転生
「・・・うわぁ」
ミミズがのたくったような字を解析した結果、恐らくそのような意味だった。
俺はしわくちゃの和紙を丸めて、畳に身体を投げ出した。
大きくせり出した梁が見える。落ちてきやしないだろうか。
そんなことを考えつつ、瞼を閉じた。
※
今から二週間ほど前、俺は大学近くの住宅街を歩いていた。
閑静な一角で、学生はうるさいから通らないように、と入学直後に言われたエリアだ。
普段はそんなことをしない真面目な優等生である俺は、サークルの後輩に苛立つあまり、踏み込んでいたことに気づくのが遅れた。
「やっべ」
慌てて辺りを見渡すが、どこから来たのかわからない。
スマホを手に取るも、充電切れ。
焦りと共に、こんな時まで情けない自分に呆れた。
『先輩って、なにやってきたんですか?まじで。』
「チッ。」
舌打ちと共にスマホを振りかぶる。
すぐに思いなおしてバッグにしまった。
大きく深呼吸
「はあ。」
落ち着くと同時に溜息が出た。
俺は何をやっているのだろう。今日もバイトなのに。
とりあえずなんとなく来たであろう道をたどる。
バイト嫌だな。
七面倒な顧客対応に辟易とし、金のためだと自分に言い聞かせていると、先ほどのいら立ちがぶり返してきた。
『いや、いいっすよ。俺出しますよ。先輩より金、持ってるんで。』
ドンッ
思わず近くの電柱を蹴った。
あの小馬鹿にした面。小娘たちの顔。
思い出すだに気分が悪い。
大体あいつ、親の金で粋がるなよ
いらいらいら
フッ
・・・?
なんだ?急に暗くなった。
え?
視界が、ぐるりと暗転した。




