14/36
第十四話 同期反応
玲司は床へ膝をついた。
胸が焼けるように痛い。
呼吸が乱れる。
ホテルの部屋全体が震えていた。
照明が明滅する。
窓の外では、人々が空を見上げ騒いでいる。
黒い波のような歪みが空間を走っていた。
凛が玲司の肩を支える。
「玲司!」
玲司は苦しそうに息を吐いた。
「……何だよ、これ……!」
凛は端末を確認する。
そこには異常数値が並んでいた。
「同期率が急上昇してる……」
「同期率?」
「あなたと地球の結合反応よ」
玲司は意味が分からない。
だが身体は確かに異常だった。
まるで世界そのものが、自分へ流れ込んでくるような感覚。
突然、遠くで爆発音。
ホテル全体が揺れる。
悲鳴。
玲司の痛みがさらに強くなる。
その瞬間だった。
窓ガラスが砕け散る。
凛が玲司を抱き倒した。
銃声。
壁へ着弾。
「狙撃!」
凛は即座に拳銃を抜き、窓際へ滑り込む。
玲司は息を切らしながら顔を上げた。
向かいのビル屋上。
黒い影。
だが次の瞬間。
空間が歪んだ。
屋上の鉄塔が突然崩落する。
狙撃手達が悲鳴を上げた。
玲司は呆然とする。
凛だけが静かに呟いた。
「……防衛反応」
玲司の顔が青ざめる。
「俺が……やったのか?」
「違う」
凛は低く言う。
「地球が、あなたを守った」




