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ようこそ、異世界ホテル"Aequitas"へ  作者: 嘯江 新(ウソブエ シン)


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9/12

第9話「公平と特別」

「……人間?」


アラタ・ナナサキは、思わず聞き返した。


黒衣の客は。


何も言わない。


窓の外。


二つの月。


夜のフレーレオ。


その景色を見たまま。


静かに。


月蜜のホットドリンクへ口をつける。


「今」


アラタは一歩だけ近づく。


「このホテルの理念を最初に言ったのは、人間だったって」


「そう言った」


「その人は」


一拍。


「Hotel Aequitasを作った人なんですか?」


沈黙。


アラタは。


待つ。


今までなら。


すぐに次の質問を重ねていたかもしれない。


だが。


この客との会話で。


少しだけ分かってきた。


話したくないことを。


無理に話させても意味がない。


そして。


ホテルマンである以上。


客室という空間で。


宿泊客の過去を追及するべきではない。


やがて。


黒衣の客が口を開いた。


「創った」


「……!」


「とは」


一拍。


「言い切れない」


アラタの表情が。


少し崩れる。


「そこまで言っておいて」


「事実だ」


「じゃあ、どういうことです?」


黒衣の客は。


カップを置く。


「Hotel Aequitasは」


「はい」


「一人で作られた場所ではない」


「……」


「様々な種族が」


「……」


「様々な理由で」


「……」


「この場所へ集まった」


アラタは。


静かに聞く。


「だが」


黒衣の客の声が。


ほんの少し。


遠くなる。


「最初に」


「はい」


「敵同士だった者たちへ」


一拍。


「同じ屋根の下で眠れ、と言った者がいた」


アラタは。


息を止める。


「その人が」


「ああ」


「人間」


「そうだ」


「どんな人だったんですか」


黒衣の客は。


少しだけ。


目を細めた。


「愚かだった」


「……またそれ」


「無謀で」


「はい」


「口が達者で」


「はい」


「自分が弱いことを」


一拍。


「理解していなかった」


アラタが。


少し笑う。


「褒めてないですよね?」


「褒めていない」


「でも」


黒衣の客は。


答えない。


アラタは。


その沈黙を見て。


なんとなく分かった。


嫌いではなかった。


むしろ。


大切だったのだろう。


「名前は?」


黒衣の客の表情が。


止まる。


アラタも。


気づく。


踏み込んだ。


「……言いたくなければ」


「忘れた」


「え?」


「名は」


黒衣の客は。


少しだけ視線を落とす。


「忘れた」


その声。


嘘には聞こえない。


だが。


本当に忘れたのか。


忘れたことにしているのか。


アラタには分からなかった。


「長く生きすぎると」


黒衣の客が言う。


「顔も」


「……」


「声も」


「……」


「名も」


一拍。


「少しずつ薄れる」


アラタは。


何も言えなかった。


昨日。


夜露酒を見ながら。


人間の友人を思い出していた。


忘れたくないから。


味だけでも。


残している。


長く生きるということは。


多くを知ることだけではない。


多くを失うことでもある。


「だから」


アラタが。


夜露酒を見る。


「これを?」


黒衣の客は。


小さく頷いた。


「忘れぬためだ」


アラタは。


静かに。


頭を下げた。


「……ありがとうございます」


「何がだ」


「話してくれて」


「私は」


「話したかっただけ」


「分かってます」


アラタは。


少し笑う。


「でも」


一拍。


「ありがとうございます」


黒衣の客は。


何も言わなかった。



翌朝。


Hotel Aequitas。


フロントバック。


「ナナサキ」


「はい」


ナナリーが。


一枚の資料を差し出した。


「本日の重点対応です」


アラタが見る。


「重点?」


「はい」


そこには。


今日到着予定の宿泊客一覧。


その中。


一つの予約だけ。


特殊な印がついている。


「これ」


「VIPです」


アラタの目が。


少し動く。


VIP。


ホテルで使われることの多い言葉。


Very Important Person。


特に重要な宿泊客。


著名人。


要人。


常連客。


ホテルにとって重要な顧客。


あるいは。


特別な配慮が必要な客。


ホテルによって基準は異なる。


「こっちでもVIPって概念あるんですね」


「言葉は違いますが、考え方はあります」


「誰なんです?」


ナナリーが。


資料を指す。


「ヴァルガ・レイシェル」


アラタが読む。


種族。


竜鱗族。


役職。


北方都市国家連盟の特使。


「……偉い人?」


「非常に」


「なるほど」


「今回」


ナナリーは続ける。


「外交協議のためフレーレオへ滞在します」


「じゃあ」


「警備」


「はい」


「部屋」


「はい」


「食事」


