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第十九話 悪くなるばかり

眩しい…

太陽の光が俺の顔を照らす…

ここは…

ああ、久しぶりに…よく寝たよ…


「おはよう…メイさん」

「…ティナ…お前…」


自身のベッドにいる、ティナの顔を見た…

酷い…顔だ…

目は赤く、頬には泣いたような跡…

顔は平常を保っているように見えて、クシャクシャになっている。

何を考えていたのか、何を思っていたのか…

想像しても決して分からない、分かれないだろう。

でもこんな状態になっているのは非常に不味い…

不味いハズだ。


「今日は…今日は何…しますか…」

「…そうだな…」


行かせて…いいのか?

こんな状態のヤツを行かせて…

…駄目だ。

ティナを連れていったら足手まといになる。

こんな、こんな状態のヤツ、確実に足手まといになるだろ。


「…ティナ、やっぱ眠ってろよ」

「えっ」


俺の言葉にティナが驚いたのだろうか…

無理をして作っていたであろう、笑顔は固まる。

俺はそんなティナに言葉を浴びせた。


「そんな状態で、何かさせる気にもなんねぇっつうの」

「なっ…なんで!」

「…お前が思ってるより、酷い顔だぞ…」


いつものような無邪気な顔とは程遠い。

何かを演じている顔だ。

ティナは何故か焦っているようにも見える。

過去を…探らなきゃいけないのか?

だが、知ってどうなるよ?

ほじくり返してほしい過去なんてあるかよ…


「酷くても…いい。行きましょう」

「駄目だ。お前ここにいろ。宿屋に話つけて延長させてくっから」

「いえ、私も行きます!」

「…ティナ…」


空元気なクセに…

すぐに倒れそうな状態では無いにしてもやっぱり嫌な予感はするんだよな…

しかし、結局のところ、俺は折れてしまい宿屋を延長した後、俺らは町の外へと出た。

…しかし、外に出てもティナの顔色は変わらない。

それどころか、顔色は青色で、今にもぶっ倒れそうだ。

本当に何故、そこまで俺と行動するのだろうか。

別に逃げやしねぇのに…


「…なぁティナ?」

「はい…?」


悪魔で笑顔で。

しかしやはり無理して作ったような笑顔で俺を見る。

…本当に、聞かなくていいのか?

昨日…怒鳴った原因を…

調子の悪い原因を…

固意地を張る原因を…

聞かなくていいのか?

信頼出来る人の事を。

信頼してくれた人の事を。


「…いや…無理すんなよ」

「無理してませんって!」


…言えなかった。

そして明るく声を上げたティナ…

誰が人の過去を探ろうと出来る?

それに過去と決めつけていたが、本当は違うのではないか?

今、この現状に問題があるのではないか?

俺自身に関わる問題ではないのか?


「…本当に無理…すんなよ」

「してませんってば!」


…本当に…だろうか。

事実…だろうか。


「信じて下さいって!」


…そうか、信じてなかったな…

こうまでして彼女がいってるんだ。

きっと俺の杞憂だろ。

うん、そうだ。

そうに違いない。


「ああ、そうだな。信じる」


そう言った俺の言葉に一瞬だけティナは顔を曇らせたのが分かった。

しかし、一瞬だけだ。

多分、見間違えか何かだろう。


結局、この日の魔物討伐はあまり捗らなかった…










稼ぎは約300シルド…

やはりグロウガンの素材がでかかったか、あるいは獲物が少なすぎたか…


「…ティナ?」

「…」

「ティナ!」

「…あ、ごめんなさい…なんですか?」


また…だ。

これを両手で数えられないくらいの回数、ボーッとしている。

しかも、内容を話している途中にまたボーッとされることもあって息も合わない。

元々の作戦が安全に倒すものだったし、ケガの心配は殆どないが、ティナの行動が遅い。

なので少し強い所へいくとすぐに駄目になる。

パラライズも延長をしても、効果時間を増やすことが出来るが、耐性を持たれてしまうため、効果時間の30秒を合計丸々60秒とはいかず、45秒になってしまう。

それに、いずれはMPも尽きるしで、何度も延長してられない。

ティナが動けば、楽勝だった事態に何度陥った事か…


「…ボーッとしすぎだ」

「…」

「おいッ!」

「…!はい?」

「あの…なぁ…ッ!」


イライラする。

なんでそんな事になっているのか…

何故かティナを見ていると、イライラする。

分からないけれど、イライラする。

ティナ自身…いや、俺自身に…か?

分からない。

分からないがとにかくイライラするのだ。


「…ごめんなさい…」

「…」


謝られると、行き場のないこのイライラをどうしようか迷う。

自分で受け持っていればいいのだろうが、何分経っても消える事がない。

胸糞わりい…

クソッ…なんなんだ…


「…本当に大丈夫か…?」

「大丈夫ですって…昨日も言いましたよ?」


じゃあなんで顔が青い?

じゃあなんで作りもんの笑顔を向ける?

何故俺が見てないとき俯いてる…

何故いつまでも泣きそうになってる…


「ああ…そうかよ」


しかし、やはり自分では聞かなかった。

そして、二人はまた眠りにつく。

その後またティナが悪夢を見て起こされ、ティナは熟睡すらしていない。

日に日にティナは元気を無くしていく…

そんな状況が明日…明後日と続いていた…

未だ、悪くなるばかりだ…

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