マジ?
偉丈夫が話しかけてきました。
僕なら逃げます。
「とりあえず座れ」
「ありがとうございます。ほらイータも」
「あうぅ」
滅茶苦茶くっついてくるんだけど。
「失礼だぞ」
「だってぇ」
「そのままで構わんよ。一応二人の関係について聞いていいか?単純に気になる」
「まあ、お⋯⋯僕の師匠ですね。幼女師匠」
「そうか、幼女師匠か。それと普通に話してくれて良い」
「ありがとう。俺達を呼んだのはなんでだ?」
我ながら一瞬でタメ口にできるこの技術を褒めたい。
「お前さん方を呼んだのはワイバーンについてだな。たった二人で殲滅したそうじゃないか」
「空から引きずり落としただけだぞ。討伐は兵士の方々に任せたし」
「いや、ワイバーンの驚異は空にいてこそだ。お前さん方の活躍は大きい」
これだけ言ってくれているんなら否定するのも失礼か。
それとイータ、いつまでくっついているんだ。
「これに際して報酬が出るんだが、金銭でいいか?」
「逆にそれ以外に何があるんだよ」
「ランクアップとか色々あるだろ。そういえば、今のランクは幾つだ?Bか?」
「冒険者かあ、無登録なんだよ」
「何ィ!?その実力で無登録だと!?」
「ひぃぃッ!?」
「あっ、悪いな嬢ちゃん。声を荒げちまった。しかし、無登録とは」
「登録した方が良いのか?」
「冒険者カードは身分証にもなるし、ランクに応じて優遇もされるからな。登録して損はない」
なるほど、なら登録した方が良いな。
すると、イータがポケットからゴソゴソと何かを取り出した。
それは何かの金属でできた赤っぽい白のプレートだった。
「ん?どうしたんだ嬢ちゃん。なん、だ⋯⋯ソイツはぁ!?」
「ひゃう!?」
「おいおいマジかよ!?ソイツは超金製プレートじゃねえか!?嬢ちゃん、Sランクなのかよ!?」
「はうぅ、双葉ぁ!!」
「よしよし」
「す、すまない。声を荒げて悪かったな。だが、しかしこれは」
偉丈夫は机に置かれたプレートをまじまじと見ている。
特殊な色合いの金属だな。
それにしても、イータがSランクだったとは。
多分最上位のランクだよな?
「間違いなく本物だ。嬢ちゃん、何者だ?」
「マナ。マナ・メル・イータじゃ。うう、限界」
イータが再びくっついてきた。
もうちょっと頑張ってくれ。
「マナ・メル・イータってぇと、所在地不明だった最後のSランクか?」
「多分それじゃ。他の奴らはそこら辺におるはずじゃからのう」
おっ、イータが喋り始めた。
慣れてきたんだろうか。
てか、Sランクってそこら辺にいるんだ⋯⋯。
「なるほどなぁ。それならワイバーンの件も腑に落ちる。
さて、話が逸れたが報酬だ。どうする?」
「普通にお金を渡してくれたら嬉しい。俺達、今無一文なんだよ」
「所在地不明で給付金が送れてなかったらしいからな。分かった。明日冒険者協会で受け取ってくれ」
「これで話は終わりか?」
「ああ」
俺達が部屋を出ようとすると、偉丈夫が声を出した。
「おっと、忘れてた」
「?」
「まだ自己紹介とお前さんの名前を聞いてねぇ」
「そうだったな。俺は如月双葉だ」
「俺は『モースト・アルト』だ。キサラギが姓か?」
「ああそうだよ。よく分かったな」
「とある島国が同じ方式の名前なんだよ。確か、カンジとか言うの使ってたはずだ」
漢字!?
俺以外の日本人が過去にここに来たってことか!?
これは、いずれ行ってみたいな。
「今度こそ終わりだ。手間取らせたな」
「いや、いい情報が得られた。ありがとう」
俺達は部屋を出て街の中に入っていく。
門のところでさっきの青年兵士に出会ったので挨拶をした。
イータは俺の背中にくっついている。
モーストはいい奴!
マナちゃんは、もうちょっと頑張れ!




