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大迷宮の創造者  作者: POG
第4章

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蠱虫の廃都

 三一階層から先はどんな階層にしようか。

 二一から三十階層は森だからな。


 繋がる様に作るか…それとも全く違う階層にするか。


【環境設定】が組み合わせられることがわかったから、選択肢は増えたが

 逆に増えすぎて迷う。


 これまでの階層は

 一から十階層が洞窟と遺跡

 次が平原、次が森


 そうだなぁ

 よし、廃墟にしよう


 こう、森に侵食されて建物が木々に侵食してる。

 みたいな。


 一層一層にメインの建物と森を用意しよう。


 決まったならば早速取り掛かろう。


「まずは【環境設定】〈森林〉」


 うん。森だ。

 で、真ん中当たりに建物を建てる。


 …

 ……


 そうだ、建てなきゃならないのか。

【環境設定】はあくまで環境だから建物とか無いんだよな。


 ミカエルを呼ぶか?

 いや、アイツを呼んだらまた強制労働が始まる気がする。


 ダンジョンの魔物がパワハラの被害に遭うのは流石に見過ごせない


『ダイダロスを呼びましょう』


 お!そうだな。

 こんな時のための建築家ダイダロスだ。


 こう言っちゃなんだが、建築といえばミカエルの強制労働が頭をよぎって純粋な建築家のダイダロスを忘れていた。


 数分後…

 ダイダロスがやってきた。

 見た目は褐色の肌に赤髪、そして男から女かわからない容姿をしている。

 まぁ種族は妖精だし、性別とか無いんだろうが。

 強いていうなら無性か?


「よく来てくれたな」


「旦那が呼んだならいつでも来ますよ。で、あっしに何の御用で?」


「ああ、実はだが」


 俺はダイダロスへ概要の説明をした。

 すぐに理解した様で俺が建物の要望を伝えると少し悩む様に顎をさする。


「うーん、旦那の案だと石造りなんですよね?その建物」


「そうだ」


 石というかコンクリートだけど。

 説明もできないし石でいいか。


「あっしが一から作るとなるとそれなりの時間が掛かります。規模にもよりますが、最低でも数日は」


「そんなにかかるのか」


 スキル一つでポンだと思ってたが違うのか。


「実は、あっしの【土魔法】でダンジョンの地面にうまく干渉出来ないんです。一つのブロックを作るのに数分かかってしまって。

 訓練場の時も全部石造りだったんで結構掛かりました。

 まぁダンジョン産の石なんで強度は確かですが」


 あのコロッセオ型の訓練場か。

 あの時はいつの間にか出来てたから、工期なんて気にしていなかった。


 俺は簡単に干渉できるが

 それはこのダンジョンが俺の領域、俺の身体そのものみたいなものだからだ。


 他の奴が干渉した時の事なんて考えてなかったな。


「木造の家ならすぐに出来ますが。森なんで木材に困りませんし、あっしの【植物魔法】もあるんで」


 木造か……

 でもやっぱり木々に侵食されてる人工物がいいんだよな。


 木造だと同化する可能性が。

 そう考えると石だよな


『マスターが【大地魔法】を使い、基礎、骨組みを用意するのは如何でしょうか。』


 まぁ俺なら簡単に【大地魔法】で地面を操れはするが

 正直言って、俺に美的センスはない。

 基礎や骨組みを作るのですら怪しいぞ。

【万匠叡智】のおかげで知識だけはあるけどな。


『マスターのスキル【創技融合】を使用してダイダロスと共に作れば良いのです。ダイダロスならばマスターのセンスを補えます』


 それならいいが…って

【創技融合】?

