試験!
前回の宣告通り短めです。
「それでは始めてください」
受付嬢の合図でマルゴが詰めてきた。
その速度は速い。
予想通りだな。
「覇ァ!!」
マルゴが短剣を上段から振り下ろしてくる。
俺はそこに顎壊を打ち込み、腕を折る。
流石に今回は相手が人なので加減はした。
「よっと」
俺は硬直したマルゴに頸斬を入れる。
それは最高効率で頭に当たる⋯⋯直前で足を止めた。
多分あのまま蹴ったら殺す気がした。
「そこまでです。お疲れ様でした」
「腕、大丈夫でしたか?」
「冒険者をやってたら、腕の一本ぐらいなくなる覚悟してるさ。
今回は折れただけだから直ぐに治るよ」
良かった。
《魔力強化》してたら千切ってたな。
してなくてよかった。
「先程の戦闘データをもとに作った冒険者カードです。
なりたてということでEランクからです」
そう言って渡されたのはEと書かれた木のプレートだった。
もう少し何かなかったのだろうか⋯⋯。
「そちらを専用の機械にかざせば情報を確認できます」
なるほど、こんな見た目でも機能はするらしい。
というかこれ、魔法道具だよな?
俺でも使えるのか?
「そちらは本人以外は使えない仕様です。逆に言えば本人なら使えます。
最悪の場合は職員が代役として使うこともできます」
なら安心だ。
俺が使えなくても職員さんが使えるだろう。
「紛失した場合はお伝え下さい。そのためのとある対策がありますので」
「分かりました。今日はありがとうございました」
「よい冒険者ライフを」
俺とイータは協会の建物を出て宿を探し始めた。
♢冒険者協会♢
「大丈夫ですか?マルゴさん」
「あの新人、ヤバイぞ。俺の動きを完全に見切ってやがった」
「そうですね。〝風雷〟の二つ名を持つ貴方の速度に対応したことには驚きでした」
「それだけじゃない」
「え?」
(アイツ、加減してやがった)
マルゴは疑問の答えを口には出さず、己の中で先程の闘いを思い出していた。
双葉の動きは加減した動きだとマルゴは理解していたのである。
そのことにマルゴは戦慄を覚え、自身も励むことを決めた。
双葉くんマジパネェっす!
ちなみに、双葉くんは基本的に優しいですが、普通に残酷なこともできます。




