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「お前がこのところ力を発揮していたから、お前が目覚めて、中から外の文字が読んで使ったのかと思った」


「そんなの、こんな、謎の古代文字、読めるわけないじゃない。こんなので、私の命が削られる?ってそれ、本当?」


「十宝種と呼ばれるものは、宿主が他者の魂魄を糧にして、力を振るうのだ。私が持っていた剣も、人間の魂を糧にしていた。その剣は、この戦いの最中で巨大ヒドラを打ち破るときだったが、砕けたのは、もう言ったな」


 開いた口が塞がらないわ。


「お前か巾着か、巾着がお前か。同化しているから、お前でもあり、巾着がお前かもしれない。そのお前が力を使い続ければ、お前は巾着に魂を消費され、死ぬ。死んだ後も、最後まで隷属して、巾着に捕われるだろう」


 怖ろしい話に、私は微動だにできなかった。


「お前がこの戦いに参戦するのは、心強い。だが、お前が力を発揮すると、お前が死に近づくということだ。それは、憶えておいてくれ。最初はつらく言って悪かった。お前がただの町人なら、戦闘の覚悟などないだろう。力を発揮するのは良く考えてしたほうがいい。この戦いは、全てを投げ打たねばならないが、知らぬ者に知らぬまま、命を投げ打たせてはいけないと思ってな」


 エリーレッド公が急に優しくなったのは嬉しいけど、絶望。


 本当なの?私、巾着の中にいたら、死ぬの?


「嘘・・・でしょ」


「正常な死に方をしなければ、天国へはいけない。お前の体(巾着)がこの世から消失して初めて、お前はあの世へ行ける。お前以前にも、囚われた魂たちも中で眠っているだろう。十宝種はそうやって、世の中を渡って来た武器だ」


 この巾着、犯罪人よ、こいつ。コイツが悪いんです。わーん。


 何平気な顔してるのよ。巾着のくせして、巾着みたいに、巾着の顔をして。


 そんなの、私、嫌よ。どうにか、助かる方法はないの?


「お前が助かるためには、巾着を滅ぼすか、契約を解くか。お前の魔力が、巾着の魔力を上回ることがあれば、万一、お前の呪いは解けるかもしれない」


「ここから出るには?私には出る方法はないの?」


「そこに入った時点で、お前はおそらく死んだ。魔王がイントーン王国を襲った時だろう。国が闇に襲われ、国民が一度に死んだとき、お前も死んだのだ。そして、おそらくその巾着と何かしら因縁があって、その中に転生した。出たところで、肉体がないと、戻れない。戻ろうとしても、今、戻れる可能性はとても低いだろう」


「私もアンデッドになるってこと?」


「そうだ」


「戻れないとしても、出て行けもしないの?すぐ天国へも?」


「普通に死ねないと、天国へは行けない。その巾着、十宝種というのは、いったん入ると、悪い言い方をすれば、絞り取られた後、十宝種が壊れたり、破壊されたりした場合、放出する仕組みのみだ。お前も、巾着が死ぬまで出て行けない」


 私は気持ちが真っ暗になった。


 なぜ、どうして、そんなことになってるのよ、巾着!

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