↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/133

仕切り直し

「ハアアアアァァァァ!!」


 裂帛の気合と共に振り下ろされたドルガーの刃がバストラングに迫る。

 その刃を、巨漢の獣人は真正面から大斧で受け止める。


 ドオオオォォォォン!!


 尋常ではない衝撃波が周囲にまき散らされ、バストラングの足が地面にめり込む。

 

「カアアアアアァァァァァ!!!」


 鍔迫り合いになるかと思われたその状況から、しかしドルガーはバストラングに向かってさら踏み込んだ。

 直後、バストラングの斧にかかる重圧がさらに増した。

 ただならぬ闘気と殺気をぶつけられ、バストラングの両足がさらに地面に深くめり込む。


「!!!」

 

 このまま押し合うのは拙いと察し、バストラングは踏ん張っていた状態から無理やり後方に跳躍する。

 ドルガーの押し込みもあり、バストラングは弾かれるように後方に吹き飛ばされる。


 ドルガーも人族の中ではかなりの大柄だが、バストラングと比べると頭一つ分以上その背丈が違う。

 だというのに、そのドルガーがバストラングを弾き飛ばすという光景に周囲の兵士たちが驚愕した。


「……」


 しかし弾き飛ばされたバストラングはその状態から即座に体勢を整え、手にした大斧を構え直す。

 そんなバストラングの眼前にドルガーが肉薄する。

 バストラングを弾き飛ばした直後、ドルガーはバストラングめがけて突撃していたのである。


「ッ!」


「ハアアア!!」


 再びバストラングの上方から肉厚の刃が迫りくる。

 その一撃を、バストラングは横に転がるように回避する。


 ズドン!


 短くそんな轟音が響き渡る。

 ドルガーの剣は地面に突き刺さっていた。

 

「ヌッハアアア!!!」


 地面に剣を取られたはずのドルガーは、しかしそのままバストラングめがけて刃を振り抜いた。

 地面をえぐり取りながらドルガーは構わずにバストラングめがけて剣を振り抜く。

 

 土をまき散らしながら放たれたドルガーの一撃を、バストラングは不十分な体勢のまま受け止める。

 直後、再びバストラングの巨体が弾き飛ばされる。


「……」


 すぐさま体勢を整え直すが、バストラングは自分よりも小柄なはずのドルガーの攻撃がなぜこうも重いのかが理解できずに眉をひそめた。


「理解できぬという顔だな」


 そんなバストラングの疑問を察したドルガーが、歩み寄りながらそんなことを口にする。

 ドルガーは手にした剣をバストラングに向けて話を続ける。


「お主の力は確かにわしを上回っておる。だが、まだまだ戦い方が稚拙過ぎるわ!」


 そう言って、ドルガーは再びバストラングめがけて突撃する。

 再びバストラングが手にした戦斧で攻撃を受けるが、その攻撃の重圧に再びバストラングの体が弾き飛ばされた。


「!!!」


 三度、バストラングの表情に驚愕が浮かぶ。

 しかし彼の三度目の驚愕は、前回までの驚愕とは意味合いが異なった。


「ハアアアアア!!!」


 再び切りかかるドルガーの一撃に対し、バストラングは受けではなく迎撃を選択した。

 その斧に、黄土色の魔力が宿る。


 バギイイィィィィン!!!!


 一層強烈な衝撃派と共に、バストラングとドルガーの獲物がぶつかり合う。

 そして、バストラングはドルガーと拮抗した。


「ほう?」


 バストラングの対応に、ドルガーが感心したような声をあげる。

 

