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継承惑星  作者: 室木 星嶺
第一部 遺された者

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第十七話 接触

古いモーテルの部屋。


テレビ画面の中で、アリシア・レインは優雅に微笑んでいた。


『あなたは、新しい世界そのものなのよ』


玲司は呆然と画面を見る。


「……何なんだよ、お前」


アリシアは楽しそうに首を傾げた。


『酷い言い方ね』


凛は銃を下ろさない。


「通信経路は」


『秘密』


アリシアは微笑む。


『でも安心して。今日は戦いに来たわけじゃない』


凛が冷たく言う。


「信用できると思う?」


『別に』


アリシアは玲司を見つめる。


その目には奇妙な熱があった。


『ねえ玲司。あなた、苦しいでしょう?』


玲司は眉をひそめる。


『世界中から追われて、自分が化け物みたいに扱われて』


沈黙。


アリシアは続けた。


『でもそれ、当然なの』


凛の表情が険しくなる。


アリシアは静かに言った。


『人類は、自分達が理解できない存在を恐れるから』


玲司は言葉を失う。


アリシアの声は甘い。


だが危険だった。


『でも私は違う』


『あなたを恐れてない』


凛が低く言う。


「玲司、聞くな」


だがアリシアは止まらない。


『あなたは神なんかじゃない』


『でも、人間でもない』


玲司の胸がざわつく。


アリシアはゆっくり微笑んだ。


『だから普通の人生には戻れない』


その瞬間。


凛がテレビへ発砲した。


画面が砕ける。


火花。


沈黙。


玲司は凛を見る。


凛は珍しく感情を露わにしていた。


「……あの女の言葉を信じないで」


玲司は小さく呟く。


「でも、間違ってない」


凛の表情が止まる。


玲司は俯いたまま続けた。


「俺、もう普通じゃないんだろ」


雨音だけが部屋へ響いていた。


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