「はい」


「動線」


「はい」


「全部、通常より慎重」


「その通りです」


アラタは。


資料を見る。


専用フロア。


到着口の変更。


エレベーター優先。


食事制限。


警備配置。


「……すごいな」


「何が?」


「特別扱い」


ナナリーが。


アラタを見る。


「それは」


一拍。


「違います」


「え?」


「特別扱いではありません」


「でも」


アラタが資料を持ち上げる。


「これ全部」


「必要な対応です」


「……」


ナナリーは。


静かに言う。


「それを」


「はい」


「あなたは今日、学んでください」


アラタの眉が。


少し上がる。



昼前。


正面玄関。


Hotel Aequitasは。


いつもより。


少しだけ緊張していた。


警備担当。


ベルスタッフ。


フロント。


管理職。


それぞれが配置につく。


アラタも。


少し離れた場所。


サンディーの横。


「私、ここでいいんです?」


「研修」


「またそれ」


「見るのも仕事」


「はいはい」


「返事が軽い」


「あなたに言われたくないです」


サンディーが笑う。


やがて。


ホテル前。


巨大な車両が止まる。


魔導装甲を纏った。


黒い車体。


扉が開く。


降りてきたのは。


大柄な人物。


人型。


だが。


全身には。


深い青色の鱗。


頭部には。


後方へ伸びる角。


長い尾。


目は。


鋭い金色。


「……迫力すごい」


アラタが小声。


サンディーが答える。


「竜鱗族」


「強そう」


「強い」


「即答」


ヴァルガ・レイシェル。


その周囲には。


護衛。


従者。


複数。


ブラッドリーが。


玄関前へ。


「ようこそお越しくださいました」


一礼。


ヴァルガが。


少しだけ顎を引く。


「世話になる」


「光栄でございます」


そして。


すぐに。


館内へ。


通常のチェックインカウンターではない。


別室。


「フロント行かないんですね」


アラタが言う。


「混雑を避ける」


サンディーが答える。


「あと」


「うん」


「身元確認や警備上の都合」


「なるほど」


「一般客を押し退けてフロント使わせるより」


「別室の方がいい」


「そういうこと」


アラタは。


少しだけ納得する。


だが。


そのとき。


ロビー。


一人の宿泊客が。


不満そうに。


呟いた。


「何だよ」


アラタが見る。


小柄な獣人。


通常のチェックイン列。


「偉い奴は並ばなくていいのか」


その声。


近くの客にも聞こえた。


「こっちは待ってるのに」


「…………」


アラタの目が。


少し動く。


そうだ。


ホテル側には。


理由がある。


警備。


動線。


安全。


外交。


だが。


一般客から見れば。


ただ。


“偉い人だけ優遇されている”。


そう見える。


「難しいな」


アラタが呟く。


サンディーが。


横目で見る。


「何が?」


「公平」


「……」


「昨日」


アラタは。


Aequitasの理念を思い出す。


「全員を同じにすることが公平じゃないって」


「うん」


「でも」


チェックイン列を見る。


「違う対応をしたら」


「うん」


「特別扱いに見える」


サンディーは。


少しだけ笑った。


「だから難しい」


「ですね」



午後。


ヴァルガの客室準備。


アラタは。


ナナリーについて。


客室フロアへ。


「インスペクションを行います」


「はい」


インスペクション。


ホテルでは。


客室が販売できる状態になっているか。


清掃。


設備。


備品。


不具合。


そうしたものを。


最終確認すること。


特に。


VIP。


特別な宿泊客。


重要な滞在では。


より念入りに確認することがある。


「ベッド」


「問題なし」


「室温」


「設定済み」


「魔力濃度」


「適正」


「照明」


「問題なし」


「浴室」


「竜鱗族用温度調整済み」


「食事」


「アレルギーなし。忌避食材あり」


アラタは。


チェック項目を見る。


「細かい」


「当然です」


「VIPだから?」


ナナリーが。


アラタを見る。


「違います」


「また?」


「VIPだから」


少し間。


「ではありません」


「じゃあ?」


「予約時に必要な情報が分かっているから」


アラタが。


止まる。


「……なるほど」


ナナリーは続ける。


「たとえば」


「はい」


「一般のお客様でも」


「……」


「同じ設備が必要であれば」


「同じように準備する」


「……」


「安全上の配慮が必要なら」


「同じように確認する」


「……」


「つまり」


アラタは。


ゆっくり。


「偉いからやるんじゃない」


「はい」


「必要だからやる」


「その通りです」


アラタは。


少し考える。


「じゃあVIPって何なんです?」


ナナリーが答える。


「失敗したときの影響が大きい」


「……現実的」


「ホテルですから」


「ブラッドリーさんみたいなこと言うなあ」


ナナリーが。


少し眉をひそめた。



夕方。


ロビー。