「先の奥義を用いたか。どうやらわしの力がどういうものなのかは理解したようだな」


 鍔迫り合いながらそんなことを言うドルガーを、バストラングは慎重に観察していた。

 見れば、ドルガーの剣にもバストラングと同色の魔力が宿っていた。

 自分のものとは異なり、目を凝らさねば見えぬほどにうっすらとではあるが、確かにドルガーの剣には黄土色の魔力が宿っていたのだ。


 なるほどとバストラングは納得する。

 ドルガーは力任せに攻撃しているように見えて、常時その剣に魔力を帯びさせていたのだ。


 それもバストラング同様に土属性。

 剣の強度と重量を強化していたのであれば、なるほど自分が押し負けるのも納得できる。

 だからこそこうして条件を同じにすればこちらだけ一方的に吹き飛ばされることは無いということだ。


 そう考え、バストラングは斧に宿す魔力量を増やす。

 バストラング自身の体感は変わらぬまま、斧の重量が一気に増加する。

 その圧倒的な重量に、今度はドルガーの方が弾き飛ばされた。


「ふむ。悪くはない。悪くはないが」


 弾き飛ばされたドルガーは、即座に体勢を整え。


「まだまだ稚拙だな。それではわしには勝てんぞ?」


 自分を弾き飛ばしたバストラングに対してそんなことを口にした。


「……」


 ドルガーの言葉を頭から追い払い、バストラングは大斧を構える。

 黄土色の魔力が宿る大斧を振りかぶり、今度はバストラングからドルガーめがけて間合いを詰める。


 2mを超す巨体から放たれるバストラングの一刀を、ドルガーは真正面から迎撃し、二人の獲物が真正面からぶつかり合う。


 二人の超人の獲物の激突に、大気を衝撃が打ち抜き、大地が砕けた。

 拡散していくあまりの衝撃に、近くで交戦していた双方の兵士の一部が横転した。

 

「ハアアアア!!!」


「……ッ!」


 裂帛の気合と共に剣を振るうドルガーに対し、バストラングは無言でその戦斧を振るう。

 バストラングの一撃はドルガーよりも重く、攻撃を打ち合うたびにわずかばかりドルガーが後退している。


 しかしドルガーはその後退した直後に体勢を立て直しバストラングへと反撃してくるため、手数そのものでバストラングは負けていた。

 

「ッツ! ハ!」


 バストラングの口から荒い息が漏れる。

 神児として生まれた時から、自分とこれほどまでに戦える相手という者にであったことはバストラングの経験にはなかった。


 フィナリアやシルディエが相手だったとしても、正面からぶつかれば自分の方が強いと思っていたし、二人もそう思っているだろう。


 だというのに、目の前の初老の男は明らかに自分と同等以上の戦いをしてのけている。

 それも、限界すれすれまで神経をすり減らしている自分に比べ、明らかに余力を持っている。


「ハアアア!!」


 そう思った次の瞬間、ドルガーの一撃がバストラングに向かって放たれる。

 それに応じるように、バストラングも戦斧を振るう。


 バギャン!!


 再び凶悪な轟音と衝撃が戦場に響き渡る。

 しかし今回の衝突はこれまでと一つだけ違いがあった。

 これまで弾き返されていたドルガーの剣が振り抜かれ、バストラングが弾き飛ばされたのである。


「ッッッ!!!」


 驚きながら体勢を整えるバストラングに、再びドルガーの攻撃が迫る。

 それを打ち払おうとバストラングは戦斧を振るったが、ドルガーの一撃がバストラングを振るった戦斧ごと再び吹き飛ばした。


「ふ。なぜこうなっているのかが分からんと言ったところか?」


 再び自分の内心を言い当てるドルガーを見据えながら、バストラングは立ちあがった。

 再びドルガーに相対しながら戦斧に魔力を込めようとして……なぜ打ち負けたかの理由を理解した。


 戦斧に宿っていた魔力の輝きが、弱まってきているのだ。

 それはつまり、自分の中の魔力が切れかかっているということを意味していた。


「奥義というものは、通常の魔法よりもはるかに膨大な魔力を用いるものだ。そんなものを考えもなしに使い続ければ、あっという間に魔力が枯渇してしまう。お主、そんなことも知らんとは、まさかその奥義、昨日今日覚えたのか?」


