは、いつもこんな感じなんです」
「いつもこんな感じって…」
俺は半目になるのを自覚しながら今なお引きずられる。
これがいつものか…
相手するのも大変だなおい…
「着いた着いたー!ほらほら上がっ…てッ」
扉の前についた青髪がそう言って扉を開けて俺を放り投げ…た!?
「うぉぉッ!?」
足をバタバタやっていたらエリアルステップが発動。
天井に頭をぶつけるアクロバットをした。
「ぃッ…」
頭を抑えて目を瞑る。
超・イ・タ・イ
「じょーぶかぁ?」
「これで…大丈夫に…みえるか…!」
「じょーぶだな」
「おいっ!」
どこが大丈夫に見えるんだこの野郎…
俺は目を開き、家の中を見渡す。
ほどほどにでかい木造と石材の合わさった建造物だ…
外はボロボロに見えたが中身は意外と綺麗だ。
「…広いな…」
「だろだろ!?いやー…買うのには苦労したけどなー…」
「それに日当たりが悪いですよ…」
…通りでじめじめしてるハズだ…
手入れが大変だろうな。
「それで、あなたたちは一体誰なんですか?」
ティナが青髪、緑髪、茶髪、ハゲに問いかける。
最初に答えたのは茶髪だった。
「自己紹介が遅れましたね…じゃあ、カートさんからお願い」
「おうッ!俺の名前はカートナードだッ!カート様って呼んでくれぃ!」
明るく答えたのは青髪だった。
身長は俺が約170だったから……
俺と同じくらいか。
ぼさぼさの割に質のいい髪質…
目は金色に輝いており、つり目というのがいいだろうか。
やる気に満ちているような…そんな目をしている。
右に生えていたであろうツノは無くなっておるが、気にしてる様子もない。
服装は半袖の服装に、下まで伸びているズボン…
って所か…
「次は私ですよ。私はシュルネイル・ロイソンっていうですよ。お願いしますですよ」
ペコリと頭を下げた緑髪…
身長は150前半くらいか…ちっせぇな…
両目とも長い緑髪によって隠れており、表情は口元でしか判断できない。
彼女もカートと同じように右のツノがない。
服装は黒のケープコートというものだろうか…
「次は俺だな。リドルグ・レーガンだ。よろしくな」
腰に手を当てたハゲはそう言う。
身長は180くらい…でけぇ…
そしてコイツも右のツノなし…
険しい顔をしていて目付きも悪い。
目の色は黒…か。
ガタイがいいな…
服装は下がジャージっぽくて、上はマントみたいなもんで被ってるな…
「最後は僕ですね。僕はレイジ・カーバーニです。よろしくお願いします」
深々とお辞儀をしたのはツノも生えておらず、耳も尖っていない、人間族…か。
因みに魔人族は例外なく、耳がエルフのように尖っている。
身長は160くらい…ティナより少しちっちゃいくらいか。
茶髪の髪はストレートで、前髪は目にかかる手前、後ろ髪は首の所まで伸びている。
目も茶色で、優しそうな目付きだ…
服装は黒のコートを羽織っており、その下に着ているのは黒い長袖…か?
下に履いているのは長ズボン…これも黒か…
黒ずくめだなおい。
「じゃあ次は目付き悪い男ッ!」
「あ?教えるワケねぇだろ?」
こんな怪しい奴等に教えることなんて何も────
「私はセレスティナ・エルローゼと言います。こちらはメイ・モトシマさんです」
「おいこら…」
ティナが暴露しやがった…
なにしてやがんだ…
「セレスティナちゃんとメーね」
「動物の呼び方みたいになってんだけど」
延ばすなこの野郎…
「どうして私たちを呼んだんですか?」
「…はぁ」
ティナの勝手にしろ…
つくづくこういうもんは嫌いだ…
用件だけ吐き出されて後は頼んだとかいうオチだろ…
「国取りに参加してくれねぇ?」
「……………………えっと?」
かなりの間を開けてティナは声を漏らした。
首を傾げて困っている…
そりゃそうだ。
国取りとか何言ってんだ…
「カート…それじゃあ分からないですよ」
「そうだよ。ええと、僕たちは革命軍なんです。この国を…変えるために立ち上がりました」
カートをシュルネイルが注意し、俺らにレイジが対応する。
次いで説明も入る。
「僕ら革命軍は元々、奴隷なんです。ある日、僕らはこの人…カートさんに助けられました」
えっへんと胸を張っているカート。
どや顔やめろ腹立つ…!
「そしてカートさんはこの国を変えたいと提案してきて、僕らは賛同しているワケです」
「…ザックリしてんな」
俺が呟いたのをカートは聞いた。
「まーまー!良いじゃないのー!」
「良くねぇだろ。詳しく話さねぇってことは誠意を見せてねぇのと同じだぞ」
仮にも俺らを勧誘してるなら誠意を見せろっての…
「…言えねぇ」
「あ?」
カートが真剣な声で言った。
今までのお気楽な発言とは違い、それには重みがあった。
「めんごめんご!こっちにも事情があるんでさ!詳しくは話せないけど力貸してくんねぇーかなーと!」
「ことわ…」
「はい!もちろんですよ!」
「…」
呆れた…
お人好し過ぎるにも程があるだろ…
「やりぃッ!んじゃあさ!話し合いを…」
「俺は降りるぞ」
ハッ!
いくらティナが良くても俺は嫌なんでな。
抜かしてもらう。
「かてぇこと言うなってー!」
「知るか。お前らはお前らで勝手にしろ。俺を巻き込むな」
ギロッとカートを睨む。
しかし、カートは表情を変えず笑ったままだった。
「そっかー!まぁ仕方ないんじゃない?すまねぇな!色々と!」
チラッとティナを見る。
するとサッと俺から目を反らす。
…そうか…
やっぱりな…
お前も、多い方に行くんだな…
人は集団で群れるもの。
それにティナは入りたがっていたのかよ…
…くだらない…
何が仲間だ…
こんなやつに意識してたとか、バカなんじゃないか?
いや、してねぇけどな?
「セレスティナちゃんは入ってくれるのか?」
「私は…」
優柔不断か?
迷っているようだ。
…無言でパーティを解散する。
「め、メイさん!?また…なんで…?」
「俺の事なんて気にすんなよ。じゃあな」
「な…メイさん待って…」
俺は玄関の扉を開く。
「…じゃあな。一緒にいられて、少しは楽しめた」
置いていく事は、ここで縁を切るって事だ。
つまり、仲間だったティナはただの友達となっただけだ。
「また!…また…会えます…よね」
「…」
胸が痛むな…
だが、何も答えずに俺は出ていく。
そんなの、分かりきってる事だから…
未来永劫、会うことは…ない。
俺はまた、一人になった…
少し加筆
誤字修正