事件は。


突然起きた。


「だから言ってるだろ!」


怒鳴り声。


アラタが振り返る。


午前。


チェックイン列で不満を言っていた獣人の客。


フロントスタッフへ。


怒っている。


「お客様」


スタッフが。


必死に対応する。


「申し訳ございません」


「何が申し訳ないだ!」


客が。


カウンターを叩く。


「朝からずっとおかしい!」


「……?」


アラタが。


少し近づく。


サンディーもいる。


「どうした」


スタッフが答える。


「お部屋の空調が」


「空調?」


「調整しても温度が下がらないと」


客が怒鳴る。


「暑くて休めないんだ!」


「設備確認は?」


サンディー。


「行いました」


「故障?」


「問題なしです」


「じゃあ」


アラタが。


客を見る。


小柄。


毛が厚い。


呼吸。


少し荒い。


「適正室温は?」


スタッフが。


端末を見る。


「……」


表情が。


変わった。


「登録が」


「何?」


「一般獣人として」


アラタの眉が。


動く。


「種族詳細は?」


「未登録です」


客が怒る。


「何の話だ!」


アラタは。


思い出す。


研修。


厚い毛。


低温を好む種族。


「お客様」


アラタが。


少し距離を取って話しかける。


「失礼ですが」


「何だ!」


「普段」


一拍。


「どれくらいの室温でお休みになりますか?」


客が。


少し止まる。


「……寒いくらいだ」


「具体的には?」


「氷室くらい」


アラタ。


サンディー。


スタッフ。


一瞬。


沈黙。


「……それは」


アラタが。


端末を見る。


通常客室。


最低温度。


足りない。


「低温対応客室」


サンディーが言う。


「空きは?」


スタッフが確認。


「ございます」


「移動」


「はい!」


客が。


少し戸惑う。


「部屋を変えるのか」


アラタが。


頭を下げる。


「はい」


「でも」


客が。


ロビーの奥を見る。


ちょうど。


ヴァルガ一行が通る。


警備。


専用動線。


スタッフ。


「どうせ」


客が吐き捨てる。


「偉い奴の部屋ばかり優先なんだろ」


アラタの表情が。


少しだけ変わる。


朝。


聞いた言葉。


特別扱い。


公平。


必要な対応。


アラタは。


ゆっくり答えた。


「違います」


客が。


睨む。


「何が」


「お客様のお部屋も」


一拍。


「必要なものへ変更します」


「……」


「お客様が誰だから、ではありません」


アラタは。


真っ直ぐ言う。


「お客様が」


一拍。


「快適に休めるように必要だからです」


客の表情が。


少しだけ止まる。


「先ほどのお客様にも」


アラタは。


ヴァルガの方を見る。


「必要な対応を」


「……」


「そして」


再び。


客を見る。


「あなたにも必要な対応を」


沈黙。


「Hotel Aequitasでは」


アラタは。


言いかけ。


一瞬。


迷う。


だが。


言った。


「同じお客様です」


客の耳が。


少し動く。


「…………」


アラタは。


頭を下げる。


「最初に確認できなかったことは、こちらの不手際です」


「……」


「申し訳ございません」


「……」


「すぐに」


アラタは。


少しだけ。


笑顔を戻す。


「寒いお部屋をご用意します」


客が。


数秒。


黙る。


そして。


「……頼む」


「承知いたしました」



客室変更。


いわゆる。


ルームチェンジ。


設備不良。


騒音。


客の要望。


その他の理由で。


宿泊中に。


別の客室へ移動してもらう対応。


荷物。


鍵。


客室ステータス。


関係部署への連絡。


単純に。


“部屋を変える”。


それだけではない。


ホテル側では。


複数の処理が発生する。


アラタは。


スタッフと共に。


荷物移動を手伝った。


新しい部屋。


低温対応客室。


扉が開く。


冷気。


「…………」


アラタの身体が震える。


「さむっ……!」


客は。


入った瞬間。


表情が変わった。


「ああ……」


深く息を吸う。


「これだ」


さっきまで。


怒っていた顔。


それが。


一気に。


穏やかになる。


「……やっと眠れる」


アラタは。


寒さに震えながら。


笑う。


「よかったです」


「お前」


「はい?」


「寒くないのか」


「めちゃくちゃ寒いです」


客が。


吹き出した。


「じゃあ早く出ろ」


「そうします」


アラタも笑う。


「何かございましたら、お申し付けください」


「分かった」


扉が閉じる。


アラタは。


廊下で。


大きく息を吐く。


「……寒い」


後ろ。


ナナリー。


「お疲れ様でした」


「見てたんですか」


「はい」


「手伝ってくださいよ」


「研修です」


「やっぱりそれ!」


だが。


ナナリーは。


少しだけ。


微笑んでいた。



夜。


従業員用休憩室。


アラタは。


温かい飲み物を両手で持っていた。


「生き返る……」


向かい。


サンディー。


「どうだった?」