 ドルガーの問いに、バストラングは答えられずにいた。

 魔法を扱えないバストラングは、知らずにその魔力を使い尽くしてしまったのだ。

 今も体中の魔力をかき集めているが、まるで砂漠の中から湿った土を探すかのように魔力が集まらないでいた。


「ふむ。もしそうだとすれば恐ろしいまでの天賦の才じゃな。殺すには惜しいが、仕方あるまい」


 そう言って、ドルガーはバストラングめがけて剣を構えた。

 その剣は、バストラングの戦斧とは異なり未だに薄らと黄土色に輝き続けていた。


「その様子ではあと数合も持たんだろうが、まあ、わしを相手によく戦ったと褒めてやるわ」


 そう言ってドルガーがバストラングめがけて突撃しようとした。


 その時、ドルガーへ向かって一筋の雷光が飛来した。


「チッ!」


 舌打ちし、ドルガーはその雷光を回避した。

 回避された雷光は、軌道上にいた騎馬隊に直撃する。


「シルディエか?」


 憎々しそうに告げるドルガーは、バストラングから目を離し、本陣に陣取るシルディエの方を睨みつけた。

 その先には、雷の魔力を集約させた手を大きくかざすシルディエの姿があった。


『招雷!』


 シルディエがそう告げると、今度はドルガー軍の後方部隊に雷が落ちる。

 魔道騎馬隊が寸でのところで攻撃に気付き防御したが、それでも他の魔法とは異なり雷の一撃は凄まじく速い上に金属を伝播する。


 防ぐにはあまりに突然すぎた一撃に、リスタコメントス軍を囲みこもうとしていたドルガー軍は陣形を乱した。

 そしてそのわずかな陣形の乱れから、戦局が一気にリスタコメントス軍に傾きだした。


「……チッ!」


 舌打ちをして、ドルガーは踵を返した。

 これまで膠着状態であったところに、雷が落とされるような魔法が叩き込まれ、戦場全体の流れが変わってしまった。


 精強なドルガー軍なら持ち直すだろうが、それまでにいくらかの犠牲が出てしまうことは避けられない。

 この地の戦いが最終決戦であればドルガーも徹底的に戦い抜いたかもしれないが、この戦はこれで終わりというわけではない。

 ゆえに、ドルガーは撤退を選択した。


「ドルガー軍全軍に告げる! この場は撤退する! 全軍後退し、陣形を組み直せ!」


 そう言って、ドルガーはバストラングの作り出した亀裂地帯に置いてきた愛馬に飛び乗った。

 そのままドルガーは局所的に苦戦している騎馬隊をまとめ上げ、後衛部隊は別の指揮官の元に統率されながら引いていった。








「ふぅ」


 撤退していくドルガー軍を見ながら、シルディエは一つため息を吐いた。

 ドルガー軍の練度は凄まじく、『招雷』によって多少崩したとはいえ、あのまま戦っていれば双方に多大な被害が出たと断言できる。


 ゆえに、シルディエは戦況が膠着してからはいかにドルガー軍を撤退させるかということに神経を集中させていた。


 バストラングと父ドルガーの戦いを見守りながらリスタコメントス軍の指揮を執るシルディエは、同時に全身に魔力を滾らせていた。


 各地の戦況は膠着している。

 言い換えればどちらも決定打に欠けている。

 突破力が足りないのだ。

 

 そうなると重要になってくるのは超人という規格外の突破力である。

 ドルガー軍もリスタコメントス軍も、兵士としての力量は十分すぎるほどにある。

 むしろこれ以上は望めないほどに高い。

 だが、超人という存在は一線を画す。

 一般の兵士が超人をどうにかしようとした場合、物量を持って相手の体力が尽きるまで攻め続けるしか方法がないのである。

 

