大金?
前回から続けて読んだほうが分かりやすいと思います。
あと、ちょっと長めです。
俺はそれを見て驚愕した。確実に顔に出たと思う。
何故なら渡されたのはとても厳重なスーツケースで、中には超金貨が入っていたからだ。
それも一枚や二枚ではない。
十枚縦積みの超金貨が千束あった。
超金貨一万枚である。
一億エル、日本円で百億円。
とんでもない額がスーツケースの中に収まっている。
「これは2年分です。それ以前のものは残念ながら受取期限外です」
2年で一億エル!?
それより前がどれだけあるのか知らないが死ぬまで遊んで暮らせるんじゃないか?
「そう言えば定期的に受け取らないと削除される仕組みじゃったな」
「もったいねぇ」
「良いではないか。私はお主と出会えたからそれで満足じゃ」
「欲がないな」
「双葉様、欲がないというよりかはむしろ貴方のこと」
「わあぁぁ!黙るのじゃ!」
「おっと、失礼しました」
はて?何を言おうとしたんだろうか。
イータは何故か顔を赤くしている。
「さて、わたくしの方からは以上ですが、何かありますか?何でも構いませんよ」
「この近くに服屋ってありますか?」
「オススメの服屋がありますので、ご紹介しましょう」
「ありがとうございます!」
この人がススメてくれるんなら間違いはないだろう。
俺達はその後軽く雑談をして店の情報を貰い、協会の建物を出た。
♢
しばらく歩いて着いた服屋は一般的な店だった。
売られている商品もクセがなく、それでいてオシャレな物が多い。
「よーし、双葉よ。私が選んでやろう」
「ん?じゃあ頼む」
イータがトテトテとどこかに行った。
しばらくすると服を持って戻ってきた。
「双葉、これはどうじゃ?」
「じゃあそれで」
「なんじゃ。もう少し見てもいいじゃろ」
「イータが選んでくれたんだから、それで良いに決まってるだろ?」
「そ、そうか」
というか選ぶのめんどいし。
ファッションとかよくわからん。
「買ってくるのじゃ」
「俺の服なんだから俺が払うよ」
「それもそうじゃな」
俺は代金を支払って服を購入した。
白シャツと黒の長ズボン。動きやすいといえば動きやすい。
店を出ようとすると、イータが何かを見ていた。
髪飾りか。服以外にも置いてるんだな。
「行くかの」
「いいのか?」
「いいのじゃ」
俺達は店を出て昼食を食べに向かった。
この街は色々揃っているので非常に便利だ。
「美味しいのじゃ」
「そうだな」
「最近は双葉の料理を食べてないからのう、今夜は作ってくれ」
「キッチンがないと難しい」
「むう、家を買うか」
「はぁ!?」
店なのに大声を出してしまった。
周りからの視線が痛い。
「突然大声を出すでない」
「いや、しかしだな」
「別に家を買うぐらい造作もない」
「あれだけの大金を見た後だと否定できない」
しかし、家賃を女の子に払わすのは如何なものだろうか。
せめて二人で払うべきだ。
「む?お主、まさか賃貸だと思っておるのか?」
「一括購入!?」
「それぐらいのお金はあるからのう。賃貸だと色々面倒じゃ。土地ごと買う」
金銭感覚の狂いを感じる。
「それだと俺が払う余地ないんだけど」
「別に良い。私が買いたくて買うんじゃから」
「でもだなあ。⋯⋯よし、だったら毎月イータに家賃を払う」
「なんでじゃ、別にいらんぞ」
「俺の気分的にそうさせてくれ」
「むう、仕方ないのう」
ここで何もしなければジジイに殺されるかもしれん。
あのジジイ、人の道理というものを大切にするからな。
その影響で俺もそうなんだけど⋯⋯。
「そうと決まれば早速立地探しじゃ」
「ここの代金は俺が払うから先に行っててくれ」
「私一人でこの街に残されれば恐怖で死ぬ」
「そんなに!?」
「というわけで私はお主から離れない」
仕方なくイータを貼り付けたまま店を出た。
店内にいた人達からの視線が痛い。
♢
この街の不動産屋は冒険者協会が兼任しているらしいので受付にやって来た。
「現在購入可能な家ですと、こちらでしょうか」
いつもの受付嬢がリストを見せてくれた。
どこもパットしないな。
「イータが買うんだし、イータの好きな家にしてくれ」
「私はお主と一緒なら最悪ボロ家でも構わん」
「それは俺が嫌なんだが」
「だったらお主が決めるのじゃ」
「そうは言われてもだな」
俺達があれやこれや悩んでいると、裏からノートさんがやって来た。
そのまま俺達の方に向かってきてこんな事を言ってきた。
「こちらの物件は如何でしょう?」
金だぁぁ!!