「何が?」


「今日」


アラタは。


少し考える。


「難しいです」


「うん」


「VIP」


「うん」


「一般客」


「うん」


「対応は違う」


「うん」


「でも」


アラタは。


カップを見る。


「価値が違うわけじゃない」


サンディーが。


黙る。


「必要なものが違うだけ」


アラタは続ける。


「偉い人だから」


「……」


「高い部屋だから」


「……」


「たくさんお金を使うから」


「……」


「それだけで」


少し間。


「お客様として上になるわけじゃない」


サンディーが。


少し笑う。


「ブラッドリーが聞いたら喜ぶな」


「言わないでください」


「何で」


「調子に乗るから」


「総支配人に言う?」


「サンディーさん」


「冗談」


二人で。


少し笑う。


アラタは。


昨日聞いた。


Aequitas。


公平。


公正。


それは。


簡単な言葉だった。


だが。


ホテルで。


実際に。


公平であり続けること。


それは。


思っていたより。


ずっと難しい。


同じではない。


でも。


差別もしない。


必要な対応は変える。


それでも。


客としての尊厳は。


変えない。


「……Aequitas」


アラタが呟く。


少しずつ。


このホテルの名前が。


好きになり始めている。


そんな自分に。


アラタはまだ。


気づかないふりをしていた。



深夜。


黒衣の客の部屋。


「失礼いたします」


アラタが。


月蜜のホットドリンクを置く。


「今日も?」


「頼まれてるので」


「毎日とは言っていない」


「嫌ですか?」


「……」


一口。


「悪くない」


「はいはい」


アラタが。


笑う。


そして。


昨日の話。


気になっていた。


「一つ」


「何だ」


「このホテルの理念を言った人」


黒衣の客の目が。


少し細くなる。


「……」


「敵同士だった者に」


アラタが言う。


「同じ屋根の下で眠れって言った」


「そうだ」


「その人は」


一拍。


「ホテルマンだったんですか」


黒衣の客が。


止まった。


「ホテルマン?」


「宿をやってたとか」


「……」


「客を迎える仕事」


黒衣の客は。


しばらく。


黙る。


やがて。


「違う」


「え?」


アラタは。


少し驚く。


「じゃあ」


黒衣の客は。


低く。


言った。


「ただの」


一拍。


「旅人だった」


「旅人?」


「ああ」


「ホテルとは関係ない?」


「最初はな」


「最初は……」


アラタが。


その言葉を拾う。


黒衣の客は。


気づいた。


だが。


訂正しない。


「その人は」


アラタが。


慎重に聞く。


「どうして」


一拍。


「そんなことを言ったんですか」


黒衣の客は。


窓を見る。


遠い。


遠い。


過去。


「雨だった」


「……?」


「激しい雨だ」


黒衣の客は。


少しずつ。


語る。


「街道が崩れ」


「……」


「二つの集団が」


「……」


「同じ廃屋へ逃げ込んだ」


アラタは。


静かに聞く。


「敵同士だった」


「はい」


「互いに」


「……」


「殺し合う理由を持っていた」


「……」


「そして」


黒衣の客は。


少しだけ。


声を低くした。


「その人間だけが」


一拍。


「どちらの味方でもなかった」


アラタの目が。


少し開く。


「彼は言った」


黒衣の客が。


ゆっくり。


「外へ出れば」


「……」


「好きに殺し合えばいい」


「……すごいこと言うな」


「だが」


黒衣の客の口元が。


ほんの少し動く。


「今夜だけは」


アラタが。


息を止める。


「同じ屋根の下で眠れ」


沈黙。


「なぜなら」


黒衣の客が。


アラタを見る。


「今」


一拍。


「お前たちは」


そして。


「同じように」


静かに。


「雨宿りを求めている客だから、と」


アラタは。


何も言えなかった。


ホテルですらない。


ただの廃屋。


客ですらない。


だが。


そこに。


Aequitasの原型があった。


「……その廃屋」


アラタが。


聞く。


「まさか」


黒衣の客は。


窓の向こう。


Hotel Aequitasの敷地を。


見下ろした。


そして。


言った。


「この場所だ」


アラタの表情が。


完全に止まった。


「……え?」


「遥か昔」


黒衣の客が言う。


「Hotel Aequitasは」


一拍。


「一軒の」


静かに。


「壊れかけた宿から始まった」


アラタは。


言葉を失う。


巨大なホテル。


数え切れない客室。


いくつものレストラン。


多種族が集う。


Hotel Aequitas。


その始まりは。


豪華な宮殿でも。


偉大な王の命令でも。


神の建造物でもなかった。


ただ。


雨の夜。


敵同士だった者たちが。


一晩だけ。


同じ屋根の下で。


眠った。


そこから。


すべてが。


始まった。


――第9話 完

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