 現在この戦場にいる超人は3人。

 ドルガー。バストラング。シルディエである。

 事実、この三人の内誰かが今拮抗している場所に出向き、その場を荒らせば一気に優位になるのは明白である。


 となると、この戦いの行く末はドルガーとバストラングの一騎打ちによって決まるともいえる。

 ドルガー軍は極めて精強な軍だが、そこにドルガーという超人の突破力が加わると手が付けられなくなる。

 

 逆を言えば、将であり要であるドルガーが戦闘不能になればドルガー軍の戦意は否応なく下がる。

 ゆえに、バストラングが勝利すればその時点でリスタコメントス軍の勝利が確定するのだ。


 あるいは、バストラングがドルガーの足止めをしてくれれば、後を任せてシルディエが敵陣に風穴を開けてもいい。

  

 だが、バストラングの戦いを見ていたシルディエは、このままでは勝てないということを察していた。

 バストラングの戦闘能力の高さは、自分を上回っているとシルディエは確信している。


 独自で奥義を編み出したという信じがたい経歴も、自分の奥義を受けながら鉄鎖陣を止めた異常ともいえる戦闘能力を目の当たりにしていたシルディエには納得できるものだった。


 騎馬より速く走り、その体躯通りの怪腕を持ち、さらには地を砕くような奥義まで扱う彼の戦闘能力ははっきり言ってシルディエから見ても底知れないものがある。


 しかし、バストラングはその戦闘能力では考えられないほどに実戦経験が少ない。

 それは彼が、これまで持って生まれた天賦の才のみで戦ってきたということを何よりも明白にさらしていた。


 そして、その圧倒的な天賦の才は、自分やフィナリアには通用しても、父ドルガーには通用しないということをシルディエは理解していた。

 未熟な自分はともかく、百戦錬磨の父ドルガーは天賦の才だけでどうにかできるような人物ではない。

 

 バストラングは奥義を何の工夫もなく用いることでドルガーと打ち合っていたが、それではよくて数十合で力尽きてしまうのが目に見えている。

 奥義の魔力消費量はそれだけ尋常ではないのだ。


 ゆえに、いつバストラングがドルガーに討たれても不思議はないという状況が、シルディエに二の足を踏ませていた。

 だからこそシルディエはバストラングが不利となった場合、即座にドルガー軍をかき乱せるように魔力を滾らせていた。


 父ドルガーは、戦場に置いては慧眼を持つ軍人である。

 侵略する側が初戦で多くの被害を出すことの危険さを理解している。

 そして、シルディエはバストラングの魔力が尽きたタイミングを見計らって魔法を紡ぎあげたのだ。


 彼女の得意とする『雷鳴閃』と、離れた場所に落雷を発生させる『招雷』である。

 

 この魔法攻撃により、ドルガー軍の騎馬隊に穴が開き、リスタコメントス軍が僅かばかりに優勢となり、同時にドルガーが一刻も早く手助けに向かわなければならない状況となった。


 とりあえず、初戦の防衛はなったと言っていい。

 もっとも、勇猛で知られるドルガーであれば翌日には再び攻めてくるだろうとシルディエは思っているのだが。


「ふぅ」


 状況をゆっくり整理し終わったシルディエは、もう一度大きく息を吐く。

 その疲労は魔法を発動しただけのものではなく、ドルガー軍と対峙したという事を含めての疲労だった。


 軍の統率力と、状況に応じた判断力。

 加えてドルガーの尋常ならざる突破力。

 

