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【休載中】イノセントワールド  作者: 泉水遊馬
Chapter 10 バトルロイヤル

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バトルロイヤル 21 ルビーVSマリア E

(あと一撃。)


その言葉が、互いの脳裏に刻まれていた。


足元のガラス片を踏む音さえ、いまは聞こえない。意識が研ぎ澄まされ、痛みも、恐怖も、ただ一点、敵の動きだけに集中している。


マリアは利き肩を撃ち抜かれた痛みに歯を食いしばりながら、ショットガンを背にしまい、ハンドガンを逆手に持ち直した。


「やるわね、ルビー」


思わず口に出た。ただ、相手の戦術と冷静さに対する、静かな尊敬だった。


ルビーもまた、脇に転がったままのハンドガンを取り直す。


(距離が、詰まっている。)


約五メートル。撃てば当たる。だがそれは相手も同じ。


この距離で先に撃ったほうが、後の反撃を受ける。


(だったら、撃たせる。)


マリアは崩れかけた壁を蹴って、右方向へ跳躍。ルビーは即座に左へ移動し、真横からの挟撃を避ける。


そして同時に、撃つ。


パンッ! パンッ!


弾丸は交差し、空気を裂きながら外れる。マリアの頬に弾痕がかすめ、血が一筋流れる。ルビーの肩にも火花が散るように痛みが走った。


その瞬間、両者が直線距離で息を殺してにらみ合う。


そして、マリアが踏み出す。


銃を構えながら、真正面から接近する。その姿は、まるで「撃て」と言っているようだった。


ルビーは迷った。


(このまま撃てば……殺せる。)


撃てば、確実に急所を狙える。


しかし再びルビーがためらった。次の瞬間マリアが突っ込んだ。


体当たりのような接近戦。互いの体がぶつかり合い、銃がこぼれ落ち、二人は地面に転がる。


拳と拳、膝と腹、頭突きさえ交えながら、野性のような格闘が始まる。銃ではなく、意思と肉体のぶつかり合い。まるで、感情そのものをぶつけているかのようだった。


「なぜ撃たなかった!?」

マリアが、叫ぶように吠える。


「撃てるはずないじゃない……!」

ルビーが叫ぶ。

その目には涙が溢れていた。

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