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継承惑星  作者: 室木 星嶺
第一部 遺された者

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第十八話 父の痕跡

翌朝。


雨は止んでいた。


凛はノートPCを開きながら言った。


「昨日の映像データを解析した」


玲司はソファでぼんやりしている。


「……何か分かったのか」


凛は画面を玲司へ向けた。


そこには、恒一の地下室で見つかった古地図が表示されている。


一点だけ、異常に書き込みが集中していた。


北海道北部。


山岳地帯。


玲司が眉をひそめる。


「ここは?」


「あなたのお父様が最後まで調べていた場所」


凛は続ける。


「“始まりの場所”」


玲司の胸が僅かに鳴る。


父が探していた場所。


継承を終わらせる方法に繋がる場所。


凛はさらに言った。


「そこに、歴代継承者の記録施設がある可能性が高い」


「……本当にあるのか、そんなもの」


「分からない」


凛は正直に答えた。


「でも、恒一さんは確信してた」


玲司は黙り込む。


父は最後まで諦めていなかった。


自分の代で終わらせる事を。


その時。


凛の端末へ緊急通知が届く。


彼女の顔色が変わった。


「……もう報道された」


「何が」


凛はテレビをつける。


ニュース速報。


《世界同期者候補の顔画像流出》


画面には、玲司の写真。


SNSから拾われたものだった。


玲司の呼吸が止まる。


キャスターが続ける。


《政府は真偽を否定していますが――》


《ネット上では“世界崩壊の鍵”として騒動が拡大――》


玲司は呆然と立ち尽くす。


終わった。


もう隠れられない。


その瞬間。


ホテル外から怒号が響いた。


「いたぞ!」


「写真と一致!」


玲司と凛が同時に窓を見る。


下の駐車場。


スマホを持った一般人達が集まり始めていた。


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