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第3話「白き雪のプリンセス」(2)

「さて、本来はこちらを先に話すべきだったかもしれませんが……あなたの今の状況について話させていただきます。」

 ユリンさんの話が始まる。これ以降の話はあたしに対する質問なんかは含んでいないので、食べながら聞いていてくれれば良いですとの事だった。

 空腹だったあたしはお言葉に甘え、パンをかじりながらユリンさんの話に耳を傾ける。

「まず、僕たちの住むこの国の名はブランノエル王国といいます。四方を海に囲まれた大陸国家です。およそ400年前に初代の王であるブランレイク・N・クリードがこの大陸を統一し、この国は繁栄を保ってきました。」

 ちなみに今ルルシェはユリンさんのお使いに出かけている。

 どんなお使いかは内緒だと言うのだが……

「そして、あなたが今いるこの場所は、この国の中心部。王都ナタリシアにある王城【クリスティン城】です。王都の近郊の森のエルフの集落で気を失っていたあなたを、僕たちの団長が保護しました。」

 そうだ。エルフの村は大丈夫だったのだろうか?

 リネットは、髭面の男は、元気な女の子は、しゃがれた老人は大丈夫だったのだろうか?あたしは口の中の食物を飲み込むとその答えを問おうとした。だがそれより早く

「安心してください。幾ばくかの犠牲は出てしまいましたが、あなたのおかげでエルフの集落は最小限の被害で済みました。村人も大部分は無事ですよ。」

「そうですか……。」

 ほんの少しだが胸の使えが取れたように感じだ。だが、屍食鬼(グール)の前に散っていったエルフたちのことを思うと素直に安堵する事なんて出来なかった。それにリネットの安否だって分かってはいないのだ。

と、ここで

「再びおっまたせしましたー!」

ルルシェがドアを開け放ち入ってきた。

「お客様を連れてきましたよー。さっすがルルシェ、仕事が速い! なんたって風の妖精ですからねー。さあ、こっちですよー。」

 そうルルシェが手招きをすると

「マシロ様!」

「リネット!?」

 リネットが駆け込んできた。リネットは部屋の入り口の真ん中に浮いていたルルシェを邪魔だといわんばかりに払いのけ「ぶぎゃあああああっ(断末魔)」一目散にあたしの胸に飛び込んできた。

「マシロ様……良かったデス……本当ニ……ご無事デ……マシロ様……マシロ様ァ……。」

 ヒック……ヒック……と、しゃっくりを上げ泣きじゃくりながらリネットは何度も何度もあたしの名を呼んだ。

「モウ目を覚まさないカト……不安デ……不安デ……。」

 あたしの胸がリネットの涙で濡れていくのを感じた。心配……かけちゃったかな……。

「ゴメンね、心配かけて。」

 あたしは泣きじゃくるリネットの髪をやさしく撫でた。

「どうやらあなたは何らかの力を使った反動で深い眠りについていたようですね。丸2日は目を覚ましませんでしたからね。」

「2日!?」

 そんなに寝ていたのか……そりゃあお腹も空くはずだ。

「その子はその間ずっとあなたから離れようとしなくてですね。僕たちが最初に駆けつけた時も、その子は足を引きずりながらも凄まじい剣幕であなたを守ろうとしてましたよ。」

「あ……あの時はすいませんデシタ……また敵カト思っテ……。」

「いえいえ、気にしてませんよ。それであなたを運ぶ際にこの子にも付いてきてもらったんですが、さすがにこの子も怪我などで満身相違でしてね。しばらく別室で休んでもらっていたんですよ。まあでも元気になった用でなによりです。」

「元気すぎるですよ! まずルルシェに謝るですーっ!」

 壁に叩きつけられてのびていたルルシェが復活してくるが

「ウルサイ蚊デスネ。」


 パンッ!


「グリュオオオオオ!?」

 人のものとは思えない悲鳴が上がった。

「それヨリマシロ様、お腹が空いテらっしゃるのデスヨネ?」

「え……、まあ……。」

「ワタシがお手伝いしマス! ふーっ、ふーっ……はい、ア~ン。」

 リネットがクリームスープを一すくいし、息を吹きかけ冷ました後にあたしの口元に差し出した。

 こ……これが世に言う王道的羞恥プレイの一つ『ア~ン』か!?うああ、これは恥ずかしい!頬を蒸気させ、上目遣いであたしを見つめるその表情が見ていて恥ずかしい!そしてそんなリネットの行動にアタフタしているあたし自身が恥ずかしい!そしてそしてそんなあたし達を見て微笑ましい光景を見るように穏やかに笑うユリンさんの視線が恥ずかしい!

 さらに言えば実はリネットが前のめりになっている為、リネットのその豊満な胸が上からばっちり、下手すると先端が見えそうなくらいに覗けてしまっているのだ!ルルシェは犠牲になったのだぁ……おっぱいのな……

「ところがどっこい! ルルシェは不死身なのです。」

 もう復活していた。

「そして今のこの空気はルルシェたちはお邪魔という雰囲気ですねー。ルルシェは空気もばっちり読めるのです。なんたって風の精霊ですからねー。」

「い……いや別に邪魔なんてコトは……。」

 むしろいてくれないと変な雰囲気になりそうなんですが。

「きっと御飯を食べ終わったらもう一食イっちゃう感じですねー。食後のデザートはお前だー、ぐへへ。って。」

「ぐへへ。ってあたしか!? あたしが言っているのか!? っていうか食べません!食べませんから!」

「食べてくれないんですか……。」

 しょぼんとしてリネットがスプーンを下げようとする。

「ああごめん、そっちじゃなくて……食べる! よろこんで食べるよ!」

「ほらやっぱり食べるんじゃないですかー。ユリン様ー、ルルシェたちは席を外すですよー。」

「そうですね、ルルシェ。僕たちは少し外に出ていようか……1時間半くらいで良いかな?」

「リアルな数字言うのやめてー!?」

 っていうかユリンさん、あなたまでノらないでください。

「ああちなみに浴場は部屋を出て左に向かって突き当たりの辺りですから……汗を流される際はそちらにどうぞ。人払いもかけておきますのでお気兼ねなく。」

「そんな大掛かりな気遣いもやめてー!?」

「ありがとうございマス。マシロ様、ワタシが隅々まであらわせて頂きマスネ。」

「多分悪気はないんだけどその発言は危険だよ!?」

「それではごゆっくり。」

「後で感想聞くですよー。」

「二人とも行かないでー!!」


説明と会話ばかりですね……

しかもまだまだ説明し切れていないという……

毎回言っていますが本当に展開遅くてすいません。

ただ、最初のうちはやっぱり丁寧やって行きたいのでもう少しお付き合いください。

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