 どんなスキルだったか。

 このスキルって、俺が進化した時に獲得したやつだよな。

 一度も使ってない死にスキルがとうとう日の目を見るのか。


 で、どんなスキルなんだ?これ


『スキル【創技融合】は他者と共同で創造系のスキルを使う際に不都合をなくし、連携が無駄なくできるスキルです』


 ほう。そんなスキルだったとは。

 今までほとんど物作りなんてしてこなかったからな。


 武器とかもアマクニを召喚して以来任せてるし。

 最近だと俺の身体を作った時ぐらいか。

 そういえば、あの時も俺とアマクニ、ルシフェルの三人がかりだったが

 あの時は使わなかったのか?


『いえ、使用しました。マスターが話を聞く前に作業に入られましたので、マスターに代わり発動させました』


 なるほど。

 使ってたのか。そう言われたら出来が良かった気もする。

 正直わからないが。


「一緒に作るぞ、ダイダロス。【創技融合】【大地魔法】」


「はい、旦那。【土魔法】〈石層生成〉」


 俺とダイダロスの魔法が同時に発動し、建物を建築していく。


 俺の基礎、骨組みをダイダロスの【土魔法】で表面を覆い補強していく。


【創技融合】で、俺の中の建物のイメージも共有されているため、ものの数分で見た目はコンクリート造の大きな建物ができた。


 実際はそれっぽく作った石作りだが。


「上手くいったな。細かい修正はお前に任せた」


「はい旦那」


 さて、俺は建物をぶっ壊す準備をするか。

 廃墟だからな。

 こんな新築同然じゃ意味がない。

 天井が抜けてたり、壁が崩れてたりを自然に作らねば。

 一体構造だから、どこを壊しても建物が崩れることはない。

 つまりは俺のセンスになるわけだな。


 まぁ、ただ壊すだけだし大丈夫だろう。



 俺は建物を壊していき、ダイダロスは仕上げを行なっていった。


 約一時間後、それぞれの作業が終了した。


 良い感じになったんじゃないか?


 …でも、よくよく考えると

 ここだけ現代チックだな。


 まぁ良いか。

 また作り直すのも勿体無いし、次の階層からもうちょっと中世の屋敷感を出していこう。


 と、ここで【環境設定】を確認。


「よし新しい環境が出たな。〈侵食の廃都〉?」


 なんかただの建物から都になったぞ。

 一軒しかないのに。

 まぁ名称だけだが。


「【環境設定】〈侵食の廃都〉」


 蔦が建物を侵食し、森の木々が建物を覆っていった。

 建物の一部が侵食により崩れ、全体が何十年も経った様に風化していった。



 凄いな。良い具合にボロボロだ。

 風化か?

 一瞬で何十年も経過するとは。



 もしかして時間を操る力まで手に入れたのか?

 手に入れられたら最強だな。


 と、高望みをしたが今は置いておいて


 この階層の魔物を召喚しよう。


 最近わかったことだが、召喚される魔物は階層や環境に影響するらしい。


 ミカエルやルシフェル達と違い、俺に特に要望や願いがない限りは環境に沿った魔物が出る様だ。


 あの孤島の三体は環境と俺の要望が合わさった結果だ。


「さて【召喚】」


 すると何十もの召喚陣が現れる。

 大きさは大小様々だ。


 それらから現れたのは見るも恐ろしいマモノタ達だった。


 黒光の胴体に立派な角が生えた魔物。

 長い胴体に何百もの足が生え鋭利な歯を覗かせる魔物。

 両手に鋭い刃を持つ魔物など

 様々な魔物達だ。


 マジか。虫だと?

 俺はカブトムシやクワガタみたいなのですら子供の頃から触れない派だぞ。


 しかもみんなデカい。


 カッコいいと思うよりも怖いの方が勝つが。

 まぁ、リアルな虫じゃなくてあくまでも魔物だから、違う部分も多いが


 虫系の魔物達は召喚されたその場から動かずじっとしている。


 こう、大量の目から、しかも虫から見られると怖いが

 そのうち慣れるだろう。


 よし、この調子で四十階層までどんどん作っていこう。


「次の階にいくぞ、ダイダロス」


「はい、旦那」

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