 一瞬でも気を緩めれば、ドルガー軍はリスタコメントス軍を飲み込んだことだろう。

 シルディエの疲労も無理なからぬというものだ。


「……」


 シルディエの元に、バストラングが無言で歩み寄る。

 その表情は、いつになく何かを考え込んでいるようだった。


「お疲れ様。ドルガー将軍相手に、良くあそこまで持ち堪えたわね」


「……」


 シルディエのねぎらいを受けても、バストラングは難しい表情を浮かべたままだった。

 無理もないだろう。

 戦闘経験の少ない彼が、初めて付けた黒星なのだ。


「…シル、ディエ」


 そんなことを考えていたシルディエに、バストラングが声をかけてきた。


「なに?」


「戦い方、教えてほしい」


 声をかけてきた巨漢の獣人は、突然そんなことを言いだした。


「今は戦争のただ中よ。そんなことをしている余裕は」


「相手引いた。多分続き明日」


 片言で話すバストラングは、しかしシルディエが考えていたことと全く同じことを口にした。

 おそらくシルディエのように戦況全体を把握したのではなく、直接戦っていたドルガーから本能的に感じ取ったのだろう。


 そして、バストラングの申し出そのものはシルディエから見ても悪いものではない。

 バストラングは短い戦歴の中で自分なりに強くなる方法を見出してきた。

 そのため、彼の戦い方は経験を積んでいくことで自然に効率化されていく無駄が多分に含まれているのだ。


 恐らく、シルディエがいくつかアドバイスするだけである程度はそれが改善される。


「…分かったわ。軍の再編成があるから長い時間は取れないけど、構わないかしら?」


 シルディエの返答に、バストラングは頷く。


「なら、まずは僅かな時間でもいいから休んで。その間に、こちらも明日の用意をしておくから」


 シルディエの指示に、バストラングは頷く。

 おそらく現時点でもシルディエよりもバストラングの方が強いだろう。

 そんなことはバストラング自身も理解しているはずだが、彼の本能とでも呼ぶべき何かが今シルディエに教わるべきことがあると感じ取ったのだろう。


「今夜はねられそうにないわね」








「よかったのですか? あの場で撤退などをして」


 ドルガー陣営内で、副官ゼインが将軍ドルガーにそんなことを問いかける。


「仕方がなかろう。我が軍を今消耗するわけにはいかんのは、お主もよく分かっておろうが。それに……」


 一度言葉を切り、ドルガーは天幕の天井を見上げた。


「シルディエの奴。予想以上に兵法を収めておった。単純な軍略だけでいえば、最早わしを越えておるかもしれんな」


 ドルガーの独白ともいえる言葉を聞き、ゼインが僅かに吹き出す。


「…お言葉ですが、将軍の場合は策を立てて戦うというよりも当たってから考えるのが基本ですから、そもそも策などあってないようなものでは?」


「む? 言いおるな」


 ゼインの指摘を、ドルガーはカカカと笑い飛ばす。

 実際問題、ドルガーは大雑把な作戦を立てることはあっても実際にはぶつかってから細かいことを考えるという気質の持ち主である。

 

 そんな将でありながらも生き残ってこれたのは、ドルガーの現場判断が迅速かつ的確であり、その判断に迷わず応える軍あっての事なのだ。

 帝都や現在のヴァルシアにいるときは鉄仮面を被ってはいるが、実際に現場に出れば獣のような本性をさらけ出すのである。


「うれしそうですね。将軍」


 ゼインの問いに、ドルガーは口元を緩めた。


「シルディエの奴。わしの予想以上に化けおった。あ奴、帝国に居た時とは別人のようじゃった」


 そんなドルガーの答えに、ゼインは目を細めた。


「では、もう十分ですか?」


 そんなゼインの問いに、しかしドルガーは首を横に振った。


「シルディエだけなら十分じゃが、もう一人叩いておきたい奴がおる。明日はあ奴と一騎打ちをするつもりじゃ」


「……バストラング、と言いましたか?」


 確認を取るゼインに、ドルガーは大きく頷いた。


「左様。あ奴、恐ろしいほどの才を持っておる割に動きがぎこちない。叩けば伸びるぞ」


「……ほどほどに。あなたが討たれては、作戦が潰れてしまいますので」


「分かっておる」


 そう言って、ドルガーは立ち上がった。


「全軍に告げろ。明日は敵の迎撃用意のみで、こちらから打って出ることは無いとな」


 そう言って、ドルガーは寝室へと戻っていった。


次回から少し投稿ペースをおとすことになりそうです。